久しぶりに、芥川龍之介の作品を読みました。
きっかけは、新聞のコラムに、受験のテキストにふさわしくない性的な表現が使われている
という問題について書いてあったのですが、そのコラムで私の目に入ったのは芥川龍之介の
「奉教人の死」という作品名だけでした。
1冊読み終わって、芥川がどれほどキリスト教について関心があり、深く調べ考えたかを
知ったことでした。
以前読んだカトリック関係の書物に、日本では信徒の数以上に、キリスト教的考えに
共観しているとか、心の中に持っている人の数の方が多いのではないか、
というようなことが書いてありました。
大正時代の作家がこれほど深くカトリックを研究していたということに、打ちのめされた気持ちです。
読書という分野だけでも、自分が知らないことはどれほどあるかと・・・。
好きな作品は
奉教人の死
おぎん
きりしとほろ上人伝 ( 子供のお話のようで )
報恩記
どれも芥川らしくシニカルで、怖かったです。
最後の解説を、小川国夫が書いていたのも味わい深かったです。
良い読書ができました。