木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

半田市

2013-06-30 23:54:19 | タイムマシン
昨日一瞬、だし丸君絡みで半田という地名が出た
長いこと忘れてたけど、それでふと思い出した

昔、名古屋には日進堂書店っていう名前の書店がいくつかあった
その本店が鶴舞公園の交差点近くにあり、小さいころから僕らの遊び場の一つだった
今はもうない
だが僕らが二十歳をちょっと過ぎた頃、この店は店舗拡大の真っ最中
書店にとっていい時代だったのかもしれない
僕はしょっちゅうこの店を覗いていた
僕だけじゃない、そういう人がたくさんいて店は隆盛を極めていたのだろう

ある日店を覗くと知らない女店員さんがいた
格段珍しいことではない
ベテランの店員さんがいて、新しい人がやってくる

店員さんは年上の人ばかりだったのに、年下らしい人を見るようになる
人間ならば当たり前の順送りがけっこう衝撃的に思えたこの頃

店員さんは買う時に対応してくれる人
その人とは初めてそれ以外のことを話した

すごい美人じゃないけど、優しそうな大人しそうな人だった
坂本っていう胸に着けた名札
お金を払う時に一言かけた言葉。。。なんだったか覚えてはいないけど、彼女のポートレートが僕のメモリーに納まった
本屋さんに行くのに、違う楽しみが出来た
何ともないような顔をして彼女を探す
いるのがわかってもうれしい顔はしない
何気ない顔で、ただ本を探してるふりをした
僕に気付くと、ちょっとだけ目を留めてくれるような・・・

本の話をするついでに何処から通ってるのかを聞くのに成功した
「半田です」


相変わらず、あなたには興味があるのかないのかはっきりしない僕は
あなたがこの店を辞めることを知る
いや、辞めたことを知った

車という新しい足を手に入れて、時々海へ行くふりをしながら半田の駅前にそれを滑らせた
勿論彼女の姿なんか見えやしない
それでもいい
君がいる街を感じる
君を撫でた風を感じる
それだけで幸せではないけど心が落ち着く

好きだったのかなぁ~~~



日進堂書店は名古屋一の繁華街、栄地下にいくつか店を出した
僕は毎週水曜日、文化センターで茶道を習っていた
そこを歩く
その店を覗く




 「あっ・・・・」 



コメント (4)
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