懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

天上の虹 ラスト1巻

2013-12-30 00:06:12 | Weblog
天上の虹 22刊が出たのを知らずにいて、ちょっと前に気づいて遅ればせながら読んだ。

割と相変わらずな内容で、文武天皇(珂瑠皇子)は、相変わらず頼りなく、泣く子も黙るヒロインの讃良上皇様は、迫り来る死期を感じつつ君臨し、己の殻に閉じこもった但馬皇女は、過去の恋の思いを清算して、・・・。みたいな感じ。

最後に、独身を貫いて天皇家を支えようとする美女、氷高皇女に、若い王子が懸想して、彼女を得るために、義父を利用し、出世しようと考える所で、以下次号へ。

氷高皇女は、以前にも政略結婚の候補の人生を狂わせたかも?と思う展開があり、本人はなんとも思って無さそうだけど、美しさが罪、みたいな人。氷高皇女は、もう恋はせずに、政治に関わって生きていこうとしてるけど、美人なので、そのままでは済まない感じ?

史実を踏まえ、漫画では、氷高皇女は一生独身で、先々、中継ぎの天皇・上皇も務めることになってるけど、この関連作品の「女帝の手記」では、昔美人だった白髪の女性として出てくる。そのときは年頃の女性の瑞々しさを失っていて、美貌の有効活用の無い、勿体無い人生な感じが、しなくもなかった。そこへ行くと、ヒロインの嫌われ者、女帝さらら様は、欲しいものは手に入れる最高権力者の人生。愛も権力もゲットする所が、現代女性好みなキャラなのかもしれない。

このさらら様と共に、よく描かれてるように思うのが、大政治家の藤原不比等。
およそ少女マンガで、こういうのは珍しかったと思う。
せいぜい、池田理代子「ナポレオン」位じゃないかと思うし、そっちよりこの藤原史の方が、描かれ方に厚みがある。直情径行な恋愛表現もするし。
恋愛の仕方も、案外他の登場人物以上に、興味深いものがあったり。

天皇の妻だった女性を欲したり、得たら飽きたり、そういう自分に気づいて愕然としたり、それで、飽きない同士のような伴侶を得て、しかも不倫だったり。

この漫画、ず~~~と、終わらずに長く続いて来たから、あと1巻で終わるのかと思うと、やや寂しい。さらら様が死んで終わるんでしょうね。

さらら様は、肉食系と言うか、エネルギッシュで、現実的な欲が強く、理想や思いを実現させる強烈さをもっている。作者の里中満智子さんは、一見、知的で、我欲が前面に出てるさらら様みたいな女性を主役にしたのは、最初は意外だったけど。心に感じるものがあるから、歴史家には嫌われがちな、さらら様こと持統天皇をヒロインにしたのでしょうかね。それとも、「女帝」だから良かったのかしら?

次回もいつ出るか、知りたいもんです。

一方、懐かしの少女マンガ作家の大家・萩尾望都の新刊が出てて、なぜか「王妃マルゴ」だった。萩尾望都の作品を見るのは、「残酷な神が支配する」以来。

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