想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

思い出は同じさ

2009-02-23 09:58:58 | Weblog
     (名残りの雪が終われば、バラ仕度でありますなあ‥今年も植えます)
  
  そして同じく日曜日、おやつの時間だよ~と言う頃に、桜餅を小脇に現れた人あり。

  作業小屋にてシビアな話をしていたら、車のエンジンの音。通りすぎないので顔を
  出すと、業務用車両が門の真ん前に乗り付けている。
  誰だ誰だ何ものじゃあ? と恐い顔(たぶん)して見ていると、あれま、M君である。

  突然でごめんなさいと悪がってるから、あまりに遠慮な態度だから、わからなかった。
  あああ、Mくーん、と大声で言うのと、すみませーん、来ちゃいました、連絡もせずに。
  ぜーんぜん、大丈夫。よく来たね! 
  カメは奥にいらっしゃるわよ、さささ、どうぞどうぞ、とシビアな話合いは解散して
  M君を歓迎した。
  桜餅と旨そうな干物の土産は関係なく(ふふふ)、ほんとに来てくれてありがとう、と。

  久々に敷地内を歩き回り、カメと談笑する君を見てて思った。
  あの頃の思い出はなぜか雪の日が多いなあ、と。
  M君が「雪が見れてよかった」と言ってたよと、あとでカメから聞いたとき、
  ああ、同じ景色を思い出しているのだな、と思った。

  ここで一番厳しく、激しく、辛かったのは屋外作業の開拓期、三冬ほど続いた。
  雪は今よりたくさん降り積もり、青いビニールシートで被い暖をとる場所を作った。
  動いていれば暖かいから、ずっと働いていたほうがよくて、
  「帰り道、後ろから先生のかかとを見ながら歩いてたよ、くたびれて限界なもんで
  うなだれちゃって。長靴のかかと、残像みたいに覚えてるんだ」
  M君が言うように、へろへろになるまで働いた、無論、報酬があるわけでもない。
  今みたいに軽くてあたたかく、安価なダウンコートなどなかったので皆、まるまると
  着膨れして来る。そして動いて、体温が上がるにつれて脱いでいく。

  脱いだ下に着ていたのは、厚手の綿のフードのついたパーカー。



  お揃いの黒いパーカーの背中には、こう書いてあった。



  同じ思い出が、わたしたちの得た報酬。
  高いぞー。


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不完全なわたし

2009-02-23 02:03:14 | Weblog
  車はおかげさまで修理完了いたしました。
  原因はやはり石にぶつけしまったことで、パーツの一部が曲がっていたこと。
  (部品の名称を聞いたけど忘れてしまったのでごめんなさい)
  物事を深く知らないということのたとえで、運転はできても車を知らないだろう?
  とよくカメに言われます。それはメカニックを知らないでしょ、ボンネット開けて
  エンジンをみたり車の下にもぐったり、システムを知らないままオートマチックで
  走らせてるだけでしょ、でも車のことわかってるとおもってるでしょ、
  でしょ、でしょ、でしょ? とカメは教えてくれますので、もちろんわたしなどは
  知らんです、はい。と素直に認めていますから、今回のことではそれを実地で
  いったわけですから、無知を改めてよく自覚できました。

  カラカラカラという音がどんなときに鳴るのかを注意深く聞きながら走行し
  修理工場まで行ったので、部品ほぼ取り替えっすね、オートマオイルが漏れてる
  みたいだから、こりゃいろいろ危ないですねー、預かり点検するしかないですねー
  という話をのっけからされまくっても、全然動じることもありませんでした。
  車やさんは不景気で不景気で、ヒマでヒマでとぼやいておりました。

  まあー、見てからにしてちょ、とお願いして約10分ほど。
  同行してくれたN君がしゃべりまくるのがおもしろくて聞いていたら、メカの
  おにーさんが「わかりましたー、直りますー」とオフィスへ向かって大声で言ってる
  のが聞こえてきました。で、おおおっと二人とも立ち上がりピットへ。
  リフトで上げられた車の腹を見上げると、前輪両輪のバランスをとっている棒の中央が
  少し湾曲してました。これが走行し始めバランスをとるために傾いたときに、シャフト
  に当たり、その音がカラカラと鳴っていたわけでした。
  その説明は実際に走ってきたときの感じとぴったりで、納得いくものでした。
  これ、たぶん元に戻せます、大丈夫です、といわれて待つ事さらに10分ほど。
  車やさんは、昨年のお返しにとお勉強価格にしてくれたので、大助かりでありました。

  N君曰く、「俺、あれを昨日、車の下にもぐって見たのになあ、そもそも曲がってる
  もんだと思ってたから‥、なんてこった、ですよー」
  うさこは「‥みたいな~」と答えておきました。
  そういうことです、元々を知らないと異常はわからんのですね。



  人、然り。
  何が正常なのか、ほんとに知ってるんだろうか。
  ほとんどの人が「自分は常識的だ」と思っている世の中だし。
  少しずつ、少しずつ、ずれたくらいでは、正常と異常の違いは見えないんじゃないか、
  元々どうだかなんて、考えたり確かめたりしないもんなあ。

  中古車に乗るのは、かなりスリリングであることを知った日、
  不完全さに慣れてみるのも、おもしろいかもしれんと思いつつ走ってみる。
  不完全な自分にはけっこう慣れているのだから。
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