アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

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ヴァリエーションの背景や物語…演出…♪

2023-10-06 09:26:06 | Weblog
今年のヴァリエーション講習会でマリさんが取り組んでいるのが『ジゼル』act.1のペザントの女性ヴァリエーション、ヒメさん『レ・シルフィード』のプレリュードに再挑戦
まずペザントの女性ヴァリエーション。
これは元々アダンによる原曲には入っていないブルグミュラー作曲によるもの、第1幕に『ジゼル』の原典とは無関係のディヴェルティスマンを挿入したためで、その後ディヴェルティスマンは省略されパ・ドゥ・ドゥの部分だけが残されました、そのパ・ドゥ・ドゥで踊られる女性ヴァリエーションです。
指導者によって考え方は種々様々ありますが、私はこのヴァリエーションの背景にあるブドウ収穫人たちが収獲を祝っているシーンから離れないように演出しています、ペザントの女性も収穫人の一人という位置づけです
例えば冒頭の
…→ピケ-アティチュード・デリエール・エファセ→…ピケ-アティチュード・デリエール・クロワゼ→…
ではエファセとクロワゼではアームスが微妙に変化します、その変化をどう解釈するかというようなことも大事にしたいんです。
単にア・ラ・スゴンドで手の平を上に向けてとか、ア・ラ・スゴンドのアロンジェでとか、それだけでは踊りにならないと考えていますし、踊る側の心も乗らないんんじゃないかと思います。
次にプレリュード。
ヒメさんにまず説明したのは、・シルフィード』は森に住む妖精と人間の男性との物語で、シルフィードには人間と同じように人格(妖格?)があるけど、・シルフィード』の方は森の“気”そのものでまさに“人ならぬもの”、だから二つはまったくの別物だということ。
そして『ラ』のほうはロマンティック・バレエでシルフィードと人間ジェームズの物語だから、当然ストーリーがありそれに即したそれぞれの感情の変化がある、一方『レ』はフォーキン作のシンフォニック・バレエだからストーリーはない。
ストーリーのない人ならぬものをどう表現するか、それはとても難しいことだけど、やはり世界観というのは大事だと思ってます、美しい月光に照らされた静かな森の中で……、そこにある音・色・気配・温度・etc.etc. 、いろいろなことを言葉にして伝えるようにしています。
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