君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 三章「星の祈り」十三話(Messiah/現在)

2011-11-03 02:54:47 | 『君がいる幸せ』(本編)三章「星の祈り」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 三章「星の祈り」

  十三話(Messiah)現在  ※この章は流血もBLもあります。ご注意を!
 メギド内部で対峙するジョミーとブルー。
 二人が同時に床を蹴った。
 ブルーの青い光が空を斬る。
 細いカマイタチのような光が何個も襲い来る。
 ジョミーは剣を振るいはじき返す、間髪を入れずに細い雹のような光が襲う。
 それを避け、跳びながら下がる。
 その着地地点を目がけて光が飛ぶ、大きく跳んで背後の壁を蹴る。
 ブルーに向かって飛びながら自分の回りに何本もの剣を作った。
 大きく手を広げて、右や左に剣を上げて振り下ろした。
 ブルーはそれを読んでいるかのように避ける。
 右、左、右、左…。
 ジョミーは彼の前に剣を振り続ける自分の残像を残し上に回り込んだ。
 そして、真上からの剣戟。
 斬れたかと思ったが、それはブルーの残像だった。
 すぐ後ろにブルーが現れた。
 ジョミーは薄く笑うと、そのまま近接攻撃へと切り替えた。
 走りこみ間合いに入ると斬りつける。
 何度も何度も打ち込む、防戦一方になったブルーがじわじわと後退した。
「…くっ…」
 やがて壁際まで追い詰めると、ジョミーは瞬時に無数の剣を作り出し宙に上げ飛ばした。
 ザッという音と共に弧を描き剣はブルーに迫る。
「…つっ…」
 彼はシールドを全方向に広げた。
 シールドの輪が出来る。カンッ!と金属音が響く。
 剣はシールドにあたって消失するかに思えたが、シールドに刺さり不気味に揺れていた。
「!」
 怪訝な顔をしていたブルーが気付いた瞬間に、剣は次々に爆発した。
 硝煙があがり回りが見えなくなった。
 だがブルーにはジョミーの青い光が見えていた。
 そこに向かって大きく輝く光を撃ち込んむ。
 二発目をほぼ同時に作り今度はその光と一緒に走る。
 一発目を防いでいるジョミーに自分の体重を乗せた光をぶつけた。
 あたりが光に包まれた。
「やったか?」とブルーは思った。
 光が少し薄れる、
「残念…」
 ジョミーの声がした。
「もう少しだったのにね。左手が痺れちゃったよ」
 真後ろで輝く光の玉を作っているジョミーがいた。
「このまま逝くかい?」
「くっそ…」
 悔しそうに見返るブルー。
「お前も逝くか?」
 その手に何かがあらわれる。

 彼の手にはコロナフィズと呼ばれる兵器があった。
 それは最近偶然発見され危険過ぎるとその存在すら発表されてない代物だった。
「コロナフィズ…」
 小型なので規模は小さいだろうが、ここで爆発すればメギドも誘爆しかねない。
 そうなったら外の艦隊に影響が出るだろう。
 パチン!とケースにヒビが入る。小さな丸いケースに入っていたモノは、あっという間に大きくなった。
 フィズを中心に暗闇が広がる。
 すべてを飲み込むブラックホールを作る物質が、コロナフィズだ。
「このバカ!」
 フィズを包みジョミーの青い光が輝く。
 フィズに合わせて出力を上げる。
 ジョミーの力がメギドを中心に外まで拡がってゆく。
 メサイアの空に青い光が輝いた。
 そして、ある程度の大きさまで広がると青い光はやがて集まってゆく。
 ジョミーはフィズを押さえ込んだ。両腕に収まる程度まで小さくなったフィズは、不気味に蠢きながらやがて消えた。
 メギドの動力室で、床にしゃがんで肩で息をしながらジョミーは、少し遠くに倒れているブルーを見た。
 彼の左頬が赤くなっている。
「…殴ってごめんね」
 ジョミーが言った。
 さっき僕はフィズを取り上げる時に殴ってしまったのだ。
 ミュウは力で戦うのでこういう直接的な暴力には精神的なダメージが大きい。
 昔、僕がキムと殴り合いをした時にさんざん恐ろしいヤツだと言われた記憶が蘇る。
 ミュウの力も暴力じゃないのか?と思ったっけ…。
「平気だ」
 頬を押さえながらブルーが答えた。
「お前こそバカだ。早くエンディミオンに行ってメギドを止めろよ。それが目的なんだろう」
 ジョミーは立ち上がり艦橋へのドアを見た。
「もうカウントは…とっくに終わってるんじゃないかな?」
「?…じゃあ、なぜ発動しない?」
「ここ動力炉だよね?」
「ああ、そうだが……」
 とブルーは辺りを見回した。
「お前、まさか…」
 動力炉なのに静か過ぎる。
 さっきまでうるさかったのに…。
「ここの時間を止めたのか?メギドの時間を…」
「そう。間に合いそうになかったからね。ここまで近くならやれる」
 ジョミーは笑った。
「それで、お前は。時間を止めたまま戦い。さっきのフィズも消したのか?…あれは、フィズはどこへやった?」
「さぁ?ブラックホールを作るものだから。その向こうへ送っただけだよ。今頃はどこまでも収束してんじゃないかな?」
「呆れたやつだな…早くエンディミオンに行けよ」
「動ける?彼を…ジョミーを連れてブリッジまで来てくれないか」
「…自分で来させればいいだろう?」
「彼に刺さってる剣は君でないと抜けない。君が解除コードなんだ。じゃ、行くね。そろそろ時間が限界だ」
 そう言うとジョミーはエンディミオンに跳んだ。
 床に寝転んでいたブルーがゆっくりと体を起こした。
「俺が解除コード?じゃあ、最初っから殺す気は無いって事じゃないか…。なにが「殺さない」取引だ。フィズ消してしまうの事といい、あいつはデータと実力が桁違いだ…。この計画は最初から、ジョミーの足止めをする事から無謀だったんだな…まぁ、俺達を捨石として使うようなあいつらがどうなろうと関係はないが…」
 身体のあちこちが痛む。
 爆発しなかったジョミーの青い剣はシールドを破って進入してきてその全てが刺さったと思った瞬間消失した。
 その痛みだけ残して。
 ブルーにとって希望と絶望とが交互にやってくるような戦いだった。
「嫌味な攻撃しやがって」
 と愚痴り、十四歳のジョミーの元に跳んだ。


 
  続く