ものがたりは続く
明日の自分が
昨日に意味をあたえる
ちいさな出来事が
伏線になったり
一つの出会いが
主人公のゆきさきを変える
ものがたりは続く
うまれるまえから
なくなるあとまで
ものがたりは続く
ものがたりは続く
明日の自分が
昨日に意味をあたえる
ちいさな出来事が
伏線になったり
一つの出会いが
主人公のゆきさきを変える
ものがたりは続く
うまれるまえから
なくなるあとまで
ものがたりは続く
ひとつ 約束してね
いちばん つらい 夜は
なにか ひとつ 決めること
あした おいしいものを たべる
あした 楽しみにしてたテレビを みる
あした ともだちと おしゃべりする
あしたの 岸に つなげるために
なんでもいいから 約束ね
湖がひとつありました
一羽の鳥が飛んできて
ここに住もうと決めました
鳥がはこぶ木の実から
緑の木立ができました
ちいさな森ができたころ
動物たちも住みはじめ
夜にはいろんな音がして
湖に水を飲みにくる
はじめての顔がふえました
湖がひとつありました
湖をわたる風の道
森ができては樹がそだち
嵐で折れてまたのびて
月日とともに変わりゆく
一羽の鳥がきた日から
数えたことはないけれど
どれだけたったことだろう
おまえの羽がおとした綿毛
この水面でうけてから
どれだけたったことだろう
空みたいに
正直になればいい
大雨降らせて
雷ならして
ぴかぴか光って
きもちよければ
たちまち青空
一秒ごとに
たちまち変わる
空みたいに
正直になればいい
春の月は言いました
夢でみた景色は
幻ではありません
どうしたの
忘れたふりをするなんて
扉にはめた硝子の色も
扉のむこうの絨毯の模様も
知っているでしょう
湖を風がわたる波も
季節ごとに咲く花も
あなたは知っているのに
どうしたの
忘れたふりをするなんて
出発の鐘の音が
そろそろ聞こえてきたでしょう
あなたを待つ場所が
あなたを待つ明日が
おかえりなさいと言いたくて
待っています
雨 降るかしら
降っても きっと
地面を潤すきれいな雨だね
ひと休みするやさしい雨だね
思いでみつめる切ない雨だね
じぶんを洗うほんとの雨だね
雨 降るかしら
降ったあとに花咲くだろうね
あんまり急いだものだから
じぶんをどこかに忘れてきたよ
ゆっくりさがしに行ってこよう
これからつづく旅の道
じぶんが心地よい歩幅
ときどき鼻歌うたいつつ
景色を見ながら歩くのだ
鳥が歌えばたちどまり
花が咲いたらたちどまり
決して急ぎすぎぬよう
地面を感じて歩くのだ
白木蓮が
これから咲くところへ
いってみようかな
花を追いかけて
電車に乗ろうかな
まだ見ぬなつかしさを
追いかけて遠くまで
いってみようかな
咲きはじめた白木連の
その樹の下で
春を待とうかな
はじまることも
終わることも
咲くことも
散ることも
朝がくることも
夜がくることも
おんなじことだけど
でも
ひとつひとつ
ちがう
ひとりひとり
ちがう
たくさんの点滅
ひかりのひとつひとつが
暗闇のひとつひとつが
みんなちがう
それぞれの朝
それぞれの夜
つらなる日々のすべてが
ひとつひとつちがう
覚えておくよ
ちいさなことも
これからいろんな事があっても
覚えておくよ
ちいさなきみが
ささえてくれた
ちいさなじぶん
覚えておくよ
ちいさなかけらが
きらきらしてる
ちいさな時間
覚えておくよ
このからだがあったかいうちに
きれいな空をみよう
言葉をかわそう
贈りものをえらぼう
なつかしい景色
あたらしい景色
いま歩いている景色
そのいとしさをかみしめる
このからだがあったかいうちに
言葉をしるそう
言葉なくみつめよう
星空からじぶんをみおろそう
ただありがとうと言おう
なにものでもない
だから
風がつめたくて
だから
きもちがいいんだ
どこへでもいける
だから
足がふるえる
だから
どこまでもいける
決まっていない
だから
そわそわする
だから
どきどきするんだ