(名残りの雪が終われば、バラ仕度でありますなあ‥今年も植えます)
そして同じく日曜日、おやつの時間だよ~と言う頃に、桜餅を小脇に現れた人あり。
作業小屋にてシビアな話をしていたら、車のエンジンの音。通りすぎないので顔を
出すと、業務用車両が門の真ん前に乗り付けている。
誰だ誰だ何ものじゃあ? と恐い顔(たぶん)して見ていると、あれま、M君である。
突然でごめんなさいと悪がってるから、あまりに遠慮な態度だから、わからなかった。
あああ、Mくーん、と大声で言うのと、すみませーん、来ちゃいました、連絡もせずに。
ぜーんぜん、大丈夫。よく来たね!
カメは奥にいらっしゃるわよ、さささ、どうぞどうぞ、とシビアな話合いは解散して
M君を歓迎した。
桜餅と旨そうな干物の土産は関係なく(ふふふ)、ほんとに来てくれてありがとう、と。
久々に敷地内を歩き回り、カメと談笑する君を見てて思った。
あの頃の思い出はなぜか雪の日が多いなあ、と。
M君が「雪が見れてよかった」と言ってたよと、あとでカメから聞いたとき、
ああ、同じ景色を思い出しているのだな、と思った。
ここで一番厳しく、激しく、辛かったのは屋外作業の開拓期、三冬ほど続いた。
雪は今よりたくさん降り積もり、青いビニールシートで被い暖をとる場所を作った。
動いていれば暖かいから、ずっと働いていたほうがよくて、
「帰り道、後ろから先生のかかとを見ながら歩いてたよ、くたびれて限界なもんで
うなだれちゃって。長靴のかかと、残像みたいに覚えてるんだ」
M君が言うように、へろへろになるまで働いた、無論、報酬があるわけでもない。
今みたいに軽くてあたたかく、安価なダウンコートなどなかったので皆、まるまると
着膨れして来る。そして動いて、体温が上がるにつれて脱いでいく。
脱いだ下に着ていたのは、厚手の綿のフードのついたパーカー。
お揃いの黒いパーカーの背中には、こう書いてあった。
同じ思い出が、わたしたちの得た報酬。
高いぞー。
そして同じく日曜日、おやつの時間だよ~と言う頃に、桜餅を小脇に現れた人あり。
作業小屋にてシビアな話をしていたら、車のエンジンの音。通りすぎないので顔を
出すと、業務用車両が門の真ん前に乗り付けている。
誰だ誰だ何ものじゃあ? と恐い顔(たぶん)して見ていると、あれま、M君である。
突然でごめんなさいと悪がってるから、あまりに遠慮な態度だから、わからなかった。
あああ、Mくーん、と大声で言うのと、すみませーん、来ちゃいました、連絡もせずに。
ぜーんぜん、大丈夫。よく来たね!
カメは奥にいらっしゃるわよ、さささ、どうぞどうぞ、とシビアな話合いは解散して
M君を歓迎した。
桜餅と旨そうな干物の土産は関係なく(ふふふ)、ほんとに来てくれてありがとう、と。
久々に敷地内を歩き回り、カメと談笑する君を見てて思った。
あの頃の思い出はなぜか雪の日が多いなあ、と。
M君が「雪が見れてよかった」と言ってたよと、あとでカメから聞いたとき、
ああ、同じ景色を思い出しているのだな、と思った。
ここで一番厳しく、激しく、辛かったのは屋外作業の開拓期、三冬ほど続いた。
雪は今よりたくさん降り積もり、青いビニールシートで被い暖をとる場所を作った。
動いていれば暖かいから、ずっと働いていたほうがよくて、
「帰り道、後ろから先生のかかとを見ながら歩いてたよ、くたびれて限界なもんで
うなだれちゃって。長靴のかかと、残像みたいに覚えてるんだ」
M君が言うように、へろへろになるまで働いた、無論、報酬があるわけでもない。
今みたいに軽くてあたたかく、安価なダウンコートなどなかったので皆、まるまると
着膨れして来る。そして動いて、体温が上がるにつれて脱いでいく。
脱いだ下に着ていたのは、厚手の綿のフードのついたパーカー。
お揃いの黒いパーカーの背中には、こう書いてあった。
同じ思い出が、わたしたちの得た報酬。
高いぞー。