ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2016J1リーグ1stステージ第10節FC東京vsサンフレッチェ広島@味スタ20160615

2016-06-16 22:06:10 | FC東京

梅雨でジメジメしてるのに雨が少ないと言われても実感ないけど、水不足は心配ですね。

ACLのお駄賃で東京は5連戦のどMスケジュールです。ミッドウィークは参戦できないので、テレビ観戦記で失礼します。

本日の相手は、チャンピオン広島でございます。今年は主力の移籍が少なかったので、ハングリーなモチベーションが上がらないのかモヤモヤした成績です。まぁでも去年もそうだったしなぁ。

サッカーの醍醐味が凝縮されたような松花堂弁当級の好試合でしたけど、残念ながら勝利には及ばず。

東京は徳永が不在。そしてついにあの男がスターターで登場です。それに合わせてシフトをひさしぶりに4-4-2に変更です。秀人復帰依頼初めての4-4-2。GKは秋元。CBはモリゲとまる。SBは右に拳人左に諒也。ボランチは秀人とヨネ。メイヤは右に慶悟左に羽生。2トップは遼一とムリキです。

広島も水本が不在です。シフトはおなじみ3-4-2-1。GKは卓人。3CBは右から塩谷、千葉、宮原。ボランチは青山とカズ。WBは右に柏左に航平。2シャドウは右に宮吉左に晃誠。1トップは現在ピチーチのピーター・ウタカです。

広島との対戦は楽しみです。もはや、かなりお互いに知り尽くしてるので、近所のおっちゃん同士の夕べの将棋みたいに味わいがあります。

東京は広島に対して相性がいい印象があります。たしかにカズのデビューマッチのようなけちょんけちょんな試合もあるのだけど、ポポさん→フィッカデンティさんとミシャ→ポイチさんの流れになってからは、チャンピオンチームと対戦しているのがちょっと信じられないくらい、東京がイニシアチブを握ることが多いような気がします。

とくにポイチさんになってからは、攻撃がシンプルになっていて、人の技術に依存する度合いが少なくなっている印象です。毎年のように主力がいなくなり、新しい選手を組み合わせるチャレンジを強いられるにも関わらず成績を安定させられるのは、新加入選手にも分かり易いサッカーだからだろうと思っています。

とはいえ、広島のサッカーの核心は実はポイチ体制になってからほとんど変わっていません。カズ、千葉、青山のボトムスリーと塩谷、水本がしっかり名を連ねさえすれば、少なくとも勝ち点1は計算し易いですし、前がなんかの弾みに得点すれば1-0で勝っちゃえるのです。

なので、広島のサッカーは正三角形でお尻が重い、ペロリンみたいな体型をベースとしたショートカウンター基調で、そしてシュートが積極的なイメージです。

広島の重心は、なので後方にあるのは間違いないと思います。でもストロングポイントはサイドに置いています。WBを最前線まで上げることで、シフトによって自然にイニシアチブを引き寄せます。でも、肝心のWBが個の突破力とクロス精度を持っていないと、脅威にまではなり得ません。最近の広島の成績がモヤモヤしているのは、ミキッチと柏が揃わないせいなんじゃないかと思っていました。

でもどうやらそれだけではないようです。広島のサイドアタックを有効にするのは、前線中央に並ぶ三人のアタッカーです。この三人の動きはシンプルで、ポジションを左右に入れ替えることはほとんどありません。各自は上下に動きます。ただし、三人の動きが被らない連携の工夫があって、そのことがバイタルエリア中央に基点を作る原動力になっているのだと思います。

ただし、トップの選手だけはさにあらずです。広島の1トップは自由を与えられているようで、案外そうではないのかもしれません。シャドウの動きがシンプルなのは、トップが複雑で細やかな動き直しで最終ラインを撹乱しているから、なのかもしれません。つまり、広島の攻撃は、知らず知らず寿人を前提に組み立てられたもののような気がします。

ウタカは現在ピチーチですけど、ポイチさんの構想では、ドゥグラスと同じ右シャドウだったと記憶しています。ウタカ自身が言っていましたけど、シャドウは経験がなく、とても難しいと感じていたようです。動きがシンプルに見えるのは、晃誠、ドゥグラス、洋次郎、石原など、歴代のシャドウのサッカー知識と表現力の高さゆえだったのかもしれません。

今日のウタカはシュートがたぶん0だったので確かめられなかったのですけど、今年の映像を見る限りは個の力量を示すゴラッソが多いような気がします。つまり、広島のトップとして相対的にフィットしているからゴールしているんじゃなくて、ウタカがJリーグにはまったから、なんじゃないかと思います。

一方東京は、ポポさん時代は単に強烈なライバル心が導いた結果だから特例とすると、近年は守備重視になってきています。それも中央を2+3で固める守りかたです。もしかするとこれが、広島との相性の良さを生んでるのかもしれません。シャドウが動くエリアをCBとIHでケアし、中央にアンカーが余るかたちが、広島のアタッカーの前後左右のコンビネーションを遮断してきたのだと思います。

さて、今日は広島を受けることではなく、ムリキ推しをフィーチャーして臨みましたので、中央はボックス型です。中盤中央のシャドウのケアが十分できるのか、ちょっと心配でした。

そして、完璧に杞憂でした。東京は、とくに前半は、中盤中央の守備が完璧でした。広島が宮吉と晃誠に当てようとするポストを狙い、そのほとんどをインターセプトしていました。これはもちろん東京のゾーンが、シャドウへのパスをホステピタルなものに誘引する前線とサイドの守備のアプローチを含めて、距離感とタイミングが完璧だったためなのですけど、広島側にも理由があります。

それはシャドウの動きです。去年からシャドウの位置が見え易くなっているのが気になってました。これでは相手に身を晒してるようなもので、恰好のターゲットになるだろうなと思っていました。実際東京との試合では、すでに昨年から東京が中盤を支配していました。今日は、それがいっそう顕著になっていました。晃誠はまだしも、宮吉はほとんど動きません。まるで飢えた人にその身を与えるアンパンマンのようでした。ヤットや俊輔や堅剛クラスのキープ力があるならともかく、現状ではポジションを見つける動きをしないとキビシイでしょう。

そんなわけで、広島の攻撃はサイドに偏ります。はじめは左右バランス良くさばいていたのですけど、航平に対し拳人が1on1をパーフェクトに征し、左サイドも沈黙します。こうして広島の光明は、柏だけになります。

それでも、柏を走らせる千葉やカズからの一発で、アタッキングサードで柏を十分脅威足らしめるわけですから、やっぱりチャンピオンチームは懐が深いですね。

さて、広島を止めることに成功した東京の攻撃面の狙いですけど、守攻が連動した効率的な攻撃を志向していました。中盤で面白いようにトランジションできていたので、そのままの流れで一気にショートカウンターを狙います。

広島の誇る堅い守備網が整う前に縦を狙いますから、バイタルエリアでのポストも安定します。序盤はムリキにパスを集めます。ムリキをフィットさせる狙いもあったのだと思います。ムリキは序盤にシュートが打てていたので、ずいぶん時がかかってるけどコンディションが上がってきているのでしょう。間違いでもなんでも一本入ったらフィットすると思うのだけど。毎回言ってるけど(^^;;。

ただ、前半の東京はアタッキングサード止まりで、なかなか有効なシュートが打てません。もちろんシュート数は前半1、2本の広島を凌駕していましたけど、肝心なところでのトラップミスが重なり、シュートのかたちまで持ち込めなかったシーンが重なりました。決定力というか、向上すべきは、ゴール前での止める蹴るの基本技術なんじゃないかと思います。

ひさしぶりにチャンスが回ってきた諒也でしたけど、試合に出ない間にまたリズムを忘れちゃったようです。あまりにも東京の守備から攻撃へのアプローチが良かったので、諒也のところでスタックするシーンが目立ってしまったのかもしれません。ミスはどんどんしていいのだけど、チャンスメークのシーンで足を止めてしまう消極な癖は改善して欲しいです。ただ、今日は柏のケアに神経を使ったかもしれません。もしかしたらバランスを言われていたのかも。結局最終的には柏の積極性までも奪えていたから、粘り強さは発揮できていたのではないかと思います。

前半は東京が完全にイニシアチブを握りましたけどゴールに届かず、スコアレスのまま終了。

後半頭からポイチさんが動きます。宮吉に代えてジャガーを同じく右シャドウに投入します。これで広島の前線に動きの工夫が出てきました。ジャガーが例によって積極的に縦を狙います。でもこれも、まるがしっかりケアできていました。ポイチさんの仕掛けは、流れのなかでは東京の安定感を覆すには至りません。

さて、そこでヒロシが動きます。慶悟に代えて広貴を同じく右メイヤに投入します。これが奏功します。今日の広貴はいつにも増してキレていました。ボールを持てますし、周囲とのコンビネーションのイメージも豊富で、広貴がリードアウトしてチームを引っ張り、東京の攻撃が活性化します。さらに広貴は、左からダイアゴナルにゴール前に顔を出す宏太のような動きも織り交ぜていました。ヒロシはあえて広貴を後半からのリズムメイカーと位置付けているのかもしれませんね。広島にジャガーがいるなら東京に広貴あり。吉本新喜劇のように、東京サポが広貴が出てきたらですよねとなり、相手はわかっていても止められない、そんな選手になる日も近いかもしれません。

ヒロシがたたみかけます。ムリキに代えてバーンズを同じくトップに投入します。これはムリキのコンディションを考慮したのでしょうけど、バーンズにショートカウンターでのドリブルを基調とした仕掛けを期待したのだと思います。

これはもう、ここまでパーフェクトな試合なんだから勝つしかないでしょ、なーんて思っていたら、サッカーの神様は「まだまだ楽しませてあげるよ」とばかりにイタズラをしかけます。

66分。千葉の自陣からのロングフィードを晃誠がフリック。ウタカがこれを追ってペナルティエリア左際で拾います。一気にショートカウンターモードです。拳人がウタカをケア。まるがフォローします。広島は中央にジャガー、左ライン際から航平が走り込んでいます。ジャガーは諒也がケア、航平はフリーです。キープしたウタカは、一度左過重を見せてから右により、右足で大きく前方に蹴り出します。このフェイクで拳人がはがれます。まるが追いますけど、それよりはやく、ウタカは振り向きざまにクロスを送ります。この時ゴール前は、諒也の前にジャガーが入っていました。この時点でジャガーの勝ち。ウタカがクロスを送った時点でボールより後ろにいたジャガーは、クロスを右足アウトサイドで流し込みます。東京0-1広島。

これが広島なんでしょうねぇ。この一発で勝っちゃったら、結果がすべてに優先される世界ですから、万事OKとなるわけです。どうせ内容なんて忘れちゃうし。勝てるチームというのはこういうものなのかもしれません。でも、これじゃあイカンと思います。いつまでもこのサッカーをリーグNo.1にしていてはJリーグの名折れだと思います。

そんな想いがあったのか、東京が電光石火に追いつきます。

69分。広貴の右CK。クリアボールを羽生が拾い、ライン際を下がってきた広貴にパス。広貴は中央のモリゲに渡します。モリゲは大外にいた秀人に回します。秀人は大きくトラップしてルックアップ。ファアサイドめがけて大きく蹴り込みます。そこに、パス&ゴーで上がっていた広貴がいました。この時ゴール前は、CK崩れで中央にバーンズ、拳人、遼一が残っています。広島も千葉、宮原、塩谷、航平がいて、3on4。秀人のクロスは晃誠がケアしますけど、その頭を越えて広貴に届きます。広貴はルックアップ。ゴール前は、守備陣がボールウォッチャーになっていて、真正面で拳人と遼一がどフリーです。広貴は右足でシュート気味の強目のクロスを送ります。これに拳人が倒れ込みながら右足で合わせました。東京1-1広島。

これでもう、おそらく広島の勝ち味はなくなったと思います。あとは勝つのみ。そして試合はオープンファイトな展開に向かいます。おそらく現地はめっちゃ楽しかったでしょうね。あのオープンファイトのワクワク感は画面では伝わらないので、ぜひスタジアムで体感して欲しいと思います。

広島は、ウタカ大作戦を仕掛けます。ジャガーを入れてもシャドウが機能しきれないので、ウタカを中盤まで下がらせ基点とし、シャドウが前線に飛び出すかたちをとります。東京はこれを捕まえきれません。いっとき守備のバランスが崩れかけます。オープンファイトになった理由のひとつはここにもあります。

でもそれもそれほど長くはかかりませんでした。ウタカの動きをとくにヨネがタイトにサーチして、自由を奪います。これでふたたび中盤に安定感が戻ります。いったんオープンファイトに入ると、東京の伝統もあって収束することは滅多にないのですけど、今日はそれほど広島の攻撃を見切れていたのでしょう。返すがえすも勝ちたかったし、ジャガーのゴールは悔やまれます。

そしてヒロシが動きます。羽生に代えて宏太を右メイヤに投入します。広貴が左に回ります。宮原の背後を狙ったのだと思いますけど、この作戦が広貴の確変を止めることになってしまいます。

同時にポイチさんが動きます。航平に代えて高橋を同じく左WBに投入します。リズムを変えたかったのだと思いますけど、結局高橋は航平以上のリズムを生み出せません。

広貴が確変している間に得点したかったですね。むしろゴールが遠くなってしまった印象です。この辺りは、枯れてきつつはあるとは言え、さすがにチャンピオンチームです。最悪と言っていい内容でも、最低限の結果をきっちり残してきます。まったく感服に耐えません。すごい!。このまま試合終了。東京1-1広島。

いやぁ、勝ちたかった。現地の皆さんは、楽しかった気持ちと悔しさが一緒になった、なんとも妙な心持ちで味スタを後にされたでしょうね。広島との対戦だからこそ成り立つ、高次元な仕掛け合いは、これこそサッカーの醍醐味という魅力に溢れていました。サッカーの神様のイタズラ心から、完全劣勢の広島がワンチャンスをものにする、これまたサッカーならではのおつまみもつきました。余計だけどね(^^;;。

あえてキビシク観ると、それでも勝ち切れなかったし、再三のチャンスも自らのミスで逃していました。シュートまでのアプローチは出来てきているので、確実性を高めていって欲しいです。このまま順調に進化すれば、2ndが楽しみでなりません。

怒涛の5連戦は残り三つ。東京にとっては、間をおかずすぐに始まる2ndステージに向けた良いスパーリングだと思います。いろいろ試して、良い感触を掴んで欲しいと思います。


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