金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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233:大泉芽衣子 『夜明けの音が聞こえる』

2006-10-28 21:50:08 | 06 本の感想
大泉芽衣子 『夜明けの音が聞こえる』(集英社)
★★★☆☆

『だらしな日記』で紹介されていたもの。
すばる文学賞受賞作。

自ら言葉を封じているうちに本当に声が出なくなってしまった
高校生の暦彦。
「地球の回る音」までが聞こえはじめ、精神的に追い詰められていたところ、
治療のために犬吠のホテルで働きはじめることになる。
ホテルでの労働も救いにはならず、陰湿ないじめに遭うことになり、
「地球のまわる音」が聞こえなくなるが……。

「すばる文学賞」のほうは純文学なんだっけ?
「小説すばる新人賞」のほうはエンタメね。
同じ賞をとった『漢方小説』とはずいぶんカラーがちがうなあ。
最初から最後まで気分は陰鬱になりっぱなし、
いじめのところなんて本当に気分が悪くなる。
けれども、引き込む力はあってあっという間に読了。
(薄いからっていうのもあったかもしれないけど)
口直しに明るいものが読みたい……

コメント
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