懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

青蛾館「上海異人娼館~チャイナドール」寺山作・岸田脚本

2009-07-11 13:45:50 | Weblog
タイトルが長くなってしまった。

この演劇公演って、いくつか異なる要素があって。

・「上海異人娼館~チャイナドール」作品への興味(で来る人いるかな?)
・青蛾館さん関係。出てる俳優さんのファン関係が来そうな企画。
・TV台本、舞台、小説と幅広い各活躍をした、脚本家・岸田理生(りお、と読むのを最初知らなかった。女性ですね。)に関心のある人
・歌人・詩人・劇作家・競馬評論家etc.で没後27年、第二・第三世代にも衰えぬ人気を持つ寺山修司関連のイベント
・宇野あきらさんの独創的・幻想的な挿絵に顕現されるような、デカダンス、退廃美に興味ある人向け。

みたいな感じかな。

会場が小劇場で、チケット買ってなかったら、満員でキャンセル待ちなんだそうです。(完全に世の中に遅れている自分)

くっすん。

元々は、昔の映画の脚本化だけど、「今」の若い女性に、あの世界はまた違った感じで面白く見えるんだろうなあ、と。

チャイナドール・少女O(O嬢の物語の「O」から取ってると思われ)と、その恋人のステファン卿の、愛と性の物語(?)、が土台にあって、映画版は、そのストーリーをなぞるためにあるんじゃないんだろうな~と、思いながらみたけれど。
むしろ、土台のストーリーに水を差したりする所が、良かったりするけど。

レンタルビデオ店の表紙の少女Oの写真は、綺麗だったけど。

映画は、企画は良いけど、必ずしも完全な成功とは言えなかった。
(寺山によると、編集で、「何のことか意味のわからない映画になった」という。
そんな風に言っちゃえる寺山修司の言い方が、アッパレ。)

でも、耽美とか、少女とステファン卿の、なにか脆い純愛志向とか、妙にそそる部分もある映画だった。

好きな映画ではないけど。

岸田脚本は、映画よりもぐっと、原作者の寺山の意図を汲み、かつプラスアルファ岸田ワールドにしてると思う。

でも、それをさらにさらに、個性的に色づけするのは、「今」のキャスト・スタッフ。

映画の少女とステファン卿。

この役は、演じる人によって、イメージ違って見えると思う。

愛を試すために、わざわざ、無垢な恋人の少女を娼館に預ける男、というのは(マノンと逆みたい。)大人になってしまえば、現実的に考えると、鼻白らむ話というか、幼い発想のようにも思えるのだけれど。

そんなことをする、ステファン卿の孤独と屈折に、見る側が思いをはせられるような魔力のある役者さんがやれれば、半分成功なのかなとも思う。

関係ないけど、ダンス界のピナ・バウシュが68歳で亡くなってた。
岸田理生は、ピナが好きだったな。
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