懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

女王の帰還

2021-05-03 17:36:04 | Weblog
クワッドクイーン・アレクサンドラ・トゥルソワ選手が、大人の事情で移籍、元居たエテリ・トゥトベリーゼのチームに戻るとか。
(移籍のことはスポーツ新聞で知ったが、プルシェンコのインスタが説明が丁寧みたい。)

プルシェンコのアカデミーの芸術性はもとより、エテリ組では得られなかったスケーティング技術の向上・ジャンプの修正、試合に臨むにあたって、怪我のケアに当たって等々、スター選手にしか分りえない世界を、高い知見とメンタルを持つ元大スター選手と共有出来た事

そして新進のアカデミーの明るい気運、アカデミーの誇る第一の選手として恵まれた練習環境、暖かく時にユーモラスなキスクラ光景等々、日々成長する天才少女に、プルシェンコのアカデミーの薫陶、注がれた愛情が、この世界の至宝の天才ジャンパーに今後も良い影響を残し、

二つの異集団、プルシェンコ組とエテリ組の双方のいい所を吸収して、そのうちさらに大輪の花を咲かせてくれたら、嬉しい。

トゥルソワ自身はそれができる資質を備えていると信じているし、この移籍には多少の難点が懸念されることは承知しているが、もしかしたら、彼女ならば、万難を克服し、さらなる偉業を達成してくれるかも?、と淡い期待はある。

この、意外なニュースを聞いて・・・。

どうなんだろうね。ネガティブな事を書くのは簡単な事だ。その方がいいのか、言葉を呑んだ方がいいのか?

例えば。少し前に気になる動きとして、羽生のガチファン層は、ジャッジへの不満をあらわにしていたけれど。

羽生本人の思いはどうかは別として(本人はファンが自分を応援するのは嬉しく思うだろうけれど)、ファンの一連の行動が、吉と出るか、凶と出るかは、私には分らない。

彼らに倣い、私もトゥルソワの今回の移籍について、例えば「本人の意思を尊重していないのでは」とか、まして「トゥルソワはプルシェンコの下に居た方が、勝てたのでは?」とか、一番の懸念材料として、例えば今後トゥルソワはエテリ組でプルの所ほど大事にされず、あまり扱いが良くないとか、何より現実的にリンクの事とか練習環境どうなのかとか、・・・

エテリ組はただでさえ、去年移籍直前のコストルナヤの振付が良くなかったとか(たぶん振付師もアイデアが枯渇してたとかあるんじゃ??と思う。振付作る数多すぎて)有力選手の優先順位が先になると思うし。

ずっとここで頑張ってきた人と、移籍して戻った人ではどうかと思うとか。とにかくエテリ組は優秀な選手の引受け人数が多すぎて、手が回るのか?とか、気になる材料は色々で、それをネガティブな言葉で書いた方がいいのか、

それとも忸怩たる想いを呑んで、あえて、「エテリ組とプルシェンコ組の両方から栄養を吸収する世界のトゥルソワ、氷上の大輪の薔薇と咲いて欲しい」とか、ってきれいごとを書いた方がトゥルソワの為になるのかは、分らなかった。

プルシェンコは終始大人の対応で、この移籍に関し、エテリ組に「すべての約束が履行されることを望む」と書いてる。
たぶん、彼の懸念は当たるだろうと自分は思う。

きっと今回の決定権者のトゥルソワのパパに、エテリの所は、何かおいしい約束事をしたんだろうなと憶測する。天才少女を持つ裕福な父親を納得させるような事を。

けど、自分はロシア好きで、ロシアをずっと見てきたし、トゥルソワ父もそれなりにやり手だったとしても、エテリ組の方が一枚上手では?って思うしで、何となくの憶測として、たぶん、約束の一部は履行されないだろうなって思う。

新しい困難がきっと生まれるだろうけど。一般少女なら多感な年ごろに堪え難い改変になると思うけど(人的関係も短期で全部変わるし)、でも、トゥルソワは、選手としては特別に大人な思考回路を持つ時があるので、前だけを見て前進し続けるかもしれない。

そ~だ、トゥルソワがポシャったら、勝てなかったら、これからは全部エテリ組のせいにしよっと🎶
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トゥルソワ自身は、沈黙は金で、昨季途中はこの件には言及せず、そして最後に世界選手権の大舞台、あのFSで歴史的快挙、SP12位からFSで表彰台まで行く業界常識を覆す5クワド実施の演技を見せて(フィギュア界は今まで、SPで致命的にしくじると上位争いには絡めず。ごぼう抜き人数は浅田真央、ネイサン・チェンの方が上でも、彼らは表彰台を逃した。)、その後。

インタビューで「移籍はしない、来季もプルシェンコの元でやる」ことを言明した。なんて賢い娘なんだろうと思った。ずっと黙っていて、結果を出してから、きっぱり移籍を否定してた。

そんな大人対応なトゥルソワだけど。大人たちの駆け引きを退けられなかった模様。
きっとあるであろう無念の思い。

海外の一ファンとしては、全てを飲み込んで、最後に結果オーライが出るまで、応援し続けるだけだ。
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この移籍については、以前トゥルソワに戻ってほしいと熱烈ラブコールしてたのは、サンボの校長だった。強い権限を持つように見えるエテリ。彼女はいったいどうなのか。エテリはトゥルソワに戻ってほしいといったとは書いてなかった。大事なのはサンボ校長の思いじゃなくて、エテリの気持ちだと思うけど。エテリがこの移籍にそんなに前向きって程でもなかったら、それは罪なことだ。

取りあえず、あえてネガティブな事は書くまいと思ったが、それにかえて、エテリ組におけるトゥルソワの処遇については、今後動静を注視して行こうと思った。選手は一人で闘うわけじゃない。チームのサポートは重要で。

(正直私はエテリがトゥルソワを怨んでないか、気になるんだけど。)
クワッド・クイーン、トゥルソワは、世界の宝だ。既に世界中にファンを持ち、観る者のα波やアドレナリンを促進させる例外的なスケーターであり、私などは彼女を見るためにフィギュアスケート番組を見てる位なんだから。

そこんとこ、よ~く、チーム・エテリには認識して頂かないとね。

トゥルソワは、いつも愚痴も零さず、文句も言わず言い訳もせず、黙々と努力し続ける。でも、今のフィギュアスケート界では、それだけじゃ損してないかと思う時もあるし、彼女の凄さ素晴らしさについては、今一度言及を続けて、エテリ組で彼女の立場が悪くならないよう、見守っていきたいと思った。

も~、フィギュア女子シングルの有力選手を全員集合させちゃって。(あ、トクタミは別だったが。でも、彼女は去年のスコアでは国内で6番目位だったし。)エテリ組は、今度の北京五輪開催あったら、女子シングルは、表彰台独占しなきゃ、許さない!!!って気分。

プルシェンコについては、トゥルソワを引き受けて多くのことをしてくれて、多謝。
プルシェンコってこんなによく出来たいい人だったっけ???
狭義には、トゥルソワへの愛でも、もっと広く見ると、プルシェンコはこの業界を愛していて、状況がもっと良くなるように心を砕いているように見えた。

羽生とそのファンが騒いでるような採点問題だってそうだ。
昨年12月のロシア選手権のトゥルソワは、明らかに採点で不利を受けていた。
そんなの一目瞭然だ。(なので説明割愛)

だけど、そういった中で何をどうしていったらいいのか。

愚痴をこぼさず怪我という言い訳もせず、ジャッジへの不満も言わず、トゥルソワは黙々と努力をし続けた。そして、世界選手権FSで、一つの結果を出したのを、私もTV放送で何とか見る事が出来た。

そんなトゥルソワにプルシェンコは、やるべきことをやっていった。あまりにも言い訳しないトゥルソワの怪我の件に言及し、ジャッジについては一応公式に、ある意味堂々と業界の上の人に抗議し、そして結果を出せたロシア選手権の滑りについてはトゥルソワに「君は勝ったんだ!」ととインスタで称えた。

一方、世界選手権のFSでは、満足していないように見えた。(私には5クワド実施であの結果だけでも、泡吹きそうに感動したのに!!プルシェンコ、目線超高!)

必要な事は、圧倒的に勝つ、ということ。プルシェンコは、そう思っていたのかな。そして、トゥルソワならそれがやれると、きっと信じていたように思った。(ストックホルム入りしてからの練習では3Aも5クワドも、全部跳べていたから)

多少のジャッジの不利はあっても、その抗議は公式にすべき所ではやるけど、それとは別に、ジャッジの不利を織込み済としてでも勝てる位の、有無を言わさぬ結果を出すことを目指していた、そんな風に見えた。(5クワドって、今年の世界選手権で男子の1位のネイサンがやってた構成だもの。)

(蛇足だが、圧倒的に勝つ、というのは、かつての羽生自身がたぶんそれを目指し、実現したと思うけど。羽生は最初から一番扱いの人でもなく、実力で勝利をもぎ取り、世界一への階段を昇って行った。)

凄い人たちだなって思うけど。トゥルソワとプルシェンコ。

今回の移籍では、文句を言いだせば山ほどあるだろうに、言葉を呑んでトゥルソワに勝つように言って送り出したプルシェンコ。
今一度、プルシェンコ・アカデミー下での、エテリ組ではできなかったトゥルソワの実績も確認しておきたい。

(芸術性や音楽性、女性美の顕現、スケーティング技術、踏切をクリーンにするとかだけでなく、エテリ組が誇るジャンプ技術でも、試合で3Aを着氷させたとか、5クワドとかも、プルシェンコ下のトゥルソワでなければ実現していない。また、自主性を重んじた事で、クワド研究家トゥルソワの創造性には大きく貢献したかと思ってたりもする。)

この世界での唯一無二の逸材、トゥルソワを、裏事情はどうあれ、引き受けるからには、エテリ組には、彼女をさらに輝かせる責任があると思ってほしい。その意味で、エテリ組には厳しい目を注いでいきたい。(山本リンダの歌で「神がくれた~この美貌~無駄にしては罪になる~世界一の男だけ~この手に触れても構わない♬」ってのがあったけど、それで言ったら ♪神がくれたあの才能、無駄にしては罪になる~~~、と、チーム・エテリは肝に銘じよ、と言いたい。)

稀有な天才少女と、皇帝と呼ばれた男の、出会いと別れ。
全てがドラマティックだった。
あたかも、もう一つの「ロミオとジュリエット」のように。

(いつか、トゥルソワが大人年齢になり親に法律上の決定権がある立場から外れた暁には、アイスショーでもなんでも、プルシェンコと再び組んで仕事できたらいいかなと思ってる。今はミハイロフコーチとかお別れになるのか・・・って寂しい気がするし、移籍して振付したロザノフは?とか、も気になるけど。)

(プルシェンコって、こんなにできたいい人でしたかね。昔、メダル争いのヤグディンと言いたい放題言ってた時は子供のケンカみたいで面白い人たちだったのに。)

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