発行日 2006年5月1日(月) 発行・文責 長坂 徳久
【好きな言葉は?】
『週刊少年ジャンプ』というマンガがあります。ご存知だと思います。長坂が小学生の頃は「リングにかけろ」というマンガが大人気でした。
発売日は何曜日でしょうか。月曜日です。出版社はどこでしょうか。集英社です。創刊はいつでしょうか。昭和43年です。ここまでくればあなたはけっこう少年マンガ通です。
それでは、週刊の「少年ジャンプ」を一冊読むのに何分かかるでしょうか。小学高学年とします。35分~40分かかります。これがわかった方は、かなり子どもが見えているでしょう。では、次、少年ジャンプの編集のキーワードは何でしょうか? 言葉は三つです。
・「努力」
・「友情」
・「勝利」
これは雑誌を創刊するときに、全国の中学生に好きな言葉をひとつあげてもらいました。これらの言葉は、そのときのベストスリーです。ここから編集のキーワードが生まれたのです。そこで、編集者は漫画家には次のように頼むそうです。
「先生、マンガのキャラクターを何にするか、ストーリーをどう展開するかはお任せします。ただし、次のことは必ず守ってください。努力すればなんとかなる、友情は尊い、勝利は素晴らしい、というメッセージを青少年に送ってください。」だから、初期の本宮ひろ志の「男一匹ガキ大将」から「筋肉マン」そして「スラムダンク」に至るまで、キャラクターとストーリーの転換は異なるが読者に送るメッセージは同じです。
さて、ここ10年ほど前からその少年ジャンプの売れ行きが芳しくないそうです。それはなぜでしょうか? 人気のある連載マンガが終わったこともあります。名物編集長がやめたことも原因のひとつでしょう。しかし、次のようにいう、教育学者がいます。
『子どもたちには、「友情」「勝利」は今でも好きな言葉ですが、「努力」という言葉が嫌われ始めたのではないか。』 実際に、ある教育団体で、全国の子ども達に次のような調査をしました。
次の中で好きな言葉はどれか。「努力」「友情」「勝利」「このなかにない」「わからない」。
トップは友情で34%、次が勝利で26%、そして、努力は18%で三番目。友情のほぼ半分です。「この中に好きな言葉はない」は17%。わからないは5%でした。また、男女別に見ると「差が」はつきりでます。
(女子)友情→45% 努力→18% 勝利→16% このなかにない→16%
(男子)勝利→36% 友情→25% 努力→17% このなかにない→17%
友情がダントツの女子は別として、男子にとって「努力」は好きな言葉の一つから漏れ始めています。 長坂としては決して自分の教えている橋本西支部の拳士を見ていると、「努力」という概念や価値観が失われているとは感じていません。それは、目の前に努力すれば達成できる昇級試験や大会があるからでしょうか。今日の稽古で、子ども達にこの好きな言葉の調査をしてみようと思っています。
(ミニ情報)ドラゴン(小学茶帯拳士)や小学、中学団体では、「一人一役」ということをさせています。なにか自分が担当する「仕事」を持たせるのです。率先して返事をする「返事係り」や誰かがいいことをすると率先して拍手をする「拍手係り」など、なかなか効果的です。また詳しくは述べてみます。