特定非営利活動法人(NPO法人) こころとからだの総合教育 育夢学園
学童教育「はぐくむ」
“和顔(わげん)”
No.32
2009/4/23(木)
発行・文責 理事長 長坂徳久
【手のひら一つ分】
向山型算数というものがあります。
TOSS代表の向山洋一先生が確立された算数指導です。
教科書をきっちりとつかって、スモールステップでテンポ良く教えていくので、どの子もついていけます。
クラスの平均は90点を超えるという事例もたくさん紹介されています。
さて、その指導で「ノート指導」も重視されます。
筆算などで計算するときに、「となりの問題と指二本分あけなさい。」と指示されます。
このことでノートはきれいになります。
ノートがきれいになると算数はかしこくなります。
筆算などの「位取り」も間違わないからです。
ちなみに、「東大生のノートはみんな美しい」という本もベストセラーになっています。
さて、この指二本を活用してランドセルの置き方の指導をしました。
☆手のひら一つ分空けなさい。☆
子どもたちは
①自分が最初に置きたい。(一番はしに置きたい。)
②早く置きたい。
③荷物を取りにいくときも早く取りたい。
④他人のことを考えている余裕は1年生にはまだない。
だから、争って置くようになるし、ものを取りにいくので少し荒みます。
しかし、この「手のひら一つ分」の指導で、子どもたちの所作に余裕が出てきました。
不思議ですが、そのような空間がゆとりをつくるのです。
これが「間」です。
武道では「間合い」を大切にしますが、これは、単に距離のことではなく、時間でもあり、目には見えない空間でもあります。
いい「間」をつくれないと、それは「魔」につながります。
武道なら相手にやられます。
日頃の人間関係なら、ギクシャクします。
反対に、いい「間」をつくれると、それは「真」になります。
武道なら相手を制圧できます。(しかも傷つけずに)。
人間関係なら、いいものがつくれ、お互いに楽しくなります。
呼吸でも、吸気と呼気の「間」が大切です。これを「呼吸の間隙」といいます。