金木犀、薔薇、白木蓮

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232:河村錠一郎 『世紀末美術の楽しみ方』

2006-10-27 01:40:09 | 06 本の感想
河村錠一郎 『世紀末美術の楽しみ方』(新潮社)
★★★☆☆

世紀末絵画とは、19世紀末に描かれた絵画のうち、
社会通念から逸脱した主題を象徴様式で描いたものを指す。
それらを主題ごとに分類し、解説を加えて紹介した一冊。

以前に読んだ『すぐわかる画家別幻想美術の見方』と
扱われている作品や内容が一部重なっていたので、
それが下地になってなんとかついていけた気はするけれど、
文章の言おうとしていることが門外漢にとってはやや難解。
名前は出てくるのだけど図版のない作品が多くあって、
そこにも不満が残る。
比較対象として挙げられていたら、やっぱり気になるもの。
絵画に関わらず、史跡とか文化財とかって、きちんと予習してから
見たいと思う。
「見テ知リソ 知リテナ見ソ」と言うけれど、
こういう象徴様式の絵画みたいなものはとくに、
それが何を表しているのか知らないと、意図がさっぱりわからない。

それにしても、「世紀末」という言葉は、どうしてこんなに
退廃的で絶望的なイメージを喚起するのだろうか。
ヨーロッパの観念だからキリスト教に関係しているのだろうとは
思うけど……気になりつつも調べていないまま。

コメント
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