懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

マラーホフの贈り物 Aプロ

2013-06-16 14:57:32 | Weblog
友達から、バレエの感想書け、と言われたので。

5月22日、東京文化会館。(この種の公演にしては、ゆうぽうと公演ではなかったので、客席数が多く、当日でも余裕で入れたのは、私たちにとっては行きやすかった。客席も「満員お礼」のすし詰めではないので、主催者さんにとってはあれでも、自分たちには余裕を持って見れて良かった面も。)

この公演は遅刻したので、前の方は未見。自分の覚書程度に記載。

第一部

「白鳥の湖」第2幕より
振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、ウラジーミル・マラーホフ
東京バレエ団

「トゥー・タイムス・トゥー」
振付:ラッセル・マリファント 音楽:アンディ・カウトン
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

「ギルティー」
振付:エドワード・クルグ 音楽:フレデリック・ショパン
マライン・ラドメーカー

「ラ・ペリ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:ヨハン・ブルグミュラー
吉岡美佳、ウラジーミル・マラーホフ

「海賊」より奴隷のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:コンスタンティン・フリードリヒ・ペーター
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル


~休憩~

「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ

<私的な感想>一般的な感想でなく主観では、この日の演目の中で、一番心に響いた。(一番受けてたのは別の演目。)
サレンコ、マラーホフの踊りの中で、特筆すべき高水準ではなくても、シンプルな舞台空間に、二人の踊りから、プロコフィエフの音楽をいっぱいに感じた。今日は、無理して足を運んで良かった。

<振付家としてのマラーホフ>中位の振付家と思うし、「シンデレラ」も全幕見てないから分らないけど、この、シンデレラと王子が出会い、惹かれあって二人の世界に入って踊るパ・ド・ドゥは、プロコフィエフの音楽を、自然に伝えられる振付になってると思った。

ふくらはぎに違和感を覚えてソロ演目を変更したという、この日のマラーホフ。体が万全でない分、今回の相手が、安定感あるサレンコで良かった。

(ほんとは最初は、予定のサイダコワ、見たかったけど。)サレンコなら、多少王子役が不調でも、状況に合わせてそれなりの踊りをできそうだから。サレンコ、かぶりつきで顔アップで見ると、さすがにリフト、サポートで笑顔でないことまで分かるが、もっと全体を俯瞰で見ると、全身の表情からは、やりにくそうな感じまでは,わからなかったから。

「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:ベンジャミン・ブリテン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

すいません。タイトルで少し期待したけど、私には、何のことかさっぱり???な踊りで終わった。こういう感想になるコンテは、時折ある。二人のファンには、よかったりしたのかしら???

なお、マリアは,この衣装ヘアスタイル(渋い赤のユニタード)だと、椿姫の衣装のときより貧相に見えた。逆にラカッラは、Bプロで見たユニタード姿、決まってた。その人に似合う衣装・ヘアスタイル、あるな~と思ってみた。ラドメイカーは、体の線がはっきり見えるこういう衣装だと、女性との体型さが浮き彫りになりすぎる感じで、この人はこれよりはまだ、上体裸の衣装のほうが、独特な筋肉のつき方が、浮いてみえない、かと。

「レ・ブルジョワ」
振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク 音楽:ジャック・ブレル
ディヌ・タマズラカル

この演目を、ダンサーの個性によって陽性にして踊ってた。昔のシムキン・パパは、もっとシニカルに演じてたっけ。
マネージュで難易度高めの技巧を入れた。表現内容、演技より、さわやかな個性と技術で見せた感じ。私は、シムキン・パパの演舞の方が好きだけど、観客には喜ばれていた。

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

自分的には、あまり良くなかったが、拍手は多かった。私的には、同じ演目を踊った過去に見た別のダンサーの演舞を、思い出した。(ディノって誰?、ラカッラの彼かしら???って思った。新しく見るパートナー。)

ところが。このペアは、Bプロのコンテの印象が非常に良かった。A.B両方行ったからそれが分かった。もしどちらかだけ見に行ってたら、選んだ方によって、印象が真逆になったと思う。公演の行き方の難しさを感じた。
後日、Bの感想で詳細を。

「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

チュージンのラストのリフトを見る限り、タイスの曲でず~っとリフトするのは、きつそうだから、演目をこれに変えてよかった。

やっぱりマリア、タマズラカル、ラカッラたちの方が会場が盛り上がる感じだけど。個人的には好きな演目。でも、受け方を見ると、コンテや演劇演目の人のほうが、いまどきは得かしら?。或いは、影が薄いのは、過去に、これ以上うまい人がいっぱい踊ってる演目だから?。

スミルノワちゃんのメイク、いまどきこんな世間ずれしてないメイクする女の子もいるのか、と、苦笑を超えて微笑ましくなった(??)チュージンは、ボリショイ、あってないのかも。ダンチェンコの時の方が良かった。

衣装が豪華で、そこは良かった。

「瀕死の白鳥」
振付:マウロ・デ・キャンディア 音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウラジーミル・マラーホフ

今日は瀕死のマラーホフって感じで。


ピアノ:菊池洋子 (「ギルティー」、「椿姫」)

*音楽は、ピアノ伴奏の2演目以外は、「特別録音によるテープ使用」と配役表に記載。でもテープも、「シンデレラ」の私的印象がとても良かったので、「特別録音」は、いい仕事してた。

逆にピアノ伴奏は、「こういう試みは、これから」という印象。ダンサーと演奏家が一緒に仕事する機会が増えれば、自然にノウハウも蓄積されていくかもで。演奏家の業界も人が入替っていくので、時々こういう機会があれば、いいのかもね。

※友人に、「ラ・ペリ」を見落とした話をしたら。「それは見なくて良かったかも。あの演目の衣装はマラーホフが太って見えた。」と言ったが、見てないと、どんな衣装だったか、それに踊りも見たくって・・・。これが心理。

雑な感想ですが。とりあえず。

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