King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『王様のためのフォログラム』鑑賞

2018年03月19日 10時22分08秒 | 映画

 昨日、wowowで見た映画『王様のためのフォログラム』です。これは昨年ラジオで紹介され興味があったものの

秩父から近い映画館では上映されず見る機会がないままでしたが、このタイミングで

見れ一つの成功体験のような感じです。

そして、この映画を見て率直な感想としてまず思ったのは、アメリカもただの商業映画でさえ

もはやそのものずばりの物は作れなくなってきているということです。

圧倒的富と成功があり、世界のリーダーとしてずっと君臨し、世界の警察であり、正義を具現し

常に正しく最先端であり続けた国もその源泉である基軸通貨であるドルの強さも感じられず

病んで経済の局面でも負けることが多くなって国の象徴として作る映画も黄昏た中年が主人公と

いう誰もが受け入れがたいものとなったのです。そんな意味で感想を書いている人も評価は

低く、見て爽快な映画でもないのであまり話題にもならずひっそりと上映されてビデオでも

知らない人が多く見た人も少ないようです。この映画の主人公や現実の場面でアメリカも一人勝ちと

いう局面はもはや望めず、いろいろと負けることが多くなり、そんな負けて取り残された人たちが

望みを託すかのような形でできたのがトランプ政権であり、反主流派の反撃であり、本来のアメリカの

復権を謳っていますが実はかつての主流産業の鉄鋼や石油産業から世はハイテク産業にシフトしており、

依然これら最先端の技術でアメリカはトップであり、さらに進化した世の中でも世界をリードしてより

良い世界の中心であり続けねばならないはずです。そんな意味から中東の国で最先端の3D映像技術をプレゼン

して売り込むために送り込まれるセールスマンのトムハンクスはかつて有名自転車会社の取締役だったのが

中国への工場移転などから国内雇用を失い自らも失業し、妻とも離婚、家も処分して娘の教育資金となると

いう何もかもなくして活力もうしなった中年であり、最も現代を象徴しているような存在です。そんなかれが

体験する異文化での経済の最先端の商談はその国の独特の制度ゆえ苦難の連続となるのですが、中でも象徴的な

商談のテーマであるIT技術をプレゼンして売り込む先が砂漠の何もないところに作る国王の都市であり、今は

事務局の様な建物がひとつあるだけで、窓口の側近にさえなかなか会えず、同業他社のデンマーク人なども

一年以上滞在しているが国王がいつ来るかすらしらないという状況で、窓口の受付嬢は会う度出張中で留守だと

告げ明日は居ますの一点張り。

ところが、受付を無視して二階に行くと担当側近本人あっさり会えて、それから話はトントンとすすみ

国王にもプレゼンを果たすという快挙となるのですが、商談はどうなるかは書かずにおくとして、この映画は

見る側の知性も刺激するものをはらんでいて、ムスリム専用でメッカ(現代は英語表記的にはムッカ)には

異教徒は立ち入れないと映画で出てくるのに実際迷い込むシーンを撮っているのは果たしてどうやったのか

という疑問も出てきます。(これはエンドロールにエジプトユニットというのが出てくるのでエジプトに

セットを作って撮影した可能性が大。)いろいろなイスラム社会のしきたりとか出てきますが、それらは既知のことであり

それらにびっくりしている感想の人が多いようですが、注目すべきは文化を尊重しつつも自国流を貫き大使館内

ではやりたい放題なパーティーを開いていることやその時に取る主人公の行動とか失った活力をどう取り戻して

どう生きていくかというところに見どころがあり、そんなことと砂漠で何もないところに都市を一から築いてしまう

夢のようなことができる人たちのことと世界がどうかかわっているかを考えてみると題の王様のためのフォログラムと

いうものが何を指しているのか意味深くなってきます。主人公の生き方をみてそれらを知れば、決して中年のため

の映画という評価にならないと思います。ですが現実にはトランプ政権ができてかつてのアメリカをとりもどすとか

国境に壁を作るとか環境問題に背を向けるとかまるで逆のことを向いているのに映画や最先端企業達は世界に寄り添い

世界とともにあるというのは知っている人は知っています。我々日本人としては不変のテーマにおいて目先の政権に

振り回されるのでなく、トムハンクスの主人公同様活力を取り戻しなすべきことをなしていかなくてはいけないと

個人でも国レベルでもと思うのでした。

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