ゆめひこう 

日々の思いを

舟越保武 随想

2015-09-11 15:16:51 | カトリック
舟越氏の作品がとてもよかったので、エッセイも読んでみました。

作品に対する思いと、日頃の暮らしの中の繊細さや優しさにあふれたエッセイでした。

石を彫るという頑丈な人が、心は少年のままのように思いました。

          

1980年代に新聞にかかれたものだそうです。

掌編ですが、一つひとつ味わって読みました。


腕組みの姿勢はいけない。人の前で腕を組むのは防御の姿勢に見える。
反抗の姿勢でもあり、時には邪心を隠す形にも見える。


手は、4本の詰めは上を向いているが、親指の爪は横を向いている。
それぞれの指の関節の長さの比例は、見事なリズムを持っている。
手の指の複雑微妙な構造が、人間の文化をここまで進めてきたのだろう。


「大きな時計も小さな時計、どっちも時間がおんなじだ」
気が沈んでどうしようもないときに、つまらない言葉が私を支えてくれる。



          

こちらは1982年出版で、病を得たのちのものでした。

私は舟越氏の像をずいぶん見ていると気が付きました。

秋田のマリア様を訪ねたときには、田沢湖の「たつ子の像」を見ました。

長崎の二十六聖人も見ています。

去年、島原を巡礼したときには、原の城も見ることができました。

そしてトラピスト修道院のマリア様と。


でも、舟越氏についてこれだけいろいろなことを知った今、

もう一度、すべてを尋ねてみたい思いに駆られています。