そろそろ

　
鞄が重くなりました

荷物は増えるものですね


そろそろ　

そんな時期です


明日にでも　

出発できるように

まず　決意


どこへ行くかは

そのあとです

火種

ひとひとり生きるのに

必要なものは

そのひとだけの

火種を見つけること

火種を守ること

火種を渡すこと




　

風のように

外にでたら
明るくて
風が吹いていて
鳥が鳴いていて

ああ　しあわせだなあ

そうつぶやいて
いるのである

隣の駅に行くだけだが

そのつぶやきの意味は

誰にも止められないこと

今　通り過ぎた風のように

誰にも止められないこと

北極星

わたしのまわりの風景が

どれだけぐるぐる変わろうと

わたしは　空の　真ん中で

小さな鈴を　鳴らします

喜び　嘆き　微笑みと傷

震えがここまで伝わって

わたしの鈴が　揺れている

基本

無駄なことを　大真面目に　考えること

だけど同時に　あほらし　って言えること

淡々と　日々　歩むこと

空を見て　きれいだな　と　思うこと

余白をたくさん　もっていること

コーヒー　美味しく　飲めること

それが　基本　だな

白木蓮

春がくる

白木蓮

花は　ろうそく

灯して祝う

春がくる

おひさまのなかま

たんぽぽ
子供の帽子
チーズ

黄色いものは
あかるいね

黄色いものは
あったかい

おひさま
きっと
黄色のなかま

ひよこ
はちみつ
きんもくせい

朝の歌のために

今朝も小鳥が鳴いている

朝だね

あかるいね
まぶしいね

あそぼう

あのたてものの
向こうまで
いっしょに飛ぼう

見える景色が
ここと違うよ

朝だね

ああ　朝だね

ほんとうに　朝だね


その歌を歌うために

冬の夜の冷たさに
ちいさなからだを膨らませ
負けないと決めている

朝を迎えて
その歌を歌うために

なにも無いから

なにも無い壁は
ほっとする

一輪　花を　置いてもいいな

なにも無い日は
ほっとする

これから　いいもの　探しにいける

なにも無いから
ほっとする

余白をきれいに残したままで

何を描くか　考えられる

とろとろと眠る

風邪をひく
熱を出す
とろとろと眠る

ああ　なんか
どうにもならん
寝るのが一番

そしてまた
風邪だけではないのだな
寝るのが一番は

とろとろと眠る
寝るのが一番

眠りのうちに
歯車がゆっくりと
動くことが
あるんだな

自力では動かせない
歯車も
あるんだな

とろとろと眠る
寝るのが一番

心を乗せた舟

ちいさなひと
まだ言葉を話せないあなた
毎日　言葉をあなたは受けとる


言葉は心を乗せた舟
小さなからだのなかの海へ
言葉の舟がまいります


あなたのおかあさんが
小さな耳に囁いている
手の中のぬいぐるみを
じっと見ているあなたに


いつの日か
あなたを励ます言葉を
こうしてあなたは受けとって
言葉は心を乗せた舟
いつか誰かに手渡すの

お月さま

衣をまとい　

まんまるで

真冬の空にいらっしゃる

お月さま

おみかん　いかが

風邪など　ひいていませんか

勝ち

じゃんけんで　勝ち

サッカーで　勝ち

点数で　勝ち

ありがとう　って言われて勝ち

そんな勝ち方もあります

雪のなかで

野に生きる

黙々と

怒りとも悲しみとも

喜びとも　つかない

名づけられないものが

上へ　上へ　と

流れゆき　たどりつき

ぎゅっと握りしめてたこぶしが

思わず　開いた

それが　

雪のなかで　開いた花

湯気 ゆらゆら

湯気　ゆらゆら

お鍋から　ゆらゆら

コーヒーから　ゆらゆら

クリームシチューから　ゆらゆら

つめたい　場所に　　あつい　があるの

何かが動く道がうまれて

こちらから　向こう

向こうから　こちら

動かずにはいられない

変わらずにはいられない

湯気　ゆらゆら

ひと　ゆらゆら

とき　ゆらゆら