梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

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2015-02-10 17:02:13 | 日記
   そもそも東京都では教員が生徒と交際することを禁じるという通達がかなり以前に出されています。他県でもこれに類する通達が出されているとすれば、「私的なメール等」をやり取りすることは当然この中に含まれるものと思います。万一こうした通達が出されていないとすれば、今からでも出せば良いのです。あまり細かい規則で縛り上げることは教員の常識と思考力を奪うものです。

   しかし現実には教員の行動が、これをやったらこういう処罰という風にかなりマニュアル化され、新人研修で厳しく確認されていると聞きます。早い話が、教員はいちいちやって良いこととやってはいけないことを自分の頭で判断する必要がなくなってきているということです。そういう縛りを掛けることによって、はたしてどれだけ優秀な教員が出来上がるのかは、はなはだ疑問ではあるのですが。

   かつて職員会議の場で、「そんなことを言ったって、教師と生徒といえども、男と女なのだから、真面目に好き同士になってしまったら、他人が介入できる問題ではないのではないか?」という勇気ある発言をした人があります。そうなのです。好き合ってしまったら、そう簡単に抑え切れるものではないのです。実際、教え子と結婚したという事例は過去に山ほどありました。中には夫と別れて16歳年下の教え子と結婚した女性教師もいます。テレビで堂々と放映されていたくらいですから、一昔前は教師と生徒の交際はそれほど大問題ではなかったのです。そして、教師と生徒との結婚は、概ねうまく行っているようです。それを思うと、私的交際をしたら処分というような無粋な方針はもしかしたら人の道に外れるのではないかとさえ思います。

   問題は、女子生徒を見る目が「いやらしい」男性教師の存在ということになると思います。私が知る、とある男性教師は、教え子たちから、「〇〇先生は私たちのことを女として見ている。」という評価を受けていました。こうなると少々罪深いと言わざるを得ないかもしれません。女生徒自身が、そんな目で見られているということを意識し始めてしまったら、そこにいるのはただの男と女であって、教師と生徒とは言えなくなるのではないでしょうか。現実にこの教師はその後、教え子と過ちを犯す結果を招きました。

  前回も書きましたが、やはり究極はその教師の資質の問題なのだと思います。その意味ではそういう教師を採用した側にも責任がゼロとは言えないのかも知れません。一概に当該教師を弾劾すればそれで済むというものではなく、弾劾すればするほど、採用した側の責任逃れが鼻につくというものです。

   ころで私は、行く先々の学校で、特定の女子と親交を深めていました。クラスを運営していく上で、本当は男子のリーダーがいた方が望ましいのですが、どうしても女子の方が精神年齢が上なので、女子の中でリーダーシップがとれる子を見つけて、信託統治めいたことをしていくのが私の常套手段でした。有力な女子と格段に親交を深めている訳なので、その姿を見ている他の教師の視線も時として奇妙なものがありました。中には、その子の名前を聞くと、「ああ、梅〇先生の愛人だった子でしょう?」と言われてしまう子もいました。

   しかし、私はそういった子達と、格別親密になりながらも、通常なら疑われそうな関係には全く至らなかったのです。そういった子達にあれこれ仕事を委託しながら、その子たちが成長していく姿を目を細めて眺めているのが好きでした。恐らく私は一人の男性である以前に、すべてを越えて、一人の教師だったのだと思います。そこが、女生徒に手を出してしまった教師と私との資質の差なのではないでしょうか。