バスは自由席。
俺は早速、唯一のイケメンファラン兄さんのとなりへ♪
あ、俺も含めると唯二なんですけどネ。 ←ウソはヤメロ。
誰が極貧顔やねん。
反対側にはファラン彼女が座ってる。
それでもちょっとテンション上がるバスの旅だ。
『ハロー』 『ハイ!』
ヨシ、まずツカミはこんなもんだろ。 ←?
人と荷物で圧迫感満載の詰め込みバス出発。
延々広がる田園風景を走る。
時々、小さな村を越えていく。
裸足の子供や水牛、にわとりが遊んでる。
おじいさんが木陰で休んでる。
本やテレビでしか見たことがなかった遠い遠い異国の景色。
最新を求め時代を急ぐ国とは別の生活がある。
世界の広さを感じる。
こういう情景がのんびり見られるのもバスならでは。
・・・って
タクシーでも見れますけど!
しかも俺5年前にも同じ景色見てますけど!
つーか、俺の座席半分壊れててのんびり見てる余裕ありませんけど!
・・・あ、急にノリ間違えたわ。
イケメンファラン兄さんに気をとられイス取りゲームに張り切り過ぎた俺は
席が壊れていたことに気づかず。
座席のサスペンションがサスペンスなほどケツが痛い。
バスの揺れよりも揺れてる俺は胸やけ起こして気が遠くなりそう。
このままお兄さんに倒れ込みたい・・・。 ←意識はしっかり。
そんな俺を見て、
『まだかなぁ。君、大丈夫?』 とたまに話しかけてくれる。
まるで両思い♪ ←違うゾ。
その彼女はややデブ。
すでに3ヶ月を超える陸路の旅をしてると言うのに何を食ったらそんなに太ってられるのか。
しかもガッツリ寝てるというたくましさ。
お兄さん、バスよりも恋人を乗り換えようよ。