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ジュエリーの歴史…♪

2016-07-17 10:50:24 | Weblog
文庫本のエンド台に積み上げられている新刊本のなかに印象的なカバーの1冊があった。
『ジュエリーの世界史』 山口遼著 新潮文庫
これまで宝飾品という類のものに縁がなかったし、さほど関心もなかった。
宝飾品とは何か、宝石とは何か。
それについて明確に認識したことはなかったなぁぁ。
著者によれば、
宝飾品=ジュエリー=宝石と貴金属を用いて作られ、直接または衣服につけて身体を飾るもの。
宝石=天然に産出する有機物または無機物の中で、人間が美しさを認めるもの。
貴金属=金・銀・プラチナ。
アクセサリー=使用素材限定を宝石と貴金属に限らないもの。
装身具=上記すべてを含む、もっとも広範囲の意味で身体装飾に用いる品物の総称。
だそうである。
なるほど…。
ってぇことは、私も装身具はもっているっていえるわけね
で…。
太古から近現代に至るまでの宝飾についての変遷が分かりやすく解説されている。
名高い宝石商や作者についての解説もあって面白い。
帝政ロシア末期の皇帝が所有した宝飾品とか、オスマン帝国末期のスルタンが所持していた財宝とか、そりゃぁ凄い。
興味深く最後まで読んだところで面白いことが述べられていた。
ジュエリーとは使って楽しむもので、―中略―使わないのならジュエリーを買う必要はありません。貸金庫やタンスの中にしまっておくのなら、金塊を買うことです。金塊はあなたを美しくすることはありませんが、将来値上がりするかもしれません。』
50年以上も宝石商として宝飾品に関わってきた著者の言葉は柔らかいが重みがあるな、と感じた。
でも、一番印象に残ったのは、一般的な宝飾品の歴史を持たないのが日本人だ、ということだった
装身具というと、首飾り、耳飾り、指輪、ブレスレット、アームレット、アンクレットなど。
古墳時代まではそれらの装身具を身に着けていたのに、飛鳥・奈良時代以降幕末にいたるまでの間、宝飾品の歴史が途絶えている、と。
え…
櫛・笄・簪、印籠・根付・羽織紐など装身具はいろいろあるでしょ
ん…
あぁ、そうか…、指輪やイヤリング、ネックレスは確かにないな
立兵庫に結い上げた髪を数多の櫛や笄で飾りたてた花魁も、指輪やイヤリングはしてないもんね。
櫛や笄、簪などには蒔絵や象嵌など素晴らしい技術を駆使したものが多々あるけれどねぇ。
着物や帯を金糸銀糸で縫い取りしたものは美しいけれども、縫い取りや刺繍の代わりにブローチをいっぱいくっつけて飾ってあったら…。
イヤじゃな…
着流しの男性が帯の代わりに宝飾品のバックル付きベルトをしたら…。
演歌歌手じゃあるめぇし…、イヤじゃな…
日本人の審美眼、それが向く方向が多民族とは違っていたってことでしょうね。
コメント
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