スイスには湖畔に美しい街々が点在する。ルツェルンもその一つ。チューリッヒから電車でも車でも約1時間。今回の宿泊先パレス・ルツェルンは以前インターラーケンで泊ったヴィクトリア・ユングフラウグループに属し、またThe Leading Hotels of the Worldのメンバーでもある。
お天気が大変よく、部屋の準備ができるまでテラスでスパークリングウォーターなどをいただくが、暑い。日焼け間違いなしである。ああ、ノースリーブの夏服でもよいではないか、という暑さ。しかし、日陰はひんやりしているので、夕方は寒くなるだろう。
部屋は、今回もUpgradeとのことで、湖側のジュニアスイート。スイスは本当に風光明媚な街が沢山ある。
外は相当に暑いが、部屋の中はひんやり。
ホテルのメインレストランJasperはミシュラン1つ星を持つ。ヨーロッパのミシュラン星付は、時々がっかりすることもあるので、少々警戒するも、予定上今日昼食を食べておきたい、と思い予約をする。予約の時間を少し遅れて到着すると、お客が1組しかいない-ちょっといやな予感である。
6品~9品というコースと、ビジネスランチがある、というので、迷わずビジネスランチを選択。前菜にほうれん草のスープ、メインはSea bassのナスリゾット添え。アレルギーのことを伝えながら、大丈夫かなぁ、と心配になる。時々「胡椒アレルギーなんです」というと、味が全く無い料理を運んでくる店があるのだ。
さて、こうして始まったランチ。アミューズブーシュはサーモンとアスパラガスのマリネ。プレゼンテーションも美しい。味も申し分ない。期待してよいのだろうか。お腹が空いているからだろうか?
ほうれん草のスープ。酷いお店にゆくとスープは貧しさ120%というものが出てきたりするが、なかなかどうして。見た目が美しいだけでなく、美味しい。一瞬「ベーコンで出汁を取っている?」と思い質問すると、スモークオイルだという。スモークの香りを、スモークしたベーコンの味と取り違えたのだと納得。
メインのシーバス、茄子のリゾット添え。出てきたときに、これは!と思った。単純にフライパンでソテーしただけなのだが、それが非常に綺麗なのである。オムレツがきちんと出来ている店では料理が美味しい、と確信できるのと同じ確信だったと思う。魚も非常に鮮度が高く質の良いものだ。日本の一つ星のお店で食べるのと同じかあるいはそれ以上。リゾットもお米はしっかりアルデンテ、細く切られたライムの皮が入り、スパイスが丁度良い塩梅で使われ、洗練された地中海風料理である。
シェフはイタリア人なのかと尋ねてみたら、ドイツ人なのだそうだ。ま、才能に恵まれた人は人種を問わず居るということだ。それにしても嬉しい驚きのランチであった。