「新聞の勧誘だったよ。お父さんもお母さんも今いませんって断った」
居間に戻ると死神は手持ち無沙汰で少し困ったような顔をしていた。
私が戻ると、嬉しそうな口調で話しだした。
「それでだ、とうとう本題に入る。愛の否定だ!
これは俺にしか出来ない、俺のライフワークであり・・・」
ピンポーン!!
「はーい!」
今度こそ冷やし中華だ!
「新聞の勧誘だったよ。お父さんもお母さんも今いませんって断った」
居間に戻ると死神は手持ち無沙汰で少し困ったような顔をしていた。
私が戻ると、嬉しそうな口調で話しだした。
「それでだ、とうとう本題に入る。愛の否定だ!
これは俺にしか出来ない、俺のライフワークであり・・・」
ピンポーン!!
「はーい!」
今度こそ冷やし中華だ!
「目に見えないモノや、手で触れないモノの真偽を問題にしても無意味だ。そういうモノは嘘とも本当とも証明できない。
他人の気持ちもその1つで、本人以外には嘘とも本当とも分からない。
では、概念はどうだろう?
やっと、本題にたどりついたが、例えば『愛』と言う概念は目に見えたり、手で触れたり出来るだろうか!」
ピンポーン!!
突然チャイムが鳴った。
誰か来たようだ。
冷やし中華かも!!
「はーい!」
私はあわてて玄関に走る。
「えーと・・」
「この世には、本当に二目と見られないブスがいる。
次に見たら目がつぶれそうと思いながらも、どれだけブスだかしげしげと確認したいが為に目が離せない。そんなブス。
醜男も可哀想だが、男の価値は醜さだけではゆるがない。
その男が世界一の金持ちならマンコを開く女はいるかもしれない。
だが、ブスは女という存在そのものへの暗黙の否定者だ。
存在自体が普通の女には許せない。
男だって立つモノも立たない。
下手すると主婦にとっての売春婦以上に、女という存在をおびやかす存在だ。こんなのが女である事自体が女には許せない存在であるかもしれない。こんな奴を女と認めたくない。
ブスは、自称『喪おとこ』より何倍も劣る人間だ。
真性のブスはマジでそのように取り扱われている。
と、仮定しよう。
なら、ブスは嘘の女だろうか?
本当の女ではないのだろうか?
いいや、女に嘘も本当もないだろう。
チチやマンコがついてるのがその証拠だ。
嘘や本当なんて、どこにもないのかもしれない。
認められるか、認められないかの違いだ。
価値観は変えらえない。
ブスをブスと断定する価値観はなかなか変えらえない。
いや、変えたら、他人と意思が通じなくなる怖れもある。
ブスはブス。
桜はきれい。
それのどこが悪いのか?
どこも悪くない。
誰も責められない」