小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

拝啓 野口英世さま

2012年03月11日 20時59分48秒 | 日記
2008年8月4日(月)(0歳4か月)


 春奈が生まれてくる前に、僕は「五体満足に生まれてきてくれれ
ばそれでいい」、と、よく人に言っていた。

 それじゃあ、何かい?障害を持って生まれてきた子は不幸って思っ
てんのかい?と、つっこまれると困る。

 野口英世みたいに、障害があってもそれを利用してしたたかに生き
た人もいる。
 そんな人もいるわけだし、と思う反面、いやいや、野口英世なんて
人間的にどうだか、なので、もしも春奈が野口英世みたいな人間に
なったらいやだな、とも思う。

 などと言うと、天国の野口英世に・・・いや、日本が誇る偉人だ。
 お札の顔にもなった。
 敬意を表して野口先生と呼ぼう。天国の野口先生に怒られそうだ
けど、でも、やっぱり先生みたいにはなあ・・・。

 僕が子供の頃、母親がジュニア版の『野口英世』という伝記本を
買って来たことがあった。

 生涯に負けず立派になった人、ということで、僕に読ませたかっ
たようだが、ずいぶんエライ人として描かれていた。

 だから、野口先生、大人になってから、あなたのことを詳しく知
ると、そのギャップに愕然としましたよ。

 野口先生は少年時代、障害をうまく利用していたこともありまし
たよね。
 そう。先生は手に障害を持っていらしたけど、それを逆手にとら
れたんですよね。

 勉強がおできになったものだから、担任の先生からいろんな役を
任せられたりするんだけど、そのたんびに、お友達に、

 「僕って障害児だし、できっこないよ・・・」

と、こぼして、結果お友達から、
 「オレたちが手伝ってやるからがんばれよ」
と、協力を引き出しちゃうんですよね。

 いやいや、お友達だけじゃなくて担任の先生からも、卒業後の
就職先までお世話してもらっちゃったりするんですよね。

それが小学校の小使いさんの職。

 当時の小使いさんのお仕事のひとつに、授業の開始と終了時にチャ
イムを鳴らるのがあったわけだけど。この頃はまだ手動だからね。
 でも、野口先生、そのチャイムを鳴らし忘れることがしょっちゅう
だったらしいですね。
 せっかく斡旋してもらったお仕事なのに、なんていい加減な仕事っ
ぷり。
 紹介してくれた恩師の顔も立てましょうよ。

 うーん。先生って、周りの人たちの協力を引き出すのが抜群にう
まかった、と言うよりは、甘え上手の天才だったのかもしれませんね。

 研究者になってからは、研究には金がかかるんだ、とか何とか言っ
て、お友達からお金借りまくって、なのにそのお金で飲み歩いていた
んですよね。

 おまけに借りたお金は返さないし・・・。

でも、そんな野口センセにお友達はまたお金貸してくれるんですよね。
いいなあ。僕もそんなお友達ほしいな。
 って、言うか先生そんなに金にルーズでよくお札の顔になれましたね。
むしろそっちの方が偉業だ。

 お金持ちのパトロン見つけたのも天性の甘え上手だったからかもしれ
ませんね。 そのパトロンからもお金いっぱい出してもらって、その
お金も酒代に化けちゃったんですよね。ところで、年老いたお母さまに
送金もしなかった、っていう話は本当ですか?もし、本当なら、あなた
どんだけ酒好きなんですか。

 けど、みんなお金を出してくれたり、返してくれないのにお金を借し
てくれるのは、甘え上手だったからだけじゃなくて、やっぱりそれなり
に研究成果を出していたからなんでしょうね。その点はやっぱり天才
だったのかな。さすがは偉人さんですよね。

 でも、えらい、て言えば先生のお母さまは立派な方として有名ですよ。
 研究に金がかかる、と言って送金もしてくれない息子に負担をかけま
いと、年老いてなお産婆さんとして働いてらっしゃったんだから。おま
けに産婆さんにも資格が必要になると、勉強して資格をお取りになられ
たんだから。
 そうして息子に頼らずともひとりで生活していけるよう、がんばって
おられたんですよね。

 その後アメリカに渡って有名になった息子が久々に帰国する、という
知らせを受けた時、お母様はどんなお気持でその知らせを読まれたので
しょう?
 「野口英世先生」を取材しようと詰めかけた報道陣と一緒に港で船
を待っておられた時のお母様のお気持ちはどんなだったでしょうね。

 船から降り立ったその息子さん。久々に会うわが子。その隣にはアメ
リカ人の女性が・・・。「誰?」と、思っていたら、野口先生、

 「あ、母さんオレ結婚したんだわ。これ、嫁」

 その時のお母さまのお気持ち、どんなだったんでしょうね。この時代
にアメリカ人の嫁さんなんてぶっとびますよね。
 もしかすると、

 「結婚したなんて一言も聞いてねえよ!!!」

と、叫びたかったのかもしれませんね。先生ってば親不孝すぎます。

 なのに、野口先生、その後お母さんつれて旅行に出かけて、旅館で
は食事の時に報道陣の前で、「お母さん、ほら、これおいしいですよ。
食べてみてください」とかやっちゃって、記者さんたちからは、

 「おー。なんて親孝行な人だ。さすがえらい人は一味ちがう」

なんて思われてしまったり。後でその話を聞いて、お母様どう思われ
ました?僕ならいやです、そんな息子。

 世のため人のために尽くして後世に名を残す子と、平凡な人生だけど
親孝行な子。僕なら後者の方がいいなあ。わが家の3人娘には、平々凡々
でいいから僕のことをかまってくれる子に育ってほしいな。


赤ちゃんの自己主張

2012年03月11日 18時42分16秒 | 日記
2008年8月3日(日)(0歳4か月)


 春奈のおしゃべりの感じが変わってきた。

 まるで、
 「私はここに存在するぞ!」
 「私は生きているんだ!」
と、自己主張しているかのようだ。

 ただ音声を発しているだけじゃなく、そこにいる誰かに向って音声を
発してるようだ。

 「それって、単に親バカさでそんな風に思えるだけなんじゃない?」

と、思う人もいるかもしれないけど、それはそれで正解かも。
 だって、確かめようがないもん。

 だけど、意味というものは聞き手が見つけてあげるものやからね。
 
 ヒッポの仲間たちは、春奈が「うわ~わ~」と、言っていると、

 「いっぱい喋ってるね~」

と、言ってくれる。
 ヒッポは多言語の自然習得をしているからだ。
 言葉は、人と人とがコミュニケーションを取るために存在する。
 だから、人間の口から発せられる音声に耳を傾ける人が多いのだ。

ツバメが巣立った時に

2012年03月11日 16時03分23秒 | 日記
2008年8月1日(金)(0歳4か月)


 今日はPLの花火の日。

 PL教団の教祖さんの誕生日を祝う行事として。PL教団がドカン
ドカンと花火を打ち上げる。関西を代表する花火大会の1つだ。

 うちの家の前からは花火がよく見えるのでご近所さんたちがわんさ
わんさとうちの前ら辺に集まっていた。

 春奈はまだ花火なんぞ興味はないだろう、と思っていたら、けっ
こう花火を見ている。光がパッパッとまたたくのが目を引くみたい
だ。

 ご近所さんは意外に思うほど赤ちゃんづれが多かった。
 この近所にこれほどの春奈の同年代がいようとは思わなかった。

 見ていると、春奈よりも後に生まれた赤ちゃんたちは花火には無
関心だ。

 春奈にしてみても、光がまたたくのが目を引くだけで、まだ美し
いとかいった感情はないと思う。

 来年のPLの花火大会の時は花火観賞しているんだろうな。


2008年8月2日(土)(0歳4か月)


 よそのお母さんに抱っこされて、春奈がささやくような音程で、

 「うわあ、うわあ」

と、言った。

 僕の知る限りでは、人に抱っこされている時に、今回よような音程
で喋るのは初めて聞く。

 音声の強弱はどういう時に決まるのだろう?気持ちで高くなったり
低くなったりするのか?

 それとも抱っこしてくれる相手によって変わるのか?わからん。


 話は変わるけど。

 言葉が聞こえてくる環境の中で生まれ育った赤ん坊は、誰でもが、
勉強などしなくたって自然に言葉が話せるようになる。
 そのことをヒッポ・ファミリー・クラブでは「言葉の自然習得」と
いう。

 これは大人でも、いろんな国の言葉が飛び交う環境にいれば、誰で
も自然に言葉が話せるようになる、ということでもある。

 なぜなら、人間には言葉を話せる能力が生まれつきあるからだ。

 鳥には生まれつき空を飛ぶ能力があり、魚には生まれつき泳ぐ能力
がある。それと同じことなのだ。

 今日、その自然の能力を改めて実感するできごとがあった。


 庭先のつばめが巣立った、と、みんたが言ってきた。

 ヒナが飛び立った後の巣を見に行ってみると、まだ一羽だけ巣に残って
いる。
 ヒナは3羽いたから2羽はもう飛び立っていったことになる。

 見ていると、最後の1羽は恐る恐る巣から頭を出して地面の方を見て
いたけど、やがて勇気を振り絞って巣から飛び出した。

 一瞬、つばめの体が落下する。でも、すぐに、すいー、と羽で風を
切って空へと飛んでいった。

 鳥には、初めは「落ちるかも・・・」という不安があるのだなあ、と
感心した。でも一歩踏み出すことで空を飛べることを知るのだな。

自然の中で生まれ育ったツバメは、地面に落ちることはないのだから。

催促の音声

2012年03月11日 13時37分55秒 | 日記
2008年7月30日(水)(0歳4か月)


 春奈、今日で生後満4か月。

 だんだんと音声のリズムが複雑化してきたような気がする。

 前から歌を歌っているようなリズムで音声を口に出していた春奈
だけど、近頃そのメロディが多彩になってきた。

 人間が言葉を話すようになる原型みたいなものか?


2008年7月31日(木)(0歳4か月)


 今日は春奈を風呂に入れてやるのがかなり遅くなった。寝ていた
ところを起こして強制的に入浴タイムだ。

 春奈は眠いのに眠れないものだから風呂の中で泣く。

 最近声がでかくなった上に、音響効果のある風呂場なものだから
メチャクチャうるさいよ、春奈。

 それに、夏場だから寝ていても汗をかき、さらに風呂。体の中の
水分がかなりなくなったんだろうな、風呂から出ると、みんたにお
乳を飲ませろ、と催促する。この時の音声は、

 「うっ!うっ!うっ!うっ!」

と、せかすようなリズムで言う。これをよ~く聞くと、

 「UG!UG!UG!UG!」

に聞こえる。英語のingの発音に似ている。

 日本語ができる前の赤ん坊というものは本当に多彩な音を持っ
ているものだなあ。