Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

マルティン・シュタットフェルト&ティル・フェルナー@CD

2010-01-24 09:00:00 | CD/DVD

話せば長くなる。金曜日にバーミンガムでイアン・ボストリッジ&アントニオ・パパーノでシューベルト「白鳥の歌」を聴くはずが、憎きVirgin Trainsのおかげで電車代&コンサート代(£83.5+27)及び6時間を無駄にした。この怒りを静めるために、土曜日はリハビリが必要であった。

もともとはオケで次に弾くショスタコのFestive OvertureとPf協奏曲第2番のCDを買いに行くつもりだったのだが、欲しいと思った盤がなく、ああ、そういえばティル・フェルナーが「インヴェンションとシンフォニア」のCDを出していたなぁ、とBachコーナーに向かった。

バッハ:インヴェンションとシンフォニア、フランス組曲第5番

バッハ:インヴェンションとシンフォニア、フランス組曲第5番
価格:¥ 2,800(税込)
発売日:2009-04-22

あった、あった。と、その上に、

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
価格:¥ 3,780(税込)
発売日:2009-02-18

ゴルトベルク以来、ずっと気になっているマルティン・シュタットフェルトの平均律!

勿論両者を購入(+グスタボのDVD)、Wigmore Hallでの演奏会から帰宅するや否や、聴いてみた。

ティル・フェルナーのインヴェンションは想像した通りであった。彼らしい、とても端正で上品な演奏。

しかし、何より惹かれてしまったのはシュタットフェルトであった。ゴルトベルクの時も、グールドが刷り込まれていて、それまで他の誰の演奏も楽しめなかったのに、シュタットフェルトは何度も聴き返した。この平均律は、個人的にはグールドの演奏以上に惹かれるものを感じる。聴き始めてすぐに、ImpressionというかInspirationというか、自分の感性が「ここには何かがある」と、そう言った。ティル・フェルナーのような上品さには憧れるが、シュタットフェルトのダイナミックさが自分のもつもの(私は単に大雑把でがさつなのだが)と共鳴するのかもしれない。

ロンドンは今朝も曇っている。週末の悪天は通常気が滅入るものだが、H.R.HigginsのBlue MountainとMaison du ChocolatのBacchusを供としたシュタットフェルトのバッハ平均律にはこのお天気が似合う(負け惜しみではない!!)。この上質な時間のおかげで、金曜日の悪夢も忘れられそうだ。

来週の土曜日Baden-BadenでラフマニノフのPf協奏曲を弾くシュタットフェルト-ああ、危険な予感再び-結局少しも懲りていない私である。