りばぁさいどらいふ

東京を流れる某川のほとりから。
ガーデニング、アウトドアなど生活を心地よくするために思うところ、備忘録、いろいろです。

旧東海道散歩  番外編㊻ 南禅寺

2024-01-31 07:10:38 | 旧東海道散歩
蹴上散策の後は、臨済宗南禅寺派の大本山「南禅寺」へ。




南禅寺の正門「三門」は、日本三大門のひとつです。


現在は、一般の寺院の門のことを三門(または山門)と呼びますが、本来は禅宗の寺院の正門を「三門」と呼んでいたそうで、悟りに至るための三解脱( 一切を空と観ずる空解脱、一切に差別相のないことを観ずる無相解脱、その上でさらに願求 (がんぐ) の念を捨てる無願解脱)を象徴しているそうです。

😲 近くで見ると迫力があります。

三門の上層「五鳳楼」を見上げると、 かつて歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」を観た時のことを思い出しました。
真っ暗な舞台が一転明るくなり、満開の桜、夕暮れ時の五鳳楼、 そして眼下の桜を眺めながら石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな・・・」の名セリフを発すると、客席は大きな拍手で大盛り上がり・・・華やかな歌舞伎の世界を感じることができた舞台のひとつでした。


ちなみ石川五右衛門は安土桃山時代の大泥棒ですが、歌舞伎のストーリーの中では非常に格好良い主人公として描かれたことで、江戸時代にはヒーローのような存在となりました。

参拝後は境内にある「水路閣」へ。


水路閣はレンガ造りのローマ風アーチ橋で明治23年に建造されました。
現在は、サスペンスドラマやアニメの聖地でもあるので、老若男女問わず、多くの観光客が訪れていました。


水路閣の上には蹴上で分岐した疏水の一部が流れ、この後は、若王子、高野、下鴨、堀川へと流れていくそうです。


かつて家族旅行で南禅寺を訪れるたびに、母が「この水は琵琶湖から流れて来ているの。すごいと思わない?」と力説していたのですが、子供の私には、その「すごさ」は全く伝わっていませんでした。でも今回の琵琶湖疏水船を経験したことで、やっと母の感動が理解できた気がします😀 

水路閣の上を疏水沿いに(疏水の流れに逆らって)上って行きます。


京都の街・・・平安神宮の鳥居も見えます。


水門で疎水は庭園用水にも振り分けられています。


疏水は取水口から・・・

送水鉄管を通って蹴上水力発電所へも送られます。


蹴上発電所は、日本初の事業用の水力発電所で、日本で初めて路面電車を走らせました。現在も水は送り込まれ、最大4500kWの発電が行われているそうです。

😀 水力発電所というと山奥にあるイメージですが、琵琶湖疏水のおかげで、このような市街地に近い場所に水力発電所ができたのですね。



いつの間にか、散策琵琶湖疏水船の下船場近くの広場(蹴上疏水公園)に戻ってきてしまいました。

琵琶湖疏水を開通させた技術者「田辺 朔郎」の像

😀田辺 朔郎は、工部大学校(現東京大工学部)在学中に論文「琵琶湖疏水工事の計画」を執筆し、23歳で琵琶湖疏水工事の総責任者に抜擢されました。

「ねじりまんぽ」を通り・・・




京都駅に到着したころには、すっかり辺りは暗くなっていました。


夕食はホテルの近くのベトナム料理を堪能しました。



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旧東海道散歩 番外編㊺ 蹴上散策

2024-01-27 07:46:10 | 旧東海道散歩
琵琶湖疎水船下船後は、「蹴上(けあげ)」周辺を散策することにしました。


下船場近くの広場に「蹴上義経地蔵」

「蹴上」という地名は、牛若丸(源義経)が鞍馬山から奥州へ向かう途中、平家の関原与一ら9人の一団とすれ違った際、一団の馬が蹴り上げた泥水を義経にかけてしまったことがの由来と云われています。
話しは続きます。
謝ることなく通り過ぎた平家の一団の無礼に怒り、義経は9人をその場で切り殺してしまいました。その後、殺された9人の菩提を弔うために9体の石仏を安置され、そのうちの1体がここに祀られているそうです。
義経・・・子供の頃からキレやすい性格だったのですね😱 
さらにこのエピソードから「義経地蔵」という命名・・・違和感ありますけど😰 

この場所は高台にあるので、眼下に京都の街を望むことができます。


近くには、蹴上インクラインで使われていた台車が復元展示されていました。


「蹴上インクライン」は琵琶湖疏水の一部だった傾斜鉄道のことです。琵琶湖疏水は京都と大津の間の舟運を担っていましたが、勾配が大きく(高低差約36m)船の運行ができない区間がありました。そこで勾配のある場所にレールを敷き、舟を台車に乗せ、ケーブルで引っ張り上下させていました。

全長582mの世界最長のインクラインの跡地が今も残っています。



復元された台車と舟。


インクラインを下って行くと・・・「岡崎疏水」の噴水に到着しました。
😀この後、琵琶湖疏水は 宇治川に合流します。

岡崎疎水の隣接する「琵琶湖疎水記念館」で琵琶湖疎水について復習しました。

「疎水物語」という飲料水も購入しました。

😀 美味しかったです。




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旧東海道散歩 番外編 ㊹ 琵琶湖疏水

2024-01-23 17:44:13 | 旧東海道散歩

旧東海道散歩の途中、大津の商店街で開催されていた「琵琶湖疏水展」で琵琶湖疏水について学んで以来、「いつか琵琶湖疏水船に乗りたい」という気持ちが強くなり・・・昨年秋、念願叶って乗船することができました。


明治時代に入ると日本の中心が東京へ移ったことで、京都の人口は減り、産業も衰退しました。そこで京都復興を目指し計画されたのが琵琶湖から京都へ水を引く「琵琶湖疏水」です。当時の土木工事は外国人技師が中心となって行われていましたが、琵琶湖疏水は日本人のみで行われた初の大土木工事でした。完成後は大津から京都、そして大阪まで舟による物流の経路として大変栄えましたが、時代ともに舟運は途絶え、1951年廃止となりました。

そして67年後・・・2018年観光船として復活したのが「琵琶湖疏水船」です。


今回乗車するのは、大津から山科を経て京都の蹴上へ向かうルートです。

集合場所は京阪三井駅近くの「大津閘門(こうもん)」





閘門は、水門を開けることで水位を調整し、舟を通過させる場所でした。現在、船は通過することはできませんが、今後は「乗船しながら水位の調整を体験する」という計画もあるそうです。楽しそうですね。

尚、この場所は滋賀県大津市にありますが、京都市が管理しているそうです。

 


いよいよ乗船!




ガイドさんの詳しい説明を聞きながら遊覧します。

隣に座った外国人のご夫婦から「少し日本語はわかるけど、早口で何を言っているかわからないので、危険なことがあったら教えてね」と頼まれました。説明なしで遊覧するのは少し厳しいかも・・・と心配になりましたが、案外景色を見て楽しんでいる様子で安心しました😀 


「第一トンネル」に入りました。



入口(東口洞門)には伊藤博文、出口(西口洞門)には山県有明の扁額(トンネルの坑口などに掲げられた記念碑的な額)がありました。琵琶湖疎水の各トンネルの出入口には当時の名だたる政治家の扁額が掲げられ、日本の巨大事業であったことがうかがえます。

トンネル内には北垣国道(琵琶湖疎水を計画した第三代京都府知事です。)の巨大な扁額もありました。



第一トンネルの長さは2436mと当時の日本最長のトンネルでした。


このトンネルを掘るために、山の両側から掘っていくだけでなく、山の上から下に向かって垂直に(深さ47mの)穴を掘り、そこから両側に掘り進める「竪坑方式」が採用され、工期の短縮が図られたそうです。
 

本格的な紅葉には少し時期が早かったですが、それでも十分美しい景色でした。

大地震による堤防決壊時に水流を自動停止する「緊急遮断ゲート」

琵琶湖疎水に最初に架けられた「藤尾橋」






「四ノ宮船溜(ふなだまり)」

荷物の上げ下ろしや人の乗降のためにつくられた舟の停泊場です。現在は 山科の下船場として利用されています。

「諸羽トンネル」長さ520m



毘沙門堂の参道に架かる「安朱橋(あんしゅばし)」

😀 疏水の下には安祥寺川が流れ、疏水と立体交差しています。



左岸(南側)は「天智天皇陵」です。




本圀寺(ほんこくじ)へ向かう「本圀寺正嫡橋(せいちゃくばし)」


第二トンネル東口には井上馨、西口には初代海軍大臣西郷従道(西郷隆盛の弟)の扁額が掲げられていました。

第二トンネルは琵琶湖疏水の中で最も短いトンネル(長さ124m)・・・東口(入口)は半円型ですが、西口(出口)は珍しい馬蹄型です。

日本初(1903年)の鉄筋コンクリート橋「第11号橋」

「第三トンネル」長さ850m

東口初代大蔵大臣松方正義、代内大臣三条実美の扁額が掲げられていました。

トンネルの中に入ると・・・壁に写真が映し出され、改めて琵琶湖疎水の説明がありました。





トンネルを出ると・・・


終点の「蹴上乗下船場」に到着しました。




レンガ造りの立派な建物は「旧御所水道ポンプ室」

防火用水として御所に水を送る専用の水道「御所水道」のポンプ室です。

念願の琵琶湖疎水船・・・とても素敵な船旅でした。

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謹賀新年 2024

2024-01-01 08:39:09 | 日記
あけましておめでとうございます。





今年も初日の出を見ることができました。


富士山も美しかったです。




今年のおせち。


お正月のフラワーアレンジメントも作りました。




本年もよろしくお願いします😊 














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