懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

年末年始に

2023-01-02 17:03:29 | バレエ
ウィーンフィルのニューイヤーコンサート、

恒例のバレエ部分。今年は、毎年やってるしそんなに保存するほどの演出でもないか、と思って録画しなかったら、

今年のは、2番目に出ていた演目のが、衣装とかも良く、今迄よりメインの二人が前で踊ってると、後ろの風景の様に別のカップルが斜め後ろで踊るのが見えて、かつきれいな庭園風景が映り、文字通り動く絵画、油彩の昔の絵画の人が動いているような効果を上げていて、今年のは今までより良かったかも。

年末31日のEテレ夜の「今年のクラシック振り返り」番組の中のバレエは、クランコ版の「じゃじゃ馬ならし」。

コメディ作品で、1回見ればいい、2度3度も見たい作品ではないが。今回のは、衣装は良かった。演技は、昔の生で見た人の方が、今回の人よりはうまかったかな? 

後は、現代劇の「アンナ・カレーニナ」。この題材は、現代の衣装でなく、あの当時の貴族の衣装でやった方が、見て楽しい気がする。現代劇だと、ただの不倫話みたい?

脱線すると、海外の映画で、この小説の映画化したものを、たしか2010年代頃やってて、衣装は当時のを今のデザイナーのセンスで洗練させたもので、舞踏会シーンとか見栄えがした。女優の演技はまあまあ位だったけど、当時の貴族文化の背景で繰り広げられる悲劇のドラマは、今回のバレエとは比較にならない位見ごたえがあった。

★おまけ。衣装というと、ネット動画で見た1994年のボリショイバレエ、グリゴローヴィチ版「ドン・キホーテ」。(ステパネンコ&クレフォフ)、衣装が良くて眼福。

全体的に凄くいい舞台で目から鱗だった中、女性たちの衣装の縫製が非常によくて、踊る時ヒラヒラするスカートの下、パニエ部分の布と縫製が、衣装制作の専門家に見て貰いたいほど、素晴らしい。

バレリーナやキャラクターダンサーがくるっと廻ったり脚上げたりする毎に、布がヒラヒラする時に布が軽く翻りの線が綺麗にお洒落に見えるような質のを選び、縫製技術が素晴らしすぎるので、翻りのラインが波打つとき目くるめく歓びが生まれる感じ。ダンサーたちも、それぞれ、素晴らしい衣装の特性を活かして、その翻りの線もきれいにみせて踊ってて、うっとり。あのバレエ団の衣装縫製係「黄金の手」の異名をとるスタッフによるものかと思う。

この時期は、コールドやスタッフは充実していたように見えた。(このころまでは、芸術の内側に優れ、外側部分は、ブルーレイだしたりとか、お商売の上手さは、マリインスキーにはるかに劣ったけど。)

グリゴローヴィチ作品の中で、業界内の評価では、一番有名な演目ではないし、群を抜いて高評価というのでもないけど、私的には、グリ版「ドン・キ」、1990年代半ばに日本公演で見た時も、個人的には好きだったが、改めて見てこんなに良かったか、と思った。これも、良いダンサーたちに支えられてのこと。
プティパ版を元とするファジェーチェフ版との、グランドバレエについての考え方の違いが明瞭で、興味深かった。

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