斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

「移植医たち」

2017-10-03 23:07:51 | 人生
谷村志穂さんの医療小説「移植医たち」(今年8月20日発行)に
これほど引き込まれて一気に読んだのは何年ぶりか、いや何十年ぶりか。
衝撃的な序章に始まり、最後まで惹き付ける小説だった。
著者は札幌生まれ、北大農学部で動物生態学を専攻した人である。

先日「全道フットパスの集いin ニセコ」で講演した谷村さんは
小説家になったきっかけは森鴎外の孫で(長男・於菟の四男にあたる)
森樊須(もりはんす) 北海道大学農学部教授、動物学者(著者の指導教官)
から「あなたは科学者になるより、作家になった方がよいですよ」と言われ、
森鴎外の孫から言われたのなら、作家に向いているのかもしれない、それなら
よし(作家に)なろうと決心したと話している。

この小説には私にとって懐かしい場所、思い出がたくさん出てくる。
アメリカの大学や生活の様子、神戸で1995年に起こった「阪神淡路大震災」、
北海道大学の様子、「奇跡のりんご」等々、そして初めて経験した大きな手術と
私を診察した内科医、外科医、麻酔医の先生たちとの会話のこと等、まだまだ
たくさん身近な光景がでてくることもこの小説に引き込まれた要因だと思う。

「百聞は一見にしかず」、関心のある方はぜひ読んでいただきたいと思う。

なお私は谷村志穂さんというとても美人の作家にお会いしたのはあの9月23日
のフットパスが初めてで、そういう作家の存在すら知らなかった。
フットパスで「文学歴史」のコースを歩いている時、とても美人で、なぜか惹き
つけられる若い女性がいたので、お話できたらと思ったが、チャンスはなかった。
たまたま講演会の中で谷村さんが発売したばかりの小説を何度か宣伝されて、
「ここに持ってきた小説が売れ残ったらすべて小川巌先生に買い取っていただきます。」
と冗談交じりに言っていたので、少し協力するぐらいの気持ちで手にしたのが、
この「移植医たち」である。一読の価値はあると思う。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿