小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

歌うことの意義

2014年12月13日 03時00分17秒 | 日記
2014年4月25日(水)(4歳0か月)


 「♪ツクツクツク もぐらの坊や
 トトトントトトン 出ておいでよ
 おそとはポカポカもう春だよ
 お寝坊しないで起きなよ ツンツン♪」 

 春奈が保育所で習った歌を家の中で歌っている。

 なんか新鮮だ。

 今まで春奈が歌うのはJ-POPとかCMソング
ばっかりで、童謡のたぐいは歌っていなかったから。

 ゆうきとりえも僕と同じように感じたようだ。

 特にりえは、 

 「かわいいなあ」

とか言いながら、

 「はる、もう1回歌って」

と、リクエストする。

 春奈もそれに応える。

 「もう1回」

 何度もリクエストするものだから、最後は春奈も
ゼエゼエ言いながらもまた歌う。

 いや、そこまでして歌わんでも・・・。

 やっぱり好意的にとらえられているとわかっている
から歌うのか?

 そんなことを思いながら考えた。

 これって、歌うことでこの場を作っているんだよな。

 これも十分にコミュニケーションだし、家の中にいる
みんなと共有する時間と場を作り出している。

 ここで重要なのは、春奈がこの歌の意味をどれだけ
理解できているのか、ということだ。

 保育所でこの歌を習ったのは、これが春の歌だからに
ちがいない。

 でも、そんなことを春奈は全然意識していないだろう。

 歌詞だって、なんでもぐらの坊やに春だから出ておいで、
なのか理解しているだろうか?

 つまり、何が重要なのかと言うと、意味が分かってなく
たって、言葉や歌を人に向かって口に出せば場を作ること
ができる、ということだ。

 海外ホームステイでは、意味とかはわかっていなくても、
とにかく知っている音(言葉やフレーズ)はどんどん口に
出せ、とよく言われる。

 なるほど、たしかに今、みんなが共有できる場ができている。

338 信州の綿津見神の御子神たち

2014年12月13日 02時56分49秒 | 大国主の誕生
大国主の誕生388 ―信州の綿津見神の御子神たち―


 『日本三代実録』には、阿波国名方郡の人、海直豊宗や海直千常らに大和連の姓を
賜わるという記事があり、大和(倭)の姓を与えられたことから、名方郡のこれらの
人々が倭氏の一族であることがうかがい知ることができます。
 それに、淡路島には倭大国魂神社が鎮座し、倭氏が大阪府を超えて淡路や阿波に
またがって分布していたことを物語っているのです。

 ところで、前回にふれたタケミナカタですが、この神の名を冠した神社が名方郡に
存在するのです。
 それは徳島県名西郡石井町浦庄字諏訪の多祁御奈刀弥神社(たけみなとみ神社)で、
「元諏訪」と呼ばれています。
 諏訪とは、言うまでもなく信州の諏訪大社のことですが、多祁御奈刀弥神社の鎮座
するところも字が諏訪なのです。
 多祁御奈刀弥神社、と、社名がタケミナトミなのは、タケミナカタの「カタ」が抜け
落ちたものであろう、と言われています。
建御名方命という名前は、地名の「名方」に美称である「建」と「御」が冠されたもの
と思われるわけですが、そうすると、阿波の名方郡こそがタケミナカタの原郷という
ことになります。
 ただ社名の後ろに「刀弥」(とみ)とあるので、タケミナカタの本来の名はタケミナ
カタトミだったと思われます。
それというのも、信州にもタケミナカタの名を冠した式内社があり、その社名が健御名
方富命彦神別神社だからです。
なお、この神社の祭神は健御名方富命(タケミナカタトミノミコト)で、言うまでもなく、
この神はタケミナカタと同一神と見做されています。
 なお、健御名方富命彦神別神社と称する神社は、長野市に二社、飯山市に一社あり、
このいずれもが式内社の健御名方富命彦神別神社に比定されています。
 タケミナカタを祭神とする神社は全国にあり、タケミナカタと重なるイセツヒコの本拠の
伊勢国にも、タケミナカタを祀る神社が数社あります。
ですが、タケミナカタの名を冠した式内社は、阿波の名方と信州にしか存在しないのです。
 このことは、トヨタマヒメとその妹のタマヨリビメにも当てはまります。
 トヨタマヒメの名を冠した式内社とは、名方郡の、和多津美豊玉比売神社と天石門別豊
玉比売神社の2社で、タマヨリビメの名を冠した神社は、信濃国埴科郡の玉依比売神社です。

 実は、トヨタマヒメとタマヨリビメの姉妹と、タケミナカタの間にはひとつのつながりが
あります。
 それは、トヨタマヒメとタマヨリビメ姉妹が綿津見神(ワタツミの神)の御子神であり、
タケミナカタの妻も綿津見神の御子神である、ということです。
 タケミナカタの妻とは諏訪大社の下社に祀られている八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)
です。
 信濃国安曇郡にある川会神社、ここの社伝には、

 「海神綿津見命を祀る。建御名方命の后は海神(註:ワタツミのこと)の娘なり」

と、あります。
ワタツミの御子神には、これらの神の他にもがいる。
 『延喜式』神名帳には先の川会神社と同じ信濃国安曇郡に、穂高神社が載せられています
が、ここの祭神、穂高見命(ホダカミノミコト)も綿津見神の御子神なのです。
 なお穂高岳の名もホダカミと穂高神社から付けられたものです。

 このように、信州には綿津見神の御子神たちの祭祀が集中している感があるわけですが、
倭氏にかぎると、これらの他に、注目に値する神社が信州には存在するのです。