金木犀、薔薇、白木蓮

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75:工藤重矩 『源氏物語の結婚 - 平安朝の婚姻制度と恋愛譚』

2020-04-17 12:17:37 | 20 本の感想
工藤重矩『源氏物語の結婚 - 平安朝の婚姻制度と恋愛譚』 (中公新書)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

平安時代の婚姻制度は法的に一夫一妻制であり、
正妻とそれ以外の女性たちとの間には立場・社会的待遇に大きな差があった。
恋愛譚としての『源氏物語』は、
正妻の座をめぐる葛藤がストーリー展開の要となっており、
婚姻制度への正確な理解を踏まえてこそ、
はじめて紫の上、明石の君ら、作中人物の心情を深く味わうことができる。
一夫一妻制をキーワードに『源氏物語』の構想を読み解く、かつてない試み。

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平安時代は一夫多妻制じゃない! 一夫一妻制である、
ということを当時の法律や実在の人物の人間関係、物語を用いて
説明している。

『源氏物語』はこういうストーリー展開にするために、
この人物の境遇や性格をこう設定した、という分析がおもしろい。
そして、毎回言っているが、知れば知るほど光源氏をぶん殴りたくなる。
当時とは、制度やそれに伴う人々の感覚がちがうのは百も承知だけど、
明石の上はつくづく気の毒なことだ。


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