君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 四章「心のままに」五話 「I guard you1」前編

2011-11-29 01:24:04 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)五話 

   Epilogue Bridge「I guard you1」前編 
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!
  今から四年前・ジュピターの頃
 軍事惑星ペセトラに着いた日に僕はキースの訪問を受けた。
 最後のメギド探し、ミュウのメサイア移住等、色々忙しい日々だったがペセトラへの外遊に同行するようにとの指示を受けていた。
 宿舎は基地内にあったが、まるでホテルのような豪華な造りだった。
 ペセトラはキースが長く暮らした地でもあった。
 そのせいかその日は珍しくキースは少し酔っていた。
「お前が飲めないのが残念だな」
「僕は勤務中になりますから」
 ジョミーは答えた。
「そうか、ではジュピター。お前の探し物を手伝ってやろう」
 キースはここの地下はこれが必要だと、ペセトラの軍服を僕に渡した。
 二人は部屋を出て地下へと向かった。
 そして「この先は力は使うな」と言い含められた。
  地下へと進むエレベーター
 威圧感が下から上がってくる気がした。
 この感じはイグドラシルと似ている。
 僕は緊張した。
「キース…まさかここは。この下には…」
「マザーのサブシステムがある。ここペセトラはまだマザーの意思が残っている唯一の場所だ。ここは壊されなかった。だが、もう何も出来ない」
「それでも…」
 威圧感と緊張感で押さえつけられている感覚があった。
「苦しいか?」
「…ええ…」
「俺の後から知りたい事だけを質問すればいい」
 地下には、上の基地よりも大きな施設があった。
 キースの後について長い廊下を行くと別に他と変わりがない部屋に着いた。
 一つ部屋をおいたその先にマザーがいた。
「マザー。お久しぶりです。キース・アニアンです」
「久しぶりですね。キース」
 機械が返事をしてくる。
 その声と共にキースと僕の下に大きなマザーの瞳が現れた。
「今日は地球の再演か?」
「いいえ、マザー。彼はあなたに質問があるのです」
「我にミュウが聞きたい事があると?」
 キースの斜め後ろに立つジョミーが下ではなく正面のパネルを見据えて言う。
「グランドマザー、教えて欲しい。ミュウの起源の本当の意味を」
「それは、テラの保管分野であり、我は知らぬ」
「いいえ。地球の貴女の中にも有った。知っているはずだ。鍵が見つからないのです。教えて下さい」
「鍵?鍵ならばお前の中にもある」
 床から電磁波がジョミーを襲う。
「あうっ」
 あちこちが焦げて燻っていた。
 ジョミーは床に手をつき、真下の瞳を睨む。
「マザー!攻撃はやめて下さい。何もしないと言ったではないですか?」
「攻撃ではない。その者が記憶している部分を刺激した。忘れているブルー記憶から答えが見つかるであろう」
「ブルーの記憶?僕が見たあの…記憶…そこに答えが…?」
 そう言うと、走馬灯のように記憶の奔流が始まった。
 それは自分の意思と関係なく動き出した。
 やがて、不可を感じてサイオンが警告を身体の周りでスパークが起きた。
(このままではいけない)
 サイオンを察知して警報が鳴り始める。
「ジョミー。ダメだ。ここでは!」
 真下のマザーはただ見つめている。
 恐ろしいほどの威圧感がそこにはあった。
「このっ…機械め…!」
 サイオンを抑えるジョミー。
「キース…早くここから出ないと僕は記憶が定まらない…君の意思を頼りに跳ぶ。場所は任せる…僕を支えていてくれないか…」
「わかった」
 答えを聞き、安心したようにジョミーは瞬時に跳んだ。
 跳んだ先は、空港にあるジョミーのシャトルだった。
「ここなら、大丈夫だ。ありがとう」
 シャトルはジョミーのサイオンシールドを機械が補佐してくれる。
 ジョミーはここでまる一日寝込む事になった。

  シャトルのジョミーの部屋
 会議初日を終えたキースがやって来る。
「今回の事はマザーから俺に言ってきたことだ。ペセトラに連れて来いと言われていた。お前を殺す気でいるのではなく、教えたい事があると言われた。こんな事になるとは…すまなかった」
「だから飲んでから来た訳だ」
「…それで、何かわかったか?」
「ううん。まだ混沌としていて…探せない。でも、キース…僕はもう探りたくないんだ…」
「答えがそこにあるのにか?」
「だって、キース…。ブルーの記憶は辛過ぎる…」
 泣き腫らしたような目でジョミーが訴えてくる。
 キースにもブルーの記憶が辛く哀しいものだろうと想像が出来た。
「ジョミー。記憶を体感するように見たら、きっとお前がもたない。本やデータを見るように出来ないか?」
「わからない。やった事がない…」
「やるしかないだろう」
 ジョミーはまた高熱にうなされるように眠ってしまった。
「…いやだ…」
 と目に涙を浮かべるジョミーの涙をやさしくすくうキースだった。
 だが、その目は虚空を睨み続けていた。

 その日は、シャトルに残ったキースが操縦席で明日の調整をしてジョミーの部屋に戻ると、ベッドにジョミーが座っていた。


  I guard you 1(後編)へつづく