十字架というタイトルですが、キリスト教とは関係ありませんでした。
東野圭吾だから当然ですが・・・。
一気読みでした。
彼の本はいつも一気読みになります。
殺人者・被害者
それぞれの方向から、書かれていていました。
人間は誰でも罪を犯しながら生きている。
それが明るみに出ることが怖いと思いました。
他人事ではない・・・。
なんとかまっとうに生きようと努力しているのが、
弱い人間の精いっぱいの生き方ではないか。
「刑務所に入れられながら反省もしない人間など、いくらでもいます。
そんな人間が背負う十字架なんか、虚ろなものかもしれません。
でも、主人が背負ってきた十字架は決してそんなものじゃない。
重い重い、とても重い十字架です。」
夫は、21年間、罪の意識を持ちながら、懸命に償う生き方をしてきたと、
妻が言います。
赦しを与えられるのは神。
人は人を裁くことはできない。
登場人物は律法のもとに罪を明るみに出して裁こうとしている。
傲慢に思える。
でも、殺人の被害者や、殺人を犯してしまったものの身内ンあっていないと、
発言する権利はないようにも思いました。