ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

病根は深い

2013-12-08 23:57:19 | Weblog
ある法律の成立をめぐって、
日本が、戦前に戻るというようなことを言っている人がいるみたいだ。

その人たちは、ある意味ですごく正しい。
戦前といまが、すごく大きく違う点は、
中国が列強に分割された半植民地ではなくて、力をたくわえた国になったということだろう。

いずれにせよ、日本が貿易を求め、大陸や東南アジアに活路を見出そうとしたところで、
どこかと摩擦が起きるのは、当たり前のこと。

つまり、戦前と同じ状況が、いま日本をとりまく状況なんだと思う。
というか、この状況は、敗戦後もずっとあったのだけど、見なくてもすんでいた。
それは、日本が実質的にアメリカの植民地であり、
アメリカが朝鮮とベトナムで戦争をしていたことによる特需のおかげだった。

アメリカが経済破綻するのが先か、中国共産党が自壊するのが先か。
どちらにしても、日本はとばっちりを大いに受けるだろう。

そういうことをよくよく考えて、
そのうえで自衛の措置をとるのであれば、法律としていいと思う。

要は、その運営をめぐる議論だと思うんだけど、
成立した途端に、ぱたりと報道が止むあたりが、日本の病根だと思う。

法律は決まってから、どう運営するかが問題なんだ。
東京裁判をよく考えもせずに、検証しようともせずに、
単に鵜呑みにしているのと、よく似た構造だ。

日本の隣国は、非常にあつかましく、自己中心的で、自己陶酔型の
日本人とはまったく感覚が違えば、話が通じない13億人の人口がいる国だって、
本当に自覚してるんだろうか。日本人は。

話したらわかる、と言う人もいるけど、そもそも話し合いの席につけないんだから。

空気悪い

2013-12-07 01:50:09 | Weblog
毎朝、今日は雨だ、と思う。
が、実際には違う。

今朝は、有視界飛行が出来ない感じだった。



一応、上海の天気予報は「霧」らしい。

太陽を直視しても、目が悪くならない。



うーむ。すごい。真っ白だ。



マスクをして会社に行ったら、
中国人たちに「そんなの気休めよ~。無駄無駄!」と言われた。

中国のスローガンに「為人民服務(みんなのために力を尽くそう)」というのがあるが、
最近は、この「務」が「霧」に置き換えられ、ダジャレとなっている。
「務」と「霧」は、音が同じだ。

上海人に言わせると、来週は気温が下がるので、マシになるはずなんだとか。
昔から上海は霧が多いところ。気温が下がれば大丈夫、と。

いやいや、気温が下がったら、みんなが石炭を燃やすから、
ますます空気が汚くなるでしょう、と、上海人じゃない同僚と一緒に思わず突っ込んだ。
これは、あなたのいう昔から上海で発生する霧じゃないよ、と。

そのあと、日本人にとっては激しい応酬に思えるような、
ちょっとした口論が始まったように思えるようなやりとりがあって、
上海人も「そうか~」と納得していた。
実は、ぜんぜんケンカじゃないところが、日本人にはわからないんだよなあ。

そして、夜。
やっぱり霧は晴れない。

それでも、ハッキリ見えるぞ。
歩道に堂々と停まっているクルマが。



江蘇ナンバーであった。
まあ、これは大阪あたりでもあるか。

そして、そんな空気の中、今日も屋台は盛況。



もともと排気ガスもくもくのなかで営業している人たちで、
道にできた簡易テーブルで食事をする人たちだから、
たぶん気にしないんだろうなあ。



超絶、下手

2013-12-05 00:43:06 | Weblog
今日、日本ではFNS歌謡祭があったようで、
日本とFaceTimeをつないだときに、少しだけ音が聞こえて来たのだけど、
超絶、下手な歌声が聞こえて来て、心底驚いた。

確かに私が小さかった頃にも、アイドルの歌は、かなりマズかった。
が、曲じたいはよくて、きっと歌がうまい人が歌ったら、
いい歌なんだろうと思える曲も、かなりあった。

そして中国では、みんながみんな、上手なわけではないけれど、
一応全国ネットに出る人は、かなりの実力がある。
韓国系パン屋さんでは、毎日韓国のポップスを流しているけど、
これまたすごい実力のものばかりだ。
なんだかすごく、悲しい気持ちになった。

そうか。最近の日本人は、ぶっ飛び方が足りないのかもしれない。
下手なら下手なりに、ぶっ飛んでいれば、面白い。

それが、単なる下手なカラオケ状態だから、つまらないんだ。
特に、画面が見えず、音だけだと。

今日読んだニュースに、中国の映画監督張芸謀に、
実は子どもが3人もいる、本当は、もっとたくさんいるかもしれないけど、
とりあえず3人は認めた、という内容のものがあった。
で、一人っ子政策に従ってないじゃん!という突っ込みに対し、
張芸謀は「これからも、いい映画を撮るよう努力するよ」という返事をしたとか。

まったく噛み合ってない。
が、映画監督の本分が映画の撮影なら、これは模範解答だろう。

いろんなところに女性がいて、いろんな感情と向き合って来たから、
封建社会から抜け出そうとしている時期の中国を
あんなふうに描けたのかもしれないなあ・・・。
と、思わせるところが、さすがだなあ。

空間意識

2013-12-04 01:05:11 | Weblog
久しぶりに、ヨーヨー・マの『新・シルクロード』のアルバムが聞きたくなった。
きっと、今日読んだ新聞に、
中国がシルクロードを高速鉄道で繋ぐ計画を進めているという記事が
書いてあったからだろう。

どんなに素晴らしい技術を持っていても、
日本は島国だから、そのまま延長していくとは難しい。
どこかに移植する場合は、必ず空か海を渡らなければならない。
だから、日本人は、大陸の人とは違う空間意識を持っている。

大陸はおおらかで、日本人はせっかちだ、というような簡単なものではなくて、
日本人は、幼少期から自ずと「止観」を行いつつ育つのだと思う。
静かな中で瞑想に入るように、思念を養う。
中国のように、常にわけのわからぬ隣人との距離を測りながら、
自分の居場所を確保して行くような強さとしなやかさはない。
でも、日本人は本来、静かな中から何かをうみだす「ひらめき」の力を持っていると思う。

中国人と一緒に会議をしているとそんな気がする。

交渉力は、中国人が断然高い。
でも、雑多な要素の中から必要十分条件を見つけ、
この議論が破綻するかどうかを早期に見分ける力は、日本人のほうが高いと思う。
その先、破綻すると気づかせた後、強引に丸め込むのは中国人がうまい。

だから、会議をしていると、「これって、こういうことだよね」と言い、
それに対する答えとして「あ、じゃあ、こうしなきゃ」というのは日本人がはやい。
これは断然、日本人がはやいし、器用だ。

でも、そのあとに必ず、理解できないヤツや足並みを乱すヤツがいて、
日本人が「あいつはアホちゃうか! 怒!!!」と行動停止状態になったときに、
ごにょごにょっと、かたちにするのは、中国人がうまい。

だから、中国人がごにょごにょとネゴをしてきているときに、
同じテーブルについたら、日本人はほぼ必ず負ける。
でも、もっと大きな枠組みに広げてしまえば、
日本人の「ぽんっ!」とアイデアを押し出す力が勝ることも多い。

でも、そのためには、柔軟に情報を収集して、
そのよくわからないカオス状態を、「え~」と言いながらも楽しむことが重要だ。
もっと言うと、振り回されないように、無視することもかなり大切だ。

要は、こちらが得意な枠組みにいかに相手を誘導するかで、
そのためには、自分の空間意識の美点に立ち返りつつ、地平を広げなければならないだろう。

規制

2013-12-02 23:34:11 | Weblog
中国人たちが「タイって怖い国だね~」と言っていたので、
「いやいや、君たちの国も、報道されないだけで、かなり騒乱はあるのだよ」と
言いそうになった。

言わなくてすんだのは、ネット規制があることを客観的な数字で証明できたから。

中国側と日本側で、あるURLのクリック回数を集計した。
クリックカウンターを仕込んだURLを不特定多数の人にクリックしてもらい、
日本のサーバーにある特定のページを開いてもらうテスト。

結果は10倍違った。
つまり、こちらでURLをクリックした回数よりも、
日本側でページが表示された回数が10分の1という数字だった。

これには、いろいろな仮説が立てられるけれど、
たぶん以下のどれかが原因だろう。
中国によるネット規制の壁を越えて行くため、表示までに時間がかかり、タイムアウトになった。
なかなか開かないから、待ちきれなくなってユーザーが閉じた。
ネット規制が厳しくて、表示できない時間帯があった。

そして、一番それっぽいのが、
表示はされたのだけど、表示されたという信号が、日本側のカウンターまで返されなかった。
つまり、どこかの関所で、返す信号がブロックされてしまった。
たくさんの情報を検閲しているわけだから、検閲する側から見て「どうでもいい情報」を、
勝手に間引くなんてことは、いかにも中国ではありそうな話だ。

ネット規制があることを知っている中国人も、
さすがに10分の1になってしまう、という結果には驚いた様子。
ついでに、いまだにfacebookが許可されない、という愚痴まで飛び出した。

とりあえず、日本人と中国人がお互いに納得するオチとして、
「アメリカに比べると、私たちの国は安全だよね~。いきなり銃乱射はないもんね」と
にっこり微笑み合うことになった。

そしていま、日本のネットバンクを開こうとしたのだが、途中でかたまってしまう。
セキュリティがしっかりした信号なんて、通してやんない、ということなんだろう。

まったく・・・、不便だ。

ツアー

2013-12-01 21:34:03 | Weblog
金曜日の夕方から社員旅行だった。
今年は中国国内の近場でゆっくりしようという目的から、行き先は寧波。

寧波と言えば、お寺さんがたくさんあるけれど、
中国人は、そういうのに興味がないので、
新しく開発されたリゾートっぽい、少しいいホテルに泊まることになった。

金曜日は、着いた途端に徹夜マージャンという流れ。
中国ではリゾートホテルでも、ちゃんとマージャン室がある。
ただし、台が壊れていたので遊べず、勝負は上海に持ち帰ることになった。

なぜか知らないうちにマージャンの面子に入れられているのだけど、
まあ、マージャン仲間になっておけば、
この先、日中関係がいよいよおかしくなったときも、
かくまってくれるか、逃がしてくれそうなので、少しぐらいはカモられておこうと思う。

土曜日は、散策という名の山登り。
事前の話では、山登りなんかはしないでゆっくり、というコンセプトだったハズなのに、
なぜだ。仕切ったはずの総務部長までスニーカーを買っているし、
事前の予定との齟齬には、誰もツッコミをいれず・・・、なあなあで流れて行く。



景色がきれいだったからいいのだけど、これも「新開発した景勝地」なのだとか。



とりあえず、水の色は本物で美しかった。

ガイドさんに連れられて行ったのだが、どうやら通行禁止の道に入り込んだようで、
崖っぷちを歩くこと30分。ようやく古の祭壇を「再開発」した龍の塔がある景勝地に着いた。

気はすごくいい感じだった。
さすが霊山がたくさんある寧波の山だ。

夜は、1日目とは違うホテルに宿泊。ホテルには温泉があるのだけど、
中国の温泉は水着を来て男女一緒に入り、餃子をゆでるように、隣の人と数珠つなぎになって入る。
事前情報で、おそらく衛生などはまったく顧慮されていない雰囲気だったので、私は行かなかったのだが、
試しに見に行った上海人が「見て、やめた~」と、後から言ってたので、想像どおりだったようだ。

中国では、写真はすごくよくて、現実にビックリというパターンがほとんどだけど、
写真の段階であれだけまずいのだから、現実はもっとだったんだろう。
いまは、インターネットに本当の写真が載ってしまう時代だから、ウソはつけない。

日曜日も、これまた「新開発された景勝地」へ。
奥多摩湖っぽい人工のダム。



このダムを上流に行くと、渓谷のようなのがあり、それを上流へ。



ちょっと紅葉していた。



犬はいいねえ。地元の人の飼い犬。



今日も水はきれいだ。



中国人も大喜びで水辺におり、水を汲んでいた。飲めるらしい。



新開発、というか、新しく整備された景勝地ということなんだろうけど、
人が少なくてよかった。



空気もきれいで、空も美しかった。



こんな中国もまだあるんじゃん。上海がおかしいんだよ、と言いながら昼に飲んだビール。



中国人とツアー旅行に行くなら、やはり中国国内がいい。
とはいえ、移動のバスの中は、本当にうるさかった。

中国人の同僚が6歳の子どもを連れて来たのだけど、
その子から「外国人はきらい」と言われた。
去年まで日本に住んでいた子どもなのだけど、そう言う。

こうなったら「鬼」になるしかなく、「食べちゃうぞ~」と言ってからかっておいたけど、
難しいものだなあ、と思う。

それにしても、寧波のなんという景勝地に行ったのか、さっぱりわからん。