ザめしや、という私が比較的お気に入りの大衆食堂的なレストランがある。私が比較的嫌いなレストランチェーン店なのだが、ここはまし、なのです。ここの、うどんが結構気に入っている。で、1週間くらい前に、父と病院の帰りに、ザめしや、に行った。いつも通りに、ワカメうどんといなり寿司2つ。うどんをすすって、いなり寿司を食べて。あれっ、おいしかったはずのうどんが、そんなに食べられない。うどんのつゆも、以前と同じ味です。なのに、何が違ったのか。結論を言うと、以前と同じ味なので、飽きちゃったのですね。気に入っているメニューのうどんが、こんなことになってしまった。
その3日後くらいに、妻がうどんを作りました。うどんは妻の故郷で人気の製麺所で作られたもの。だから、しっかりとコシがあります。出汁は、奈良市内のかつお節専門店で買ったかつお節に、ちょっぴりの日田醤油を加える、それだけ。もちろん、うどんの具材はたっぷり。さつまいもがメインのかき揚げ。猫の殿が好きな海老の天ぷら。食べる前に、妻はちょっと辛いかもしれないよ、と言う。ちょっとすすってみた。確かにそうかもしれないが、ほとんど問題はない。具を入れたら、ダシの味も変わるからね。で、具の天ぷらをしっかり出汁に浸していただく。やっぱり、おいしい。
どうして、妻のうどんはおいしくって、私がお気に入りのチェーン店のうどんは飽きちゃったのか。妻のうどん出汁は、作るたびに味が変わるのです。日本には四季があって、暑い、涼しい、暖かい、寒い、爽やか、むしむしする、などなどで、食べるときのコンディションは違いますよね。妻はかつて、料理屋さんに勤めていた。その時に、その日の気候によって、板前さんは味を微妙に変えていたという。暑いときは塩分高くするとかね。だから、その日のコンディションの中で、うどん出汁の味を決める妻こそが、味の適合を左右するといっても過言ではないのです。我が家では、妻のうどんを食べるのは、妻以外は私だけですが。妻がその日のコンディションでおいしいと決めた味。だから、おいしいのですね。いつもいつも変わらぬ味、それがその日のコンディションによって、おいしくないときもある。そんなことが妻の作るうどんによって、分かったような気がします。たかが、うどんだけど。どうせ食べるなら、おいしいうどんですね。蕎麦もそうでしょうけど。
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