ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第30節FC東京vsセレッソ大阪@味スタ20181020

2018-10-21 15:40:12 | FC東京

いつの間にか季節は秋が深まってまいりました。

国際マッチデーなどがあって、スポーツの秋だというのに10月になってはじめての観戦です。もっとも、例年と違って天候が安定しない10月ですから、秋というよりか一気に晩秋の風情です。

3試合目となる20周年記念ユニも今日が最後。20周年記念試合と同じく冷たい雨模様になりました。迎えますはセレッソ。You'll Never Walk Alone♪

洗練された闘いかたでイニシアチブを握るも、いろんな不運にやられてしまいました。

東京はヒョンスがサスペンションです。シフトはダイヤモンド型の4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲと丹羽。SBは室屋と宏介。アンカーは拳人。メイヤは右に慶悟左に晃太郎。トップ下は洋次郎。2トップはディエゴと永井です。

3試合勝ちのないセレッソは布陣を入れ替えます。シフトはスクウェア型の4-4-2。GKはキム・ジンヒョン。CBはヨニッチと山下。SBは右に裕介左に丸橋。CMは蛍とソウザ。メイヤは右に宏太左にキヨ。2トップは健勇と曜一朗です。

前節アウェイ名古屋戦で9試合ぶりに勝った東京。ちゃんと観れてはいないので、今日やっと状態を確認できます。試合を通じた印象は、試合運びが洗練されたように感じます。夏以降の急下降では、試合ごとの変化を観てきたのですけど、それはあまり正しい見方ではなかったかもしれません。怪我や調子の理由で選手の入れ替えが試合ごとにあったことが、闘いかたのアジャストを反映しているように思えただけなんだろうと思います。

試合はセレッソのペースで入ります。セレッソは前線からプレスを仕掛けてきます。イニシアチブを握りにきたのだと思います。基本的な作戦では、ユンさん初年度の昨年はともかく、本来のセレッソはボールを保持できるチームですから、ハイプレスを基調としません。セレッソもまた、結果を出して不調から脱するために、やるべきことをやろうとしているのでしょう。

ハイプレスで東京を押し込むことで、セレッソにまず攻撃権が渡ります。セレッソの攻撃での基本プランは、ショートパスの連鎖で出来るスモールスペースを使うという、セレッソらしい高いスキルを根拠とした作戦です。なので選手それぞれに異なる役割が設定されています。流れのなかで役割が被らないような繊細な連動が求められます。その中心にいるのはキヨです。帰国以来、怪我やワールドカップなどがあり、なかなかコンディションが戻らなかったキヨですけど、今年ここにきて、ようやく海外に行く前のエースの姿に戻ってきているようです。

キヨは攻撃時に中央にズレます。これによってスクウェア型でありながらトップ下のポジションができます。キヨと、曜一朗とCMのどちらかが絡んで攻撃のリズムを生みだしています。キヨが開けた左サイドは、丸橋が使います。一方右サイドはアシンメトリーで、宏太がほぼはりついています。なので、右サイドを背骨として安定性を保ちながら、中央から左の流動が生み出すダイナミズムで小さなスペースギャップを作ろうというのが基本的な攻撃ポリシーだと思います。

めっちゃ簡単にいうとようするにポゼッションスタイルなのですけど、東京はこれに落ち着いて対処します。序盤こそ、セレッソに攻め込まれます。理由のひとつはハイプレスです。もうひとつは健勇です。セレッソの預け処はほぼ健勇です。序盤は、ハイプレスの効果があって健勇にポストがしっかり納まってました。これで全体の重心が上がりますから、セレッソは人数をかけた厚みのあるサイドアタックを展開できました。

東京はまず、4+4のラインを維持してしっかり受け止めます。そうしてセレッソに攻めさせているうちに、セレッソの攻撃のリズムを生み出すポイントを冷静につまびらかにしているようでした。次第に東京の重心が上がっていきます。

東京が抑えたのは、セレッソの要である二点。キヨと健勇です。健勇のポストは、抑えたというより結果論ですので、キヨへの対応の一点に注視したのだと思います。セレッソは連動性のある攻撃を展開しますけど、案外と連動の仕組みは複雑ではありません。リズムメイカーが複数いれば捉えることは難しいのですけど、ようするにキヨだけですから、キヨの動きをみればパターンを見極めることができるのだと思います。東京はキヨからのパスを狙います。これによってセレッソの攻撃リズムを遮断し、かつ攻撃権を奪い取ることに成功します。

攻撃ができるようになった東京が選んだ攻撃方法はいつも通り。永井をスペースに走らせる長いフィードで、局面を一気にアタッキングサードに持っていきます。アタッキングサードで基点を作りサイドを押し上げ、高い位置で室屋と宏介に渡します。序盤はそこからのアーリークロスでゴール前で勝負できる状況を作っていました。

こうしてチームの重心が上がることで、中盤の守備ももう一段階優位にすることができました。キヨのパスを狙うのではなく、中盤の基点そのものを狙った仕掛けができるようになります。いわゆるファストブレイクの起点です。ひさしぶりに拳人が中盤に君臨する姿をみることができました。

前節ひさしぶりにゴールを決めた永井はコンディションが戻ってきているようです。ディエゴとのコンビネーションも整理できているようで、今日は互いの意図がズレるフラストレーションはまったくありませんでした。永井がスペースを作って、ディエゴが局面で勝負する。テイストが異なるスピードスターが繰り出すアップビートが、東京が躍動感を取り戻す原動力になっています。

ファストブレイクの復活だけではありません。ここにきて新たなストロングポイントが生まれつつあるようです。それは室屋。室屋の攻撃エリアが以前より格段に拡がっています。ゴール前や中央で良いアクセントになってる選手がいるなぁと思ったら、気づけばそこに室屋でした。なのでフィニッシュに絡むシーンが増えています。これは、運動量が増えているとともに、攻撃に切り替えるタイミングがはやくなっていることが理由だと思います。スタンドから観ていて、動き出しがわかるSBは平凡な選手です。代表クラスに脱皮する選手には、観ていてストレスがありません。むしろぼくら観る側を牽引してくれさえします。ちょっと、かつて佑都がいたころを思い出しました。代表に呼ばれて、室屋はなにかを掴んだのかもしれません。

というわけで、攻撃権を取り戻してからイニシアチブを握り、試合をオーガナイズできる立場を能動的に手中にするチーム技術を東京は身につけることができています。もちろん相性がありますから、普遍的なクオリティに達しているかはまだわかりません。でも、かたちを披露できたことは現に間違いありません。今日は、健太東京が目指すサッカーをプレゼンしてもらったようなこころもちがしました。

結果、フィニッシュパターンも多彩になってます。足りないのは、ゴール前でギャップを作る精度です。アタッキングサードでビッグチャンスを作っても、フィニッシュが防がれる、あるいはフィニッシュに持ち込めないのは、フリーマンを生み出す状況を作れていないためです。これはアタッカーの技術的な問題なのか、攻撃のスピードがまだ足りないのか、連動性がまだ足りないのか、個々の選手の判断の問題か、はたまたシュートへの意欲不足なのか、理由はわかりません。いま言えることは、ここまでのシーズンを考えると、流れを絶やさないことだと思います。

課題は伸びしろとも言えます。今年はあと四試合になっちゃったけど、来年の成長に向けた足がかりをみせてほしいと思います。前半はスコアレスのまま終了。

後半は、前半の流れがさらに顕著になり、完全に東京がオーガナイズする展開になります。中盤の支配力はほぼパーフェクトで、セレッソは事実上なにもできず、サンドバック状態になります。かえす返す悔やまれるのは、誰もが思うことでしょうけど、圧倒しておきながらゴールできなかったことです。ゴールに迫り続ける姿はワクワク感を生み出しました。このワクワクを歓喜に変換するゴールをいっぱい観られることを、とにかく熱望します。

攻めきれないことを踏まえ、健太さんが動きます。永井に代えてリンスを同じくトップに投入します。もちろん仕上げを期待した作戦です。

今年やり残した最大の課題は、アタッカーのオプションです。ディエゴと永井の組み合わせは、二人とも個性的なあまり、代替のない不可逆的なコンビです。唯一リンスが現実的に有効な選択肢ですけど、圧倒的な説得力をもつには至ってません。今の東京が、選手のタレントを前面に押し出すスタイルですから代えがきかなくなるのは必然です。来年の話は鬼が笑うけど、もう少しコレクティブな部分もあるといいな思います。

健太さんが動きます。ディエゴに代えて遼一を同じくトップに投入します。遼一のコンディションの良さに期待した作戦だと思います。

この直後、不運が起こります。

84分。東京の攻撃を防いだ丸橋の大きなクリアから。これが健勇へのフィードとなります。丹羽との競合いに勝った健勇はポストを納め、右に展開します。カウンターが発動します。宏太はドリブルで持ち込み、アタッキングサードに入ります。東京はモリゲ、丹羽、拳人、室屋が戻ってラインを作ってます。打ち手のない宏太はとりあえずシュート。これはモリゲに当たって、イーブンボールが逆サイドに弾かれます。そこにフリーでいたのはキヨでした。キヨは躊躇なく右足を振り抜きました。東京0-1セレッソ。

セレッソのこの試合唯一の有効なカウンターがゴールになりました。不運です。と同時に、シュートすればなにかが起こるという、典型でした。攻め続けた東京に対する痛烈なアイロニーにもなりました。

東京もカウンターを繰り出すようになります。リンスの単独突破など、セレッソのゴールシーンよりもはるかにパワフルで、雰囲気があって有効なのですけど、まったく運がありませんでした。

最終盤にはいり、健太さんが動きます。宏介に代えて諒也を同じく左SBに投入します。キッカーのテイストを変えてみる意図だと思います。

ずっと静かだったユンさんがようやく動きます。宏太に代えてトシを同じく右メイヤに投入します。コンディションを意識した作戦でしょう。

さらにユンさんが動きます。ソウザに代えてオスマルを同じくCMに投入します。直前にソウザがいたんでいたので、コンディションを考慮したのだと思います。

このまま試合終了。東京0-1セレッソ。

武道でいう、試合に勝って勝負に負けた試合でした。内容はホントに良かったのですけど、様々な不可抗力の不運が重なり、勝ち点をロストしてしまいました。

それでもまだ三位。ACL出場権争いではトップに帰り咲きました。チーム状態は悪くないように見えます。とにかくゴールが決まってほしい。なんとかACL出場を勝ち取ってくれることを願います。

今年も残り四試合。秋の寂しさを感じますね。また二週間、ルヴァンカップ決勝ウィークをはさんで、次節はもう11月。


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