Min Dagbok

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お金にならない価値も

2008-09-25 | Min Blog
宇根豊さんという福岡を拠点に
自然農業を推進している方をゲストに迎えて
経済同友会で勉強会をした。

ちなみに今回は、今週末のびわ湖放送の特番のために
関西にいらした機会をとらえての勉強会。

会場にお連れするために、私は特番の収録から
見させてもらったんだけど、すごく楽しかった。

以下、会社に報告したメールから抜粋+α。

★宇根豊さんって誰?

もともとは福岡県の農業改良普及員で、78年から水田の減農薬運動に関わる。
89年には自らも新規就農して百姓になったが、2000年からは県職員を辞め、
NPO法人「農と自然の研究所」を立ち上げて、さらに百姓の意識改革や
子ども向けの環境教育など、活動を展開中。

★お金にならない「風景」をどう価値づけるか★

ドイツのある村を訪れたとき、
「このリンゴジュースを買わないと、この村の美しい風景が
荒れてしまうから」といってジュースを買っていくという話を聞き、
農家に対する根本的な見方が日本と違うと感じたそう。

おいしさとか値段ももちろん判断基準の一つかもしれない。
でもそれ以上に(or同等に)風景を形づくるものとして評価している。

百姓が生み出している「お金にならない価値」を
日本の社会ももっと評価するべきだし、
日本の百姓も自らもっときちんと表現・発信しなければ。

★ご飯1杯食べることは、おたまじゃくし35匹を育てることにつながる★

日本で身近に見かける自然の生きものというと
田んぼに生息する生きものの割合がすごく多い。

ご飯を食べることが、身近な生きものの生息環境を守ることにつながる、
ということを分かりやすく紹介してくれました。

ご飯1杯は、稲にするとほぼ3株。
稲3株を育てる周りでは、おたまじゃくしが35匹くらい生息できる。
(添付写真の宇根さん直筆イラストも参照。)

食べればおたまじゃくしも育つし、
食べない量がどんどん減っていくと
おたまじゃくしが育てる場所もどんどんなくなってしまう。

★にんじんの葉につくイモムシに思いをはせると、、、★

あるお母さんが宇根さんの話を聞いて、御礼の手紙をくれたそうです。
にんじんの葉っぱにはキアゲハの幼虫がたくさんつく、
という話を聞いたのがきっかけで、そのお母さんは、
「このにんじんはチョウチョになるイモムシさんも食べてるんだよ。」
と話しながら食べさせたら、にんじん嫌いの子どもが食べました!ありがとう!と。

宇根さんいわく、
これまでは「栄養価が高いから」「有機無農薬だったら体に安心だから」
と「内部価値」だけを考えて、頭でっかちになっていて
その脅迫というか切迫感が子どもにも伝わっていたのでは。
「いろんな生きものが育っている」という外部価値に心を開いたら
お母さんも柔らかい表情になって、子どもも安心して食べられる、と。

今の世の中は内部価値を追求する方に
みんなの意識が向いていってしまっているけれど、
マインドセットを変えてみると、いっきに動くんじゃないか。



この前読んでいた(農業とか全然関係ない)
クローズドノートという小説にも
「営業では魂を込める」「共感できるストーリーを伝える」
と文房具屋さんの素敵なお姉さんが
万年筆を売るときのコツを主人公の子にアドバイスしていたんだけど
ただ「これはいいよ」って訴えるだけじゃなくて、
宇根さんみたいにマインドセットが変えちゃうような伝え方、
しかも自分にあった伝え方を見つけることができたら、
私にもいろんなことができるんじゃないか、って思ったりした。