懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

2/8「ライモンダ」、2/9「白鳥の湖」マチネと、はしごして

2012-02-10 03:14:18 | バレエ
東京公演「ライモンダ」(アラシュ/ヴォルチコフ)2月8日夜公演。

予想を裏切らぬ堅実な好舞台。衣装やミミックの美も目を引く。主役だけでなく、全体で魅せる舞台。遠景で見るのが一番いい。計算尽くされた、美術・衣装・照明のタイアップ感。動く建築物のように、1幕夢の場、群舞のチュチュのスカートの放射線状のデザインや、ダンサーのベールの動かし方まで、全体の構成の中でどうあるべきか考えて有機的に動きと衣装、装置デザインを考えられている。照明までも、全体を遠方席から遠景で見ると、そういう面での美的効果がよくわかります。

ライモンダの夢の場の友人の一人を踊った、チナーラ・アリザーデのリズミカルで優雅なクラシックバレエが舞台を引き締め、ホワイエで、あの子、いいね、と言われてました。2幕ライモンダの友人、ニクーリナも連日脇役出演ながら、優雅かつ確かな基礎の引き出す心地よさのある踊り。

1幕、白い貴婦人無くなった。夢の場が、どこかの庭に変わり、後ろに月が出た樹木の絵があり、背景の印象のなかった前回’88年とは、変わった。以前より、甘口の女性的な演出になった、等、以前と振付・構成の一部が改変。私は以前のの好きですが、今の時代のこの劇場の機能(お金を落として行ってくれる、スポンサー向けバレエ団)を考えると、分りやすさも大切。

しかし、翌9日「白鳥の湖」昼(ルンキナ、チュージン)に行って、なんというか、う~~~~む、やっぱり日本人は、「白鳥が好きなんだ~~~~~~」と、複雑な気持ちになりました。まず、客入りが違ってて。(いや、企業努力ではけたのか?の部分があれば、うわべの席の埋まり方と本当の人気を、正比例とはみれないけど。)ただ、白鳥の方が、受けやすいというか、もっと言えば、そこそこに段取りを踊れば、それなりに安定して成功出来る演目なのかも???これは、何でなのか、だんだん分からなくなってきた・・・。ラントラートフの悪魔が良かったです。彼が気を吐く踊りを見せるの、はじめて見ました。イケメンとかより、やはり、踊りがきちんと踊れることが大事。

プリマのルンキナは堅実な出来。オデットより、オディールの方が生き生きしてたかも。
でも、以前新国立劇場バレエ大阪公演の方が、全然技術が高かった。(相手は、ルンキナさんがお気に入りのウヴァ様だから、しょうがないけど。)こんなに差がつくのかと、黒鳥アダージョのバランスと、コーダのグランフェッテで、いささか複雑な気分。

8日夜の出まち。サイン会終了後も、ヴォルチコフさんが、長々とファンの女性たちの写真撮りに応じてあげてらして、そのたたずまいに見とれました。少しお疲れのご様子にお見受けしたけど、ファンの女性たちが望んでいるから、と、それをおして、一生懸命笑顔を作って立っている、まっすぐな脚と姿勢と、心意気のうつくしさ。
これぞボリショイの男性舞踊手、という風情。こういう、人民のよろこびに身を捧げる、みたいな古い感覚は、この人あたりで終わりかも。

新しい世代、9日昼、悪魔のラントラートフの、都会的で品の良い私服姿での、サイン、写真の出まちファンサービス(幅広い年齢層の男女に慕われて、だんだん自然に笑顔になってました。男性にも人気。)も微笑ましかった。ルンキナさんはいつもながら、ファンの前で優しい奇麗な笑顔。ほんとはプリマはお疲れが普通なんだけど。オフはいつもきれい。

主役二人のサイン会の仕切り役の、JA社の背の高いベテランの男性社員さん(或いは上の方?)が、主役二人のサイン会の指示を出してらして、とても感じの良いのが、印象に残りました。寒い中、連日お疲れ様でございました。

友人の話では、ライモンダの主役二人のうち、アラシュより、アレクサンドロワの方が、もう少し踊りが繊細だった、との事。アラシュは昔から、少し硬質な踊り手だった。

舞台の話はまた、後日まったり。



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