「別に、俺は男に媚びろって言っているワケではない。
つまんない価値観はつまんないからぶち壊せと推奨しているだけだ」
「おかしーよ!
絶対に死神の言う事はおかしい!
だって、明らかにブスっているじゃん!
誰がどう見てもブスとしか言いようもない女が!
なんで、そういう女がいるのにブスがあり得ないとか言うのさ!」
「我々がブスと呼ぶ女。
そんなブスな女が1人しかいない世界なら、ブスはいないだろう。
そのブスが女の基準となるからだ。
そのブスよりも容姿が上の女が現れてはじめてブスと呼ばれる。
人間は悲しいかな『同類』で潰しあう傾向がある。
他の女より美しくなりたいという心がブスを生む。
人より上に立ちたいという浅ましい欲望がブスを生むのだ。
男にとって、やらせてくれるブスは良いブスだ。
やらせてくれない美女の何倍も価値がある。
実際問題、男はチンコを挿入出来れば容姿はあんまり問題としない傾向がある。女と男では価値観が違うのだ。
歴史を振り返ると、常に価値は男がつくってきた。
根本的に男は責任がないから自分のやりたいようにやる。それが人類の価値になった。女はその価値にのってやってきた。
男は色んな価値をつくったけど、女はあまり実際に役立つような価値をつくれなかった。家という制度のもとで家事や育児などに従属させらえた結果だろう。
過去の女が唯一つくった価値は『女の価値』だけだ。女に上下があるという価値観は、女自身の手でつくられたのだ。自分を高く男に見せたいが為に、自分以下の女を軽んじて『ブス』と呼ぶ。
だが、恋した男にとって、恋した女は最高の女だ。
この世にブスなんていない。
恋した男なら、その相手がブスなわけないだろうと叫ぶだろう。
抱きしめられる自分にはない柔らかい体と、チンコを入れさせてくれるマンコさえあれば、どんなブスだって男にとっては美女となる。
この世にブスはいない!」
「まぁさ、死神の言う事は解るけど、なにも『本当のブス』の反対語である『偽物のブス』なんてあり得ない言葉を持ち出す事ないんじゃないのかな?」
「偽物のブスはあり得ないのか?」
「あり得ないよ。だって普通言わないよ。あきらかに変じゃん」
「じゃあ『本当のブス』って何だ?」
「本当にブスって事でしょ!」
「『偽のブス』がダメなら、『嘘のブス』なら存在するか?」
「それも言葉としてや可能性としてならあり得るけど、普通の言葉じゃない。普通は言わないよ」
「それはおかしくないか?
本当を語る以上は、本当でないモノが存在するはずだ。
そして、本当でないモノは『偽』とか『嘘』とか呼ばれるはずだ。
なら、『本当のブス』を語る以上は、『嘘のブス』や『偽のブス』がいて良いはずだ」
「死神の言う事はおかしーよ。ただの言葉遊びだ。みんなが『本当のブス』と言うなら本当にブスなんだよ!」
「俺がおかしいのだろうか?
言葉遊びをしているのは、『本当のブス』を語る世間の方なのではないか?
本当にブスってどういう状態だ?
誰もが『本当』と認めざる得ないほどの不細工なんてあり得るのか?
良く恋は盲目と言うが、ブスの瞳に恋した男の目に、世間の言う『本当のブス』は本当にブスに見えるだろうか?」
「何が言いたい?」
「本当のブスなど存在しない。
てか、ブスすらただの世間の価値基準でブスなんかそもそも存在しない!
男にとって、女はチンコが立つか立たないか、それだけだ!」