Min Dagbok

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ていねいな発展

2015-10-22 | Min Blog
今期とても力を入れて取り組んでいる授業の一つ
「いろんな凸凹とのつきあい方を身につける」で、
今日は、最初のゲスト講義でした。

テーマは、マックス=ニーフが提唱する「ていねいな発展」。

マックス=ニーフは、時代と文化を越えて共通する
「9つの人間の基本的なニーズ」を定義していたり、
「ニーズとニーズを満たすためのサティスファイアーを
区別すること」など、非常に役立つ枠組みを提唱していて、
それが「ていねいな発展」の礎となっている。

私もスウェーデン留学時代に学んだものの
ちゃんと理解して、かつ実践に移そうと思うと
なかなかに難しく、ましてや既存の経済学で
ちょっと違う「ニーズ」の捉え方を教えられている
学生たちにとっては、よけいに難しかったんじゃないかと思う。

ゲスト講師のゆりえさんと誠司さんのファシリテーションで
このちょっと難しいコンセプトを体で感じながら
理解してもらおう、という今日の授業の試み。



もともとは1~2日のワークショップでされているものを
事前・事後授業も私がするとはいえ、90分にぎゅぎゅっと
詰め込むのはなかなか大変だったに違いない。



前半は、先週の事前授業でもやった
「バルーン・アクティビティ」を再び。
多様なニーズを全て満たそうとすることの難しさや、
人によって様々なニーズの捉え方・満たし方が
あることを感じてもらったり。



そして後半は、
「ニーズ、サティスファイアー、経済財」
のつながりを感じてみる対話の時間。

今回は「なぜ、あなたは滋賀大に来たのか」
という問いをきっかけに、
①滋賀大を選んだのはなぜでしたか?(経済財)
②その理由が実現すると、どんな感じがしますか?(サティスファイアー)
③9つのニーズのうち何が満たされますか?(ニーズ)
の3つを行ったり来たりしながら、掘り下げていく。

ペアで対話を始める前に、思いがけず私も
見本で問いを投げかけられたのだけれど、

「なぜ、わたしは滋賀大で働くことを選んだのか」
と聞かれたら

①生活の糧(給料)を得るため
②雇用されている安心を感じる
③生存のニーズが満たされる

というベタな回答もしてみたのだけれど、
じっくり考えてみると、

①いろんなところでの学び・気づきを
 自分よりもっと若い世代にシェアする場がほしいから
②学びをシェアする場をつくるワクワクを感じる
③創造のニーズが満たされる

というのもあるし、学生の前では
なんだか照れくさくて言いそびれたけど、

①私の授業がきっかけで、一歩を踏み出して
 成長していくのを見ているのが嬉しいから
②可能性が開いていくのを見守れて嬉しい
③愛情のニーズが満たされる

っていうのも、大学で働く原動力の中でも
大きいものなんだろうなぁ、なんてことを
授業の後でふりかえりながら実感したり。



けっこう難しい問いかけだと思って、心配しながら
見守っていたのだけれど、学生のみんなも、
ゆりえさんと誠司さんの助けを得ながら、
いろいろ真剣に、かつ楽しそうに話し込んでいたのが
とても印象的でした。


テキストで読むとどうにもこうにも難しいけれど、
やっぱり、この「ていねいな発展」のアプローチは、
サステナビリティを考える上で役に立つだけじゃなくて、
自分の人生を生きる上でもとってもよいなぁと思うから、
もっと広まってほしいなぁ。

ゆりえさんたちが監訳した
「 "ていねいな発展"のために私たちが今できること」の
ダウンロードページはこちら↓
http://max-neef.sustainabilitydialogue.vision/hsd.html

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