懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

亡き師に捧げる名舞台~「白鳥の湖」

2009-05-21 01:53:24 | Weblog
新国立劇場「白鳥の湖」、5月19日初日。

初日のオデットのザハロワは、タイトなスケジュールをこなすスターの踊り。
今宵は、かつてほど心に格別な喜びがあるようには見えないが、手堅くまとめた。

一方、今日のウヴァーロフのジークフリート王子は、「どうしたの?!」と言いたくなるほど、気合に満ちた入魂の演技、踊り。

ザハロワとの「湖のほとり」で、ウヴァーロフが、まさに初めて出会ったようにオデットに反応し、腰回すときも優しいジークフリートの表情をしている。

何で?

途中ではっとなった。

そういえば、先日ウヴァーロフのバレエ学校時代の教師、ボンダレンコ先生が亡くなっていた。

きっと、それだ。

ウヴァーロフは、恩師の死を悼み、気合最高の状態で、舞台に現れたのではないか。

亡き師に捧げられた踊りだから、全幕を通じ、全くコンセントレーションが衰えず、演技、踊り、リフト、サポート、全てにいつにもまして、神経のゆきわたった気合十分の様子が見えたのではないかと。

まさかこんな舞台とは。無理して劇場に来て、大正解だった。



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