ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2017J1リーグ第8節アルビレックス新潟vsFC東京@ビッグスワン20170422

2017-04-26 21:55:12 | FC東京

桜が散ると、一気に春の花が咲き、若葉が初々しい爽やかな季節がやってきました。

札幌の直後なので新潟には参戦せず。大好きな新潟なのに残念で、ちょっとスケジュールを恨みますw。今年はテレビ観戦の感想は控えようと思っていますけど、文丈さんががんばっている新潟は特別。

内容は良くありませんでしたけど、それなりに試合を作り、終わってみれば完勝です。

東京は前節と同じ志向の編成に、復帰メンバーを加えます。シフトは4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲとまる。SBは徳永と宏介。ボランチは梶山と拳人。メイヤは右に広貴が復帰して左は慶悟。2トップは復帰した嘉人と遼一です。

新潟は前節今シーズン初勝利したときのメンバーを踏襲します。シフトは4-4-2。GKは大谷。CBはカンペーとソン・ジュフン。SBは右に貴章左に原。ボランチは小泉とロメロ・フランク。メイヤは右に大左にギュンギュン。2トップはチアゴ・ガリャルドとホニです。

今日の東京は、試合の入りかたが良くありませんでした。浦和戦のアグレッシブな入りとは真逆で、ふわっと、なんとなく受けの姿勢をとります。新潟がアグレッシブな守備で臨むので、本来の東京のかたちである、カウンタースタイルを志向したのだと思います。でもこれが裏目に出ます。

新潟は、前節ようやく今年の初勝利を上げました。負傷離脱もあるなか、コンペティティブに足る闘いかたを模索している段階だと思います。文丈さんが志向するオリジナルのスタイルは分からないけど、リアリスティックに、結果が出たかたちをまずはベースにしようというところだと思います。

新潟は、形成過程のチームの常套に準じるスタイルです。フォアチェックを基調として高い位置でトランジションを目指し、縦に急ぐサッカーを展開します。とくに守備では、中盤のタイトなコンタクトが信条です。東京のふわっとした入りかたに新潟の中盤の圧力がはまりました。新潟の守備網はとてもコンパクトです。4+4の2ラインが高い位置を保ちます。これにフォアチェックが加わりますから、中盤の選手が素早くチェックポイントにアプローチすることができます。このため、最終ラインで局面の勝負になることが少なく、守備網全体でコレクティブに臨むことができています。

現状の東京は中盤の構成力が課題です。中盤が前にチャレンジする状況を作ることができれば、多少パスミスがあったとしても攻撃がポジティブに機能します。逆に中盤の攻撃ルートを閉じられるととたんにコンサバティブになります。このネガティヴな状況はさらに、中盤での不用意なボールロストを誘引することになります。このリスクを避けるため、守備陣はじっくりとチャンスを伺うスタイルを志向するのだと思いますけど、このことが東京攻撃陣のフラストレーションの要因になっていると思います。

ただし、堅く守ってカウンターを狙うスタイルは、少なくともモリゲを中心としたチームである以上、主武器として据え続けるべきだと思います。なので、まずはコレクティブな守備を基軸にすべきだろうと思います。その意味で現状で気になる表面的な課題は、攻撃というよりかは前述の通り中盤の不用意なパスミスによるボールロストと、最終ラインのイージーミスでしょう。

新潟の攻撃は、チアゴとギュンギュンを打開の主戦としているようです。なので、左サイドアタックを基調としています。チアゴは最近あまり見かけない、なんでもできるアタッカーですね。足元の技術もありますし高さもあるのでポストも比較的安定しています。左足のセットプレーキッカーも担います。さらにロングスローも持っています。ただしシュート精度はそれほど高くありません。なので文丈さんはチアゴを、フィニッシャーというよりかは、どちらかというとチャンスメーカーとして使いたいのだろうと思います。新潟は頻繁にアタッキングサードに進入できていました。これは前線からの献身的な守備のがんばりはもとより、チアゴを中心とした基点の安定も貢献しています。さらに、多少無理な状況でもチャレンジでき、突破力のあるギュンギュンが左サイドにいますから、アタッキングサードのなかでもチャンスメークができていました。ただし、そこまで。

新潟のフィニッシュスタイルは、左で仕掛けて、ギュンギュンが独力でペナルティエリアを目指すか、中央のチアゴ、ニアにホニ、ダイアゴナルに入る大にクロスを合わせるかたちです。このかたちはできているのですけど、いかんせんフィニッシュに威力がありません。新潟の問題はこれに尽きると思います。ホントは、最前線に純粋なターゲットマンを置きたいのでしょう。現状では、新潟の編成はよく分かりませんけど、チアゴをアクセントマンとして使える布陣を目指せると良いと思います。

もうひとつの新潟の狙いはセットプレーです。左右に精度の高いフリーキッカーがいますので、供給力は高いです。ホニが執拗に前線でコンタクトを挑んでいたのはセットプレーを得るためだったと思います。計25本のFKはホニの成果。ただしエンターテイメント性はおおいに損なわれます。これはクラブにとってリスクテイクのような気もします。

というわけで、東京はまったくと言っていいほど攻撃のかたちを作れませんでした。でも、この絶対絶命の状況で救世主が復活します。

28分。嘉人が大に倒されて得た左FK。宏介のシュートは、壁の左際ギリギリを巻いてゴール左上隅ギリギリに吸い込まれました。スーペルゴラッソ。宏介の左足が復活しました。感覚が戻ったのか、今日は後半にも一本、大谷が反応できなかったシュートもありました。一度休んだのが良かったのかもしれません。宏介が武器として計算できるようになればカウンタースタイルの完成の目処も立つと思います。新潟0-1東京。

東京はリードしてからの闘いかたが課題です。リトリートモードに入ると受け身過多になり、そのこと自体は常套なのですけど、ボールを持たせつつペナルティエリアに入れさせない術がまだチームとして確立できていません。でも今日は入りが最悪だったので、それ以上悪くなりようがありませんでした。むしろ序盤から新潟の圧力をまともに受けることで耐性ができたような気がします。

新潟は頼みの綱のギュンギュンが次第に徳永に進路をはばまれるようになります。このためギュンギュンの単独突破は見られなくなります。それでも新潟には二の手があります。今度はギュンギュンを基点にして原が攻撃参加するようになり、中央にクロスを供給します。ただ攻撃のプロセスでチアゴが組み立てに絡みますから、ゴール前はホニと大が入ることになります。これでは高さと強さに欠けます。なので新潟の攻撃は、一撃で仕留める速さと鋭さが信条になると思います。新潟の左サイドを封じて、前半はリードのまま終了。

後半の開始は、前半とうってかわって、東京はとても良い入りかたをします。前半の反省からかアグレッシブな守備を見せます。これでボールの保持率が高まります。イニシアチブを取られると新潟は守備網のもろさを露見します。新潟の中盤はややボールにつき加減に守ります。このためポゼッションされると4+4のラインにギャップが生まれやすくなります。東京のアタッカーはここを狙います。バイタルエリアで基点が作れるようになりますので、フィニッシュまでもっていく攻撃ができるようになります。

でも、またも中盤の不用意なボールロストから新潟にイニシアチブを渡してしまいます。札幌戦でもありましたけど、良い闘いかたができる時間が長く続かないのも課題ですね。後半開始早々、我慢の時間が訪れます。

そこで篠田さんが動きます。梶山に代えて洋次郎を同じくボランチに投入します。パス回しを安定させる意図だと思います。それでもボールを持てないのでイニシアチブを取り戻すことができません。洋次郎は、どちらかというと中盤の守備を安定させる効果のほうが高かったと思います。

さらに篠田さんが続けます。広貴に代えて永井を同じく右メイヤに投入します。怪我明けの広貴のコンディションを考慮したのでしょう。加えて、カウンターの可能性に備えることも視野にあったと思います。

新潟の攻撃も、東京が守備を安定させることに重点を置いたため、アタッキングサードには入れてもペナルティエリアに進むことができなくなります。そこでホニの意図的にコンタクトを狙う抜け出しに可能性を見いだす比率が高まります。互いに縦に急ぐ展開になった矢先、追加点が生まれます。

69分。新潟の自陣のFKから。大谷のFKは空中戦を経て嘉人へ。嘉人がホールドしたボールは、洋次郎から宏介、まるを経由して彰洋に戻ります。彰洋はモリゲにパス。モリゲは右前方を狙ってフィード。このダイナミックな縦の応酬が試合を動かします。モリゲのフィードは原がクリア。このボールを拳人とロメロが競ります。ロメロが先にボールに触りますけど、弾いたボールは遼一に納まります。さあ、カウンターの発動です。一度納めた遼一は上がってくる嘉人に渡します。嘉人は流れのまま左にいる慶悟にパス。これを受けた慶悟は、さらに上がってくる宏介にパス。宏介はそのままダイレクトでマイナス気味に中央に折り返します。この思い切りが功を奏します。勢いを受け下がり続ける新潟守備網はマイナスのクロスに対応できません。宏介のパスを受けた拳人が放ったダイレクトの右足ボレーはゴール左に突き刺さりました。偶然の絶好カウンターですけど、遼一と嘉人が絡んだ良い攻撃だったと思います。やはりこの連携が再浮上の鍵のような気がします。新潟0-2東京。

文丈さんが動きます。チアゴに代えて達也を同じくトップに投入します。組み立て役を無くして大丈夫なのかと思いましたけど、チアゴのコンディションなのかもしれません。

文丈さんが続けます。ホニに代えて武蔵を同じくトップに投入します。同じくスピードで勝負するタイプですけど、高さが加わります。それに純粋アタッカーが前線に二人並ぶので、シンプルな攻撃に転じる期待があったのでしょう。ところが、前半から攻めていた新潟は、布陣をアジャストしても攻撃方法をアレンジできるわけではなく、それ以上シフトアップできません。

一方東京はしっかり守ってカウンターというかたちが、悪いなら悪いなりに試合中に作り上げられました。地味ではあるけど、結果的に勝ち点3をゲットした最大の要因でしょう。こういう試合を拾っていけるなら、再浮上もありえるかもしれません。そして、ラックにも助けられます。

82分。ジュフンに倒されて得た自身のPKを嘉人がきっちり決めました。新潟0-3東京。

文丈さんが最後のカードを切ります。ギュンギュンに代えて大野をCBに投入します。ジュフンがトップに入るパワープレーです。左メイヤには達也が回ります。ジュフンをターゲットに長いボールを入れ、フリックから抜け出す武蔵に預けるかたちを狙ったのだと思います。でもこれも不発。文丈新潟は少し綺麗に闘い過ぎているような気がします。アグレッシブに守るならマンマーク気味の仕組みにしたほうが良いでしょう。逆にコレクティブに守るならゾーンをしっかり維持することを優先すべきです。現状の闘いかたでは、ファーストディフェンスを交わされると巨大なリスクになりかねません。

篠田さんが〆にかかります。遼一に代えて拓馬を右メイヤに投入します。永井がトップに上がります。遼一のコンディションを考慮したのと、試合を安定させる作戦だと思います。

このまま試合終了。新潟0-3東京。

内容は必ずしもよく無かったけど、試合運びはそれなりに上手くいったと思います。良くない状況でも失点しないでいられたら、最低でも勝ち点1を獲得できるという、当たり前なセオリーを再認識しました。シュート数6本ととても少なかったけど、3ゴールと効率も良かったです。

結果もさることながら、今日は前線と守備陣のコンセンサスが保たれていたようで、安心しました。宏介同様、嘉人も一度外から東京を見たことが良かったのかもしれませんね。東京には東京の闘いかたが大前提としてありますから。

例年苦しむGWの連戦を迎えます。今年はミッドウィークにルヴァンカップが設定されてますから、主力を上手に休ませつつ、チーム全体のバイオリズムを上げていってほしいと思います。