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地震列島ファミリー。

2020-03-11 | 日記
 3月11日  水曜日

 おはようございます。 酒好きの思想家です。


「3.11」 は日本にとって

とりわけ東日本にとって人々に大きな衝撃を与えた日である。

悲鳴が聞こえた大地震のさなか、

想像を絶する高さの津波が襲来した。

それによって引き起こされた

福島原発事故による放射能汚染は日本中を震撼させた。

それよりもさらに驚かされたのは、

未曾有の災害に見舞われた被害地で見せた災害復旧支援による利他的行為である。

私もその中の一人だった。

世界の人々を驚かせたのは放射能汚染などではなく、

これほどの災難に直面しても日本人が整然と秩序を守り、

略奪の類がほとんどなく、日本中が困難を分け合い、

様々な個人や団体や関係者が

無償で労働、お金、生活物質、製品、機械設備を提供したことである。

全国から多くの支援者が駆け付け、共に汗を流したことである。

そこには利己的と呼ばれるものはなかったことである。


当時、

私も愛読していたマイケル・サンデル氏の「正義(ジャスティス)」の中には、

人間は本能的に自己の利益を追求する存在であり、

社会全体にとっての幸福は功利主義的な行動の総和として損得勘定が働いているというものである。

つまり自らの利益が集団の利益になるということである。

米国にハリケーンが災害をもたらした時、2㌦の水が10㌦で売られ、

一泊40㌦のモーテルが160㌦を請求するという事態が起きた。

州法律は便乗値上げを禁止する法案を提出したのに対して、

一部の経済学者は便乗値上げは正当な経済行為であり法で禁止することは違法だと抗議した。

確かに「血が流れたら買いだ」とする理論は間違いではないだろう。

ところがである。

なにがそれほどまでに世界中を驚かせたかというと、

東日本大震災に際して、多くの日本人が誰かに強制されることなく、

自ら率先して利他的行動をとったことである。

利己的行為が許されてもよさそうなさ中にである。

以前、

日本人は無宗教で隣人愛が無いと言われたことがあるが、

逆であろう。

利己的な民族にはそれが見えないだけである。

東日本大震災で見せた行動はまぎれまなく隣人愛だった。


翌年の春。

仙台市の六丁の目の仮設住宅で天皇陛下をお見かけした時、

はっきりと感じた。

日本人は利他的行為を実現させる隣人愛ある民族だということを。

そこには利己的な裏切りやデマ、自己中心的な搾取などなく、

仲間が一緒になって力を出し合い働いた利他的空間であった。

私はそんな日本人を誇りに思った。




    つづく。



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