ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

ロボジー

2012-02-04 21:03:24 | 映画

寒いですね。でも日中は、なんとなく春の気配を感じるようになってきました。

春の頼りは梅の花。先週はまだこんな感じ。

002

ギザギザの月が撮れました。

013

さて、今日。昼間に月が出てたんで撮影したら、偶然飛行機が飛んでいました。

024

初梅が咲いてました。二輪だけ。元気な奴です。

030

月と梅。

033

来週にはもっと咲いているでしょう。

039

蝋梅でございます。こちらは満開。

041

蝋梅の薫りが大好きです。蝋梅には匂い溜りがあります。不思議なことに近づいても匂わないんですね。ところが100mほど離れたところに匂い溜りがあったりして。そんな場所をみつけると嬉しくなり、しばらく離れ難くなります。

046

ロボジーを観ました。矢口史靖監督の待望の新作。自分が大好きな邦画のひとつが「スウィングガールズ」です。以来、矢口監督のファンです。

いやあ、後からじわーとくる作品ですね。観終わった直後は「期待したほどでも」と感じたんですけど、やっぱり監督らしい、楽しい作品でした。監督の作品は終わり方がいいんです。ほんのりとしたハッピーエンド。映画館を笑顔で出られるんです。だけど一方で、始まり方はのんびりしてる。ロボジーものんびり始まったので、あれ?期待したほど面白くないかなと思うんだけど、最後まで観て、それからじっくり振り返ってみたら、やっぱり面白いんです。考えてみれば、「ウォーターボーイズ」も「スウィングガールズ」も「ハッピーフライト」もそんな感じでした。監督の作品にはこれからも、こんな面白さの振幅を期待したいと思います。

社長の思いつきで、木村電器のロボット工学は素人の三人組が、一回動けばいいという約束でロボットを作ることになりました。ところが、ようやく動くところまでこぎつけたロボット「ニュー潮風」が壊れちゃいます。お披露目が間近にせまって、追い詰められた三人は、なかに人を入れた着ぐるみで乗り切ろうとオーディションをします。選ばれたのが、鈴木重光。73歳。お披露目となった博覧会でニュー潮風は、踊りを疲労したうえ人助けまでして、一気に人気者になっちゃいます。一回だけという約束が、人気が出ちゃったもんだから二回、三回と重なり、三人は嘘をついてたと言い出しづらい状況になってしまいました。おまけにニュー潮風が助けた女の子がロボット工学を学ぶ大学4回生で、すっかりニュー潮風のとりこになり、木村電器に入社してニュー潮風開発をやりたいと言い出すようになってしまいました。どうなる? ニュー潮風と木村電器トリオ。

矢口作品は、架空の土地が舞台になることがあります。スウィングガールズの米山市もそうでしたね。おまけに米山弁って方言まで創作したりして。ロボジーも設定は架空の街だと思います。北九州市門司港が主なロケ地ですけど、車のナンバープレートは「北九州」ではなかったです。「*中」と読めたんですけど、はっきりわかんなかったです。門司港駅や三井倶楽部が映るシーンが多いです。門司はレトロの街。行ってみたくなりました。ロボジーが初めて披露されるシーンは北九州メディアドーム。ロボジーが孫達のためにサインをあげようと呼び出していたリバーウォーク北九州。コスプレ大会もやってました。行方不明のロボジーを木村電器トリオが探していた海峡プラザ小倉城が佐々木葉子が就活をしていたビルに写っていました。

ロボジーの動きを見てると、そういえばアシモとか二足歩行ロボっての動きって、お年寄りが小走りしてるみたいですね。原点はそういう発想なのかな。

矢口作品の楽しみは、「一般のひとが楽しめる」おたくっぽさです。スウィングガールズでジャズに興味を持ったひとや、ハッピーフライトでキャリアに入りたいと思ったひともいると思いますけど、おたく独特の排他性をなくし、魅力だけ凝縮させた感じ。ロボジーでも、ロボット工学の魅力を存分に見せてくれます。この作品をみてロボットを作りたいと思った子供もいるんじゃないでしょうか。そういう意味でも、矢口作品の持つ意義は大きいと思います。

主役鈴木重光は、ミッキー・カーチス。ヒーローに憧れヒーローに慣れないじいちゃんを好演してます。なにより、ミッキーさんが歌う主題歌「Mr.ROBOT」が凄い!。なにしろ凄い!!。オリジナルのStyxではないなとすぐ気づいたんですけど、てっきり外国人の、それももっと若い人が歌ってるのかと思いました。それほど力強い歌声です。ドモアリガット Mr.ROBOT マタアゥヒマデー♪。

佐々木葉子さんは吉高由里子。もう、吉高さんのイメージピッタリの役です。可愛いのにかなり変な女の子なんだけど、「こいつ実は頭いいんじゃないか?」って思わせる雰囲気。ロボジーにぞっこんのシーンもいいんですけど、憎さ百倍でキレたシーンの演技も最高。

木村電器トリオは、濱田岳、川合正悟、川島潤哉。絵に書いたような凸凹トリオです。

矢口監督はキャスト全員がオーディションするんだそうですけど、それでもお馴染みの俳優さんが登場します。田辺誠一、田畑智子、竹中直人。小野武彦も矢口作品の登場人物っぽくってよかったです。

なにしろラストがいいです。予想通りのお約束な終わり方なんですけど、それがいいんです。ほっこりさせてくれます。

老若男女誰でも楽しめると思います。ハッピーフライトのような派手さはないですが、ある意味ウォーターボーイズやスウィングガールズの原点に戻ったようです。矢口作品らしく、回を重ねる度に面白さが増す作品かもしれません。オススメです。