社長が午後になると会社を出てしまい、「もしや別荘に行ったのでは」と思って車を見に行った。
社長が仕事で使っている車と、プライベートで使っている車が違うのだ。
車を見に行こうとしたら、その手前に見慣れた車があり、運転席から一人の男がおり、車から出した大きな紙袋をポイと会社のゴミ箱に捨てているのが見えた。そして新聞も投げ入れていた。
「TUKAさん。」と私は柔らかめに声を出し、「それは現場のゴミですか?」と言うと、TUKAさんは少々バツが悪そうに「新聞です」等と言う。
しかし私も八方美人なのでそれ以上追い詰める事もせずにいると、TUKAさんはあまり反省した様子もなく、「また次回もやるだろうな。」と言う空気がただよっている。
そういう私だって時々、分別に困るゴミや、大きくて有料袋に入れるのがもったいないものは、ここにポイと捨てていたりする。しかし、私はあくまで社内の人間である。社員でもないくせに平気でここにポイと捨てられるTUKAさんの神経とはたぶん違う。
そして、社長の車は無い。
やはり別荘に行ってしまったのだ。
なので、今日は定時になり急ぎの仕事もなかったので、残っていた課長と早々に帰る事にした。
「最近、定時でカギをしめて帰ってるから秀クンがいじけるかなぁ」と言うと、課長は「そんなことないよ。」と言う。でも、私は秀クンがゼーハー帰ってきて「またこれだよ、みんな帰ってるよ」と事務所の灯りをつけている姿が目に浮かぶようだ。(と思ったところで帰る事には変わらないけど。)
だが今日はずいぶん早く帰れたので、図書館にギリギリ間に合いそうだ。
本もほとんど読んでしまったから、急いで向って、返してまた借りた。
そして、帰り道歩いていると、偶然にUちゃんにバッタリ会った。
二人で顔を合わせて「わっ!」と言い、ほぼ同時にお盆休みどうしてた?と言った。
私もUちゃんがどうしてるかなぁと思ったが、Uちゃんも同じように思ってくれていたそうだ。
「どうしてるかな?と思ったけれど、じんましんが出ちゃってね、こんな時に誘うのもなんだなぁと思っているうちにお盆が終っちゃった。」とUちゃんは言う。
あの時は車で大変だったよね、ゴメンね、と言うので、「いやいや私が勝手に誘ったんだから」と言い、また近いうちにどこかに出かけよう、と約束した。
「keke君はどうしてる?」と心配してくれたので、「先月バイトを辞めたんだけど、これから職業訓練校に通おうと試験を受けたところなんだよ」と言った。
Uちゃんは「よかったね、きっと大丈夫だよ。」と言うので、「いやいや、今はだから家にずっといるだけなんだ。」と言うけど、「外に出ているから大丈夫だよ。」と言う。
私もそうなるといいな、と思う。
Uちゃんには近いうちまた連絡して会おうね、と手を振った。
こんな偶然にUちゃんに会うなんて思わなかった。
今日いつもより早く会社を出なかったら?
たまたま図書館に行かなかったら?
私は最近、このような偶然を「縁」だと思うことにした。
残りの人生の時間は、「縁」を愚痴らずよく受け入れ、味わいたいと思う。
それが悲しいことや辛いことになっても、それはその後飛躍する前触れのように思う。
悲しいことや辛いことは「結果」ではなくて、いつだって「経過」なのだ。
(ちなみに、今日TUKAさんのずるいゴミ捨てを見つけたのも縁(偶然)の一つなのだろうか。)
社長が仕事で使っている車と、プライベートで使っている車が違うのだ。
車を見に行こうとしたら、その手前に見慣れた車があり、運転席から一人の男がおり、車から出した大きな紙袋をポイと会社のゴミ箱に捨てているのが見えた。そして新聞も投げ入れていた。
「TUKAさん。」と私は柔らかめに声を出し、「それは現場のゴミですか?」と言うと、TUKAさんは少々バツが悪そうに「新聞です」等と言う。
しかし私も八方美人なのでそれ以上追い詰める事もせずにいると、TUKAさんはあまり反省した様子もなく、「また次回もやるだろうな。」と言う空気がただよっている。
そういう私だって時々、分別に困るゴミや、大きくて有料袋に入れるのがもったいないものは、ここにポイと捨てていたりする。しかし、私はあくまで社内の人間である。社員でもないくせに平気でここにポイと捨てられるTUKAさんの神経とはたぶん違う。
そして、社長の車は無い。
やはり別荘に行ってしまったのだ。
なので、今日は定時になり急ぎの仕事もなかったので、残っていた課長と早々に帰る事にした。
「最近、定時でカギをしめて帰ってるから秀クンがいじけるかなぁ」と言うと、課長は「そんなことないよ。」と言う。でも、私は秀クンがゼーハー帰ってきて「またこれだよ、みんな帰ってるよ」と事務所の灯りをつけている姿が目に浮かぶようだ。(と思ったところで帰る事には変わらないけど。)
だが今日はずいぶん早く帰れたので、図書館にギリギリ間に合いそうだ。
本もほとんど読んでしまったから、急いで向って、返してまた借りた。
そして、帰り道歩いていると、偶然にUちゃんにバッタリ会った。
二人で顔を合わせて「わっ!」と言い、ほぼ同時にお盆休みどうしてた?と言った。
私もUちゃんがどうしてるかなぁと思ったが、Uちゃんも同じように思ってくれていたそうだ。
「どうしてるかな?と思ったけれど、じんましんが出ちゃってね、こんな時に誘うのもなんだなぁと思っているうちにお盆が終っちゃった。」とUちゃんは言う。
あの時は車で大変だったよね、ゴメンね、と言うので、「いやいや私が勝手に誘ったんだから」と言い、また近いうちにどこかに出かけよう、と約束した。
「keke君はどうしてる?」と心配してくれたので、「先月バイトを辞めたんだけど、これから職業訓練校に通おうと試験を受けたところなんだよ」と言った。
Uちゃんは「よかったね、きっと大丈夫だよ。」と言うので、「いやいや、今はだから家にずっといるだけなんだ。」と言うけど、「外に出ているから大丈夫だよ。」と言う。
私もそうなるといいな、と思う。
Uちゃんには近いうちまた連絡して会おうね、と手を振った。
こんな偶然にUちゃんに会うなんて思わなかった。
今日いつもより早く会社を出なかったら?
たまたま図書館に行かなかったら?
私は最近、このような偶然を「縁」だと思うことにした。
残りの人生の時間は、「縁」を愚痴らずよく受け入れ、味わいたいと思う。
それが悲しいことや辛いことになっても、それはその後飛躍する前触れのように思う。
悲しいことや辛いことは「結果」ではなくて、いつだって「経過」なのだ。
(ちなみに、今日TUKAさんのずるいゴミ捨てを見つけたのも縁(偶然)の一つなのだろうか。)