新潟を朝出発しまして、磐越道を東へ。今回の東北の旅スタートの地、会津を通過しました。ここで一筆書きの旅はおしまいです。
二度目の磐越道を東へ。郡山JCから東北道を北上、仙台を通過してやって参りましたのは、石巻。
石巻市街地は2011年7月以来、3年ぶりです。北上川の河岸は、まだ所々に生々しい被害跡が残っています。
石巻にやってまいりましたのは、3年前に被災した石巻の象徴に来るため。
倒れたままの石碑。
被災以前の石巻を知らないので、ここに何があったのかはわかりません。
この建物は、3年前と変わらずにありました。
被災当時の状況です。
「輝く人」。神戸ビエンナーレにあったものが、石巻を応援するために移転されています。
特長的な宇宙船のような建物。
石ノ森萬画館です。
ロボコン。
透過できる人。
ライダーマンです。
時報。
震災当時は、入口の壁面に木の板が貼ってあって、復興を願う人たちのメッセージが貼られていました。
念願叶い、3年ぶりに入館です。
エントランスホールです。
石ノ森萬画館へ ようこそ!
大事なことです。ここは沿岸部ですから、来館時は、避難経路をしっかり確認しておきたいですね。
1階ホールに入ると、大きな壁画があります。
復活を待ってました!
1階ホールの風景。
展示コーナーにはスロープを上がって行きます。途中に休憩コーナーがあります。ベンチに先客がw。
館の女性スタッフさんは、全員、’60年代のアニメ化第一作の、ジョーのコスプレをされています。
映像コーナーの入口を抜け、さらに進みます。
スロープが石ノ森先生作品の紹介コーナーになっています。今日は「龍神沼」。先生自ら、漫画の書き方を解説されています。
その先に、先生の作品を一気に紹介するコーナーがあります。
右側に、キカイダーが変身するギミック。スロープには、いろんなギミックがありますから、楽しいです。探してみてください。
「佐武と市捕物控」のレリーフ。
作品はまだ続きます。
仮面ライダー。
キカイダーです。
展示コーナーに上がりますと、受付の右が特別展。左が常設展です。ただいまは、今年誕生50周年を迎えた先生のライフワーク、サイボーグ009ワールド展を開催しています。
スタッフさんはいらっしゃいますけど、自分で自由に観られます。特別展は、まずサイボーグ戦士とギルモア博士のプロフィールを紹介するコーナーから始まります。これが結構濃くて面白いです。ひとり一人のエピソードを漫画を交えて紹介してあります。10人分ありますから、じっくり見ていると、ここだけで結構時間がかかりますw。
サイボーグ009は、’64に週間少年キングで連載が始まりますけど、何ども中断します。発表する紙面を変えながら、先生が亡くなるまで続いたライフワークです。病床の先生が、最後に書きとめたかったのも009で、完結編のシナリオや、イメージデッサンを残されています。展示は、一定期間連載された時代ごとに区切って、その時代の代表的なエピソードを、象徴するページを交えて紹介してあります。
実は、先生の作品を漫画で読んだ記憶がありません。自分の世代だと、009のようなアニメか、仮面ライダー、キカイダー、ロボコンのような実写作品の原作者というイメージが強いです。 なので、ほぼ初めて先生の原画を拝見したのですけど、とても驚きました。アニメでは、わりと大雑把な絵の印象があるのですけど、原作は、とても絵が上手いです。
なかでも、おもわず魅入ってしまったのは、フランソワーズです。フランソワーズがバレエを踊るシーンを描かれているのですけど、女性特有の優雅と清楚とエロスを感じられるくらい、繊細な表現をされています。とくに凄いと思ったのは指先の描写です。実際に見ていただかないとわからないと思うのですけど、原作だと何巻になるのかな。必見です。
こどもの頃は、分かり易いジョーやアルベルト、グレート・ブリテンが好きだったのですけど、大人になるとジョーの内面、フランソワーズ、イワンに興味が移ります。009は世代を越えて共感できる、懐の深い作品ですね。展示は年代を追って進行しますから、漫画と並行して’60年代後期からアニメも紹介されています。初代(’66~)のオープニング、二代目(’79~)のオープニング、平成版の宣伝用CGが流れています。自分の世代は、やっぱり二代目です。懐かしいです。
先生がライフワークとして009に取り組まれるようになってから、いろんな誌面に009が登場します。少女漫画雑誌や、新聞にまで載っていてびっくりしました。病床で構想を練られていて、執筆はついに叶わなかった「Conclusion God's War」は、先生のシナリオに基づき後進に作品として発表され、ついに先生のライフワークは完結しました。
常設展では、009、仮面ライダー、キカイダー、シージェッター、ホテル、佐武と市捕物控の世界が立体で再現されています。
最上階では、原作を読むことができます。先生の作品以外の作品も読めますので、時間がいくらあっても足りないと思います。
外見では、建物はそれほど大きくないように思えるのですけど、内部は大きさを感じさせない充実ぶりで、時空を越えた不思議な気分にさせてくれます。石巻に訪れていただききっかけになると思います。とっても楽しいですので、ぜひお越しください。