墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

平成マシンガンズを読んで 199

2006-12-23 18:39:43 | 

「俺の言っている事なんて全部が全部あったり前の事ばかりだ。
 そんなに変なへ理屈や、スゲー難しい事なんかまったく言ってないと思う。
 なんで、こんな恥ずかしくなるくらいに当たり前な事ばかりを言っているのか? わざわざそんな事ばかり偉そうに語っている自分が馬鹿みたいにさえ思えてくる。
 でも、そういう『当たり前』な事の積み重ねが『真実』なんだと俺は思う。人間の真実とは『深遠』でも『複雑』でも『闇』でもない。
 それこそ、もう中学生でも知ってるような、簡単で当たり前な前提の積み重ねこそが人間の真実だと思うのだ」

「死神。思うんだけど、冷やし中華が遅すぎると思わない?」

「まだ30分過ぎただけだろ。そんなに早く出前はとどかん。忘れた頃に冷やし中華はやってくるから忘れろ!」

「うん、、、」

「話を戻すと、目に見えないモノや触れないモノの『真偽』は簡単に証明できない。いや、できない可能性もある。
 数学は理路整然としている。実際には触れない数字や記号を用いてうまく証明を行なっている。
 だが、数式の間違いを数式で証明する事は出来ないとゲーデルという数学者は語っている。俺はゲーデルが何を言っているのかぜんぜん分かんねぇんだけど、気持ちだけはなんとなく分かる。
 数式がどんなに偉そうな顔をして正しい証明だといばっても、『1』が『1』であるという前提を数式では証明できない。それを前提として素直に認めない限り数式は成り立たない。まぁ、ゲーデルがそんな素朴な事を問題にしていたとは思えないが、数学で数学の間違いは正せないとゲーデルは言いたかったのだろう。
 そして、哲学者ウィトゲンシュタインは過去の哲学の問題をナンセンスであるという事を示そうとして、人間の限界を示してしまった。
 数学と哲学。
 学問の基礎であるような分野で、すでに学問は否定された。
 残るは応用だけであり、こうすればあぁなるという経験の積み重ねだけが科学の正体だ。
 こうすればあぁなる原因は誰にも説明できない。なっちゃうんだからなっちゃうのだ。なんでなるのかは説明できない」