☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
『君がいる幸せ』 五章「時の在り処」 十七話「銀の祈り 金の願い」
施設の麻酔銃だった。
さっきまでの景色が消えて、そこは三棟から二棟へ行く途中の廊下だった。
僕は水槽が割れたから逃げたんだ。
そして、捕まった。
別室に運ばれた僕の許に研究員達が来て検査をしていた。
「走れないのに無理して走るから、あちこち痣だらけじゃない」
さっきの女性が心配している。
「ここから逃げてもどこにも出られないから、脱走は無理よ」
「…こ…こは?」
「え、知らなかった?月よ。月基地の研究機関よ」
「月」
「そして、私はあなたの子供をここに宿しているわ」
「え?」
ブルーの子供?
僕の記憶の中では月の基地はもうずっと前に閉鎖されている。
SD何年だろう。
まだその頃は、自然分娩で子供が生まれていたのか…。
「機械で作る子供だけじゃなくて、こうして産むのも資料になるんじゃないかって」
「そして、生まれたら、僕がパパ。大事に育てるからね」
横の男性研究員が言った。
オリジンはミュウの力を持っていたが、まだ未分化に近かった。
水槽を割った力は外からの僕の力と中からのブルーの力で割れたものだ。
ブルーはそれに気付いていた。
そして、水槽に戻され、その中で力の使い方の練習を始めた。
ブルーが記憶していた十四歳の成人検査の記憶は後からマザーの手で植え付けられたものだ。
彼は実験体として生まれた。
彼の持つミュウの力が危険なんだと人類に思わせる為にそう仕組まれた。
やがて、二人が子供が産まれたと見せにきた。
赤ちゃんは可愛かった。
小さくて、ふわふわしてそうだった。
そして、事件が起きた。
月基地内での反乱だ。
小競り合いの中、研究員が殺されてゆく。
水槽のガラスが彼女の血で赤く染まった。
「やめろ。止めてくれ!」
水槽をいくら叩いても割れてくれなかった。
「彼のように力が使えたら…」
悔しかった…。
僕の中に力はあるのに!
僕はそれをただ見ている事しか出来なかった。
記憶が引き戻される。
「ブルー?」
と低くて優しい声がする。
ハーレイだ。
「どうしたんです。何故急に泣き出したんです」
「月で…。いや、なんでもない。少し思い出し…」
「過去を思い出した?」
「ううん…違う」
ハーレイがいて一緒に閉じ込められている。
そうなると、ここは…。
木星上空、衛星都市「アルタミラ」だ。
良く見ると、そこにはハーレイだけじゃなくてゼルもエラ女史も、ブラウも教授もいた。
「……」
皆、若い。
僕は懐かしさでまた泣きそうになってしまった。
ミュウ達は脱走の計画を練っていた。
力の強い者を中心にして計画が進んでいた。
僕はここの全体の構造を読み取り、皆に知らせた。
一人でも確実に逃げおおせるように。
そして外部探査船の操縦をハーレイに教え終わるとここを去る時になっていた。
僕はどうしても彼に伝えた事があった。
「ハーレイ。僕達を心配し過ぎないでね。あまり心配ばかりしてるとハゲちゃうよ」
「ハゲって…」
と苦笑いをするハーレイ。
僕はハーレイにお礼と気持ちと受け取る事すらしなかった僕達の分までキスをした。
きっと、ハーレイはブルーが好きだったんだ。
イグドラシル・降下をするエレベーターの中
そこには、僕とキースがいる。
彼らを繋ぐ者は、セキ・レイ・シロエ。
ブルーの声が聴こえる。
「ジョミー…。これは、ほんのきっかけでしかない。僕にはもうこれしか君にしてあげられない。僕は君に酷い事をしてきた。君は…、僕の想いを受け取ってくれるだろうか?僕は心から祈る。この日が来るまで君の傍で、僕は生きていたかった。僕は祈り続ける。どうか、ジョミー生きていて。どんなに苦しくても未来は訪れるから…」
あの時、僕達の前にふいに現れたシロエ。
彼を導いたのはブルーだったんだ。
僕達二人が自分の行動に後悔の気持ちを持つ者。
僕は助けられる者を救えなった思いがあった。
キースには彼を殺したという思いと、自覚もしていないが、彼に好意を持っていたという思い。
僕がマザーの許に降りてしまったら、キースがどんな答えを出そうとも、僕は殺される運命だった。
それを、ブルーは変えようとしたんだ。
それは、きっと…。
そして、僕は生きた。
頬に触れる冷たいガラスの床
白い雲と星空
僕が僕の中に戻ってきた。
外には「青い地球」が見えた。
それは僕の意識が太陽系に戻って来たと言う事だ。
ジョミーは起き上がり問う。
「ブルー…教えて下さい」
返事は無かった。
「グランド・マザーはどこですか?」
返事の代わりにカードが一枚落ちてきた。
ブルーのだ。
人を愛してもいいですか?
「答えが欲しいのですね?」
僕は上を向いて大声で言った。
「人を愛していいですよ。僕も貴方を愛しています」
ブルーは遠い過去で、遠い未来から来た僕を、ずっと待っていてくれた。
僕を太陽と思い、あの希望の丘で再び会える事を夢見て。
四百年の後、僕がシャングリラで会った時のブルーは、もう誰も愛せない程に僕を愛していた。
僕はそれに全く気付かずにいた訳だ。
「僕は貴方を冷たい人だ。ズルイとかヒドイとか色々と言いましたね。貴方は誰の物にもならないのに、僕にはあれこれと指示してきて、貴方は最初から最後まで、僕だけを見ていてくれた。僕はもうずっと前から貴方を許しています。僕に言ってくれたのと同じです。誰も貴方を責めたり出来ない!」
僕は…また泣いていた。
僕にも、もう誰も好きになれないと思った時があった。
貴方と仲間を失ってからはずっと…そうだった。
想いを地球へと変換して恋焦がれた。
「だけど…、僕は貴方のようにいつまでも想い続ける事が出来なかった。僕を置いて逝ってしまった貴方を酷いとなじった事もある。だけど、だけど、僕は…」
何も無い。抜け殻の僕に貴方は生きろと「人」を与えた。
人智を超えた力に翻弄される僕は、力を封印して人と共に生きた。
そして僕はキースに出会った。
人としての弱さや強さ、苦悩と混乱、そして、その意思。
僕は彼に惹かれた。
出来損ないの僕に居場所を与え、愛をくれた。
人と生きる事が出来る。
ミュウと人類の先を知って僕は、このままでは、逝けなくなった。
希望が見えたんだ。
生きたいと願った僕は、僕に「地球」を託して、ここにいる。
その悲しみを越えて、まだ、貴方は生きろと…。
僕がどうなっていようと生きる意志は捨てないと、貴方は信じていたんだ。
そう、僕は「ミュウ」であり「人」だから…。
「貴方の本当を知って僕は…」
一度、涙を拭う。
そうして、止まってしまうと次の言葉が出て来なくなってしまった。
多分、もう時間はない。
彼の限界がそこまで来てる。
それが辛かった。
「僕はもう大丈夫ですよ。ブルー」
貴方の思いも全て僕がもらってゆくから…。
「出てきてください」
僕は泣かないように、もう一回、声を張り上げて叫んだ。
「貴方を愛しています!」
「でも、でも、…さよならです」
そう言うとまた涙が溢れそうになり、僕は目を閉じた。
何かが僕に触れた。
それは少しずつそれは姿を現した。
ブルーが僕を抱きしめていた。
まだ僕は目が開けられなかった…開けたら、涙がこぼれてしまう。
「貴方からのメッセージ…受け取りました…」
………。
「ブルー、そのカードはかえさないで…。それが、ここのキーだから…貴方もそれは知っているはず」
こうして、このままずっと一緒に…いたい。
「僕もです」
青い地球は見えたかい?
「ここまで来た甲斐がありました…。すばらしく綺麗な星だ」
君が連れて行ってくれたあの山の頂きに、行ってみたかった。
「今から行きませんか?」
それをしたら君は過去に戻れなくなる。
「大丈夫ですよ。僕を信じて下さい」
目を開けてジョミー。
「涙が…」
「もう溢れてるから…その緑の瞳を見せて最後に…お願いだ」
ジョミーはゆっくりと目を開ける。
涙がこぼれる。
目の前には、銀色の髪と赤い瞳の彼がいた。
「辛い旅をさせてしまったね」
「僕も貴方に辛い思いをさせましたね」
「僕も君を心から愛しているよ。ジョミー。本当にありがとう」
そう言うと、ブルーは僕のカードをかえそうとする。
僕は、その手を押さえて、残った右手でブルーを抱きしめると、彼の背中に手をあて彼のカードを強制的に全部引きだし、強引に全てを表にかえした。
そしてカードはゆっくりと彼の中に戻ってゆく。
「な…何を…」
僕は崩れそうになったブルーを再び抱きしめた。
「もう、僕は貴方を一人でいかせたりしないと決めたんです」
「ジョミー。無茶だ…僕は君を助けに来たのに」
「無茶は承知です。だけど、僕はもう助けてもらう必要はないんです。言ったでしょう。僕はもう大丈夫だと。僕を信じて…大丈夫です。必ず戻ります。だから…貴方の心を全て…僕に下さい…僕はもう二度と…貴方を見送らない…僕に全てを下さい…」
僕は白く光り出したブルーにキスをした。
「マザーはどこにいますか?僕は全てを終わらせなければならないんです。教えて下さい」
と力を使った。
続く
<用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
『君がいる幸せ』 五章「時の在り処」 十七話「銀の祈り 金の願い」
施設の麻酔銃だった。
さっきまでの景色が消えて、そこは三棟から二棟へ行く途中の廊下だった。
僕は水槽が割れたから逃げたんだ。
そして、捕まった。
別室に運ばれた僕の許に研究員達が来て検査をしていた。
「走れないのに無理して走るから、あちこち痣だらけじゃない」
さっきの女性が心配している。
「ここから逃げてもどこにも出られないから、脱走は無理よ」
「…こ…こは?」
「え、知らなかった?月よ。月基地の研究機関よ」
「月」
「そして、私はあなたの子供をここに宿しているわ」
「え?」
ブルーの子供?
僕の記憶の中では月の基地はもうずっと前に閉鎖されている。
SD何年だろう。
まだその頃は、自然分娩で子供が生まれていたのか…。
「機械で作る子供だけじゃなくて、こうして産むのも資料になるんじゃないかって」
「そして、生まれたら、僕がパパ。大事に育てるからね」
横の男性研究員が言った。
オリジンはミュウの力を持っていたが、まだ未分化に近かった。
水槽を割った力は外からの僕の力と中からのブルーの力で割れたものだ。
ブルーはそれに気付いていた。
そして、水槽に戻され、その中で力の使い方の練習を始めた。
ブルーが記憶していた十四歳の成人検査の記憶は後からマザーの手で植え付けられたものだ。
彼は実験体として生まれた。
彼の持つミュウの力が危険なんだと人類に思わせる為にそう仕組まれた。
やがて、二人が子供が産まれたと見せにきた。
赤ちゃんは可愛かった。
小さくて、ふわふわしてそうだった。
そして、事件が起きた。
月基地内での反乱だ。
小競り合いの中、研究員が殺されてゆく。
水槽のガラスが彼女の血で赤く染まった。
「やめろ。止めてくれ!」
水槽をいくら叩いても割れてくれなかった。
「彼のように力が使えたら…」
悔しかった…。
僕の中に力はあるのに!
僕はそれをただ見ている事しか出来なかった。
記憶が引き戻される。
「ブルー?」
と低くて優しい声がする。
ハーレイだ。
「どうしたんです。何故急に泣き出したんです」
「月で…。いや、なんでもない。少し思い出し…」
「過去を思い出した?」
「ううん…違う」
ハーレイがいて一緒に閉じ込められている。
そうなると、ここは…。
木星上空、衛星都市「アルタミラ」だ。
良く見ると、そこにはハーレイだけじゃなくてゼルもエラ女史も、ブラウも教授もいた。
「……」
皆、若い。
僕は懐かしさでまた泣きそうになってしまった。
ミュウ達は脱走の計画を練っていた。
力の強い者を中心にして計画が進んでいた。
僕はここの全体の構造を読み取り、皆に知らせた。
一人でも確実に逃げおおせるように。
そして外部探査船の操縦をハーレイに教え終わるとここを去る時になっていた。
僕はどうしても彼に伝えた事があった。
「ハーレイ。僕達を心配し過ぎないでね。あまり心配ばかりしてるとハゲちゃうよ」
「ハゲって…」
と苦笑いをするハーレイ。
僕はハーレイにお礼と気持ちと受け取る事すらしなかった僕達の分までキスをした。
きっと、ハーレイはブルーが好きだったんだ。
イグドラシル・降下をするエレベーターの中
そこには、僕とキースがいる。
彼らを繋ぐ者は、セキ・レイ・シロエ。
ブルーの声が聴こえる。
「ジョミー…。これは、ほんのきっかけでしかない。僕にはもうこれしか君にしてあげられない。僕は君に酷い事をしてきた。君は…、僕の想いを受け取ってくれるだろうか?僕は心から祈る。この日が来るまで君の傍で、僕は生きていたかった。僕は祈り続ける。どうか、ジョミー生きていて。どんなに苦しくても未来は訪れるから…」
あの時、僕達の前にふいに現れたシロエ。
彼を導いたのはブルーだったんだ。
僕達二人が自分の行動に後悔の気持ちを持つ者。
僕は助けられる者を救えなった思いがあった。
キースには彼を殺したという思いと、自覚もしていないが、彼に好意を持っていたという思い。
僕がマザーの許に降りてしまったら、キースがどんな答えを出そうとも、僕は殺される運命だった。
それを、ブルーは変えようとしたんだ。
それは、きっと…。
そして、僕は生きた。
頬に触れる冷たいガラスの床
白い雲と星空
僕が僕の中に戻ってきた。
外には「青い地球」が見えた。
それは僕の意識が太陽系に戻って来たと言う事だ。
ジョミーは起き上がり問う。
「ブルー…教えて下さい」
返事は無かった。
「グランド・マザーはどこですか?」
返事の代わりにカードが一枚落ちてきた。
ブルーのだ。
人を愛してもいいですか?
「答えが欲しいのですね?」
僕は上を向いて大声で言った。
「人を愛していいですよ。僕も貴方を愛しています」
ブルーは遠い過去で、遠い未来から来た僕を、ずっと待っていてくれた。
僕を太陽と思い、あの希望の丘で再び会える事を夢見て。
四百年の後、僕がシャングリラで会った時のブルーは、もう誰も愛せない程に僕を愛していた。
僕はそれに全く気付かずにいた訳だ。
「僕は貴方を冷たい人だ。ズルイとかヒドイとか色々と言いましたね。貴方は誰の物にもならないのに、僕にはあれこれと指示してきて、貴方は最初から最後まで、僕だけを見ていてくれた。僕はもうずっと前から貴方を許しています。僕に言ってくれたのと同じです。誰も貴方を責めたり出来ない!」
僕は…また泣いていた。
僕にも、もう誰も好きになれないと思った時があった。
貴方と仲間を失ってからはずっと…そうだった。
想いを地球へと変換して恋焦がれた。
「だけど…、僕は貴方のようにいつまでも想い続ける事が出来なかった。僕を置いて逝ってしまった貴方を酷いとなじった事もある。だけど、だけど、僕は…」
何も無い。抜け殻の僕に貴方は生きろと「人」を与えた。
人智を超えた力に翻弄される僕は、力を封印して人と共に生きた。
そして僕はキースに出会った。
人としての弱さや強さ、苦悩と混乱、そして、その意思。
僕は彼に惹かれた。
出来損ないの僕に居場所を与え、愛をくれた。
人と生きる事が出来る。
ミュウと人類の先を知って僕は、このままでは、逝けなくなった。
希望が見えたんだ。
生きたいと願った僕は、僕に「地球」を託して、ここにいる。
その悲しみを越えて、まだ、貴方は生きろと…。
僕がどうなっていようと生きる意志は捨てないと、貴方は信じていたんだ。
そう、僕は「ミュウ」であり「人」だから…。
「貴方の本当を知って僕は…」
一度、涙を拭う。
そうして、止まってしまうと次の言葉が出て来なくなってしまった。
多分、もう時間はない。
彼の限界がそこまで来てる。
それが辛かった。
「僕はもう大丈夫ですよ。ブルー」
貴方の思いも全て僕がもらってゆくから…。
「出てきてください」
僕は泣かないように、もう一回、声を張り上げて叫んだ。
「貴方を愛しています!」
「でも、でも、…さよならです」
そう言うとまた涙が溢れそうになり、僕は目を閉じた。
何かが僕に触れた。
それは少しずつそれは姿を現した。
ブルーが僕を抱きしめていた。
まだ僕は目が開けられなかった…開けたら、涙がこぼれてしまう。
「貴方からのメッセージ…受け取りました…」
………。
「ブルー、そのカードはかえさないで…。それが、ここのキーだから…貴方もそれは知っているはず」
こうして、このままずっと一緒に…いたい。
「僕もです」
青い地球は見えたかい?
「ここまで来た甲斐がありました…。すばらしく綺麗な星だ」
君が連れて行ってくれたあの山の頂きに、行ってみたかった。
「今から行きませんか?」
それをしたら君は過去に戻れなくなる。
「大丈夫ですよ。僕を信じて下さい」
目を開けてジョミー。
「涙が…」
「もう溢れてるから…その緑の瞳を見せて最後に…お願いだ」
ジョミーはゆっくりと目を開ける。
涙がこぼれる。
目の前には、銀色の髪と赤い瞳の彼がいた。
「辛い旅をさせてしまったね」
「僕も貴方に辛い思いをさせましたね」
「僕も君を心から愛しているよ。ジョミー。本当にありがとう」
そう言うと、ブルーは僕のカードをかえそうとする。
僕は、その手を押さえて、残った右手でブルーを抱きしめると、彼の背中に手をあて彼のカードを強制的に全部引きだし、強引に全てを表にかえした。
そしてカードはゆっくりと彼の中に戻ってゆく。
「な…何を…」
僕は崩れそうになったブルーを再び抱きしめた。
「もう、僕は貴方を一人でいかせたりしないと決めたんです」
「ジョミー。無茶だ…僕は君を助けに来たのに」
「無茶は承知です。だけど、僕はもう助けてもらう必要はないんです。言ったでしょう。僕はもう大丈夫だと。僕を信じて…大丈夫です。必ず戻ります。だから…貴方の心を全て…僕に下さい…僕はもう二度と…貴方を見送らない…僕に全てを下さい…」
僕は白く光り出したブルーにキスをした。
「マザーはどこにいますか?僕は全てを終わらせなければならないんです。教えて下さい」
と力を使った。
続く