少林寺拳法
橋本西支部
道場通信ドリーム No.656
発行日 2009年11月26日(木)
発行・文責 長坂 徳久
【仙台での一風景より】
仙台へ少林寺拳法本部派遣講師で出張だった。(11/14~15)
昼休みに、跳び箱が跳べない希望者(.子どもたち)を指導した。
少林寺拳法の講習会では初の試みだろう。
自信があるから行った。
向山式跳び箱指導なら誰でも跳ばせられる。
わずかの時間内で次々に跳ばせていった。見ている人たちはびっくりしていた。
もともと跳べる女の子が、最初跳べなかった女の子に言っていた。
「あんな短い時間ですご〜い。」
最後の一人。右手と右足に、力が入らないとのこと。二年生男子。
向山A式を指導していると、ある男の一般拳士が
「この子は、右手と右足に力が入らないのです。」
と教えてくれた。
長坂「では、やめておきましょうか?無理させないほうがいいですか?」
男 「いえ、ぜひ、お願いします。」
長坂「わかりました。大丈夫です。」
途中で、その子も疲れてきた。
長坂「少し、休む?」
子ども「(言葉はないが首を横に振る)」
その瞬間に「絶対に跳ばせる!」と決意した。向山先生が著書の中で、「跳び箱を作ってでも跳ばせようと思った(文責 長坂)」ということが頭をよぎった。
足が悪いためか、「両足の踏切」がうまくできなかった。そんなとき長坂はいつも、跳び箱にまたがり、「先生の胸に飛び込んでおいで。」とやっている。飛びつかせて受け止める。
昼休みはラスト3分。跳べないで終わったらその子はさらに自信をなくすだろう。
そして・・・・その子は見事に跳べるようになった。
昼休みの終了ギリギリだった。
みんなが注目していた中で跳んだので、万感の拍手だった。
そこの支部長も、「おーおー!」とびっくりして喜んでいた。
ふとみると、さっきの男の一般拳士が泣いていた。
道衣の襟をみると、その男の子と同じ名前が刺繍されていた。
そう・・・お父さんだったのだ。
少しはお役に立てたようだ。