「2目と見られない。
とても同じ人間とは思えないし、人類じゃないだろコラ!
みたいなブスってたまにいるよな。
なのに、あまりにもブスなので目が離せない。
亡くなった漫画家の『山田花子』の描くブスみたいな、誰が見ても真性のブス。そんなブスっているよな?」
「う、うんー」
「でも、ブスって何だ?
ブスなんて、ただの概念のはずじゃん。
もし美人が存在しなかったら、ブスと呼ばれる人間もいない」
「そうかもね」
「体重が120キロあればデブと呼ばれる。
でも、もし、この世に体重が120キロ以下の人間が1人もいなかったなら標準体重以下かもしんない」
「まぁね」
「どんなにブスでもマンコがついてるし、脳もある。
どんなブスだって女であり心があるのだ。
見たとたんにゲロ吐くようなブスでも、女で人間だ。
ブスだって、ブスにしてみりゃブスを中心にして地球は回るのだ。
救いようもないブスは確かにいる。
だが、ブスをブスと確定するのは常に他者だ。本人は多少容姿は人より劣るかもと思いつつも、自分を自分でブスとは断定できない。
本当のブスなんていない。
よってたかってまわりが、こいつは容姿が標準以下なのでブスと決めつけているだけだ。
だが、人は簡単に『本当のブス』と言う。何故だろう?」
「わかりません」
「なら、『本当のブス』がいるなら、『偽のブス』もいるはずだよな。『偽のブス』ってなんだろう?」
「本当のブスの反対、美人の事かな?」
「ちょい待ち。本当に『偽のブス』は『美人』の事なのか?」