ぜいたくなこと

風がある

記憶がある

まだ見えない

道がある

元気かと

言うひとがいる

言葉がある

ああ

なんだか

ぜいたくなことだ

心はまるで一羽の小鳥

心はまるで

一羽の小鳥

さみしがりやで

おこりんぼうで

明るい日には

はしゃいで遊び

嵐の日には

樹の葉に隠れ

生きてるあいだ

すてきなことを

こくびをかしげて

さがしつづけて

うまれた歌が

こぼれでる

たちあげる日

これから

わたしという

名前を

かたちを

機能を

姿勢を

たちあげます

投げだすわけには

いきません

こわれても直します

なにがあっても

やめません

かんたんかんたん かんたんさ

かんたんかんたん

かんたんさ

おこりたければおこればいいし

わらいたければわらえばいいし

なきたいときはなけばいい

かんたんかんたん

かんたんさ

のはらにごろんとねころんで

ともだちとそらをみて

おはなししたりうたったり

きもちがよくてねむったり

そんなすてきなじかんがあれば

かんたんかんたん

かんたんさ

飛びながら

燕は

飛びながら

水を飲む

飛びながら

行き先を決める

とまるのは

ふりかえるとき

飛びながら

あしたを思う

飛びながら

夢をみる

ひとつまみぶん甘くしよう

ひとつまみぶん

甘くしよう

くじけるまえに

いいこだねって

言ってあげよう

こころはときに

泣きそうなこども

かみさまのかわりに

やさしくしよう

おひさまのかわりに

やさしくしよう

ひとつまみぶん

甘くしよう

じぶんのなかのこどもを

しあわせにしよう

ことりが一羽おりました

ことりが一羽おりました

咲いたお花をみてました

小さな細い切り株に

ちょこんとのっておりました

ことりが一羽おりました

雲の間からさす光

お日様のてにつつまれて

目をとじうっとりしてました

ことりが一羽おりました

吹いてく風をみてました

木の葉を揺らす旅びとの

後ろ姿をみてました

じぶんの舟を漕ぐ

うまれもったもの

つかみとったもの

不安と希望を

ひとつの舟にのせて

じぶんの舟を漕ぐ

目じるしの星をみあげて

どれだけすすんだのか

わからないけれど

これがわたしの舟

じぶんの舟を漕ぐ

友はヒトだけではない

語りかけるのは

ヒトだけではない

温かいべつの生きものが

身をゆだねてくれるときも

笹の葉が風にゆれて

うたう歌を聞いたときも

知らぬまにわたしは

ほほえんでいるのだ

友よ

あなたのことを

忘れない

ほんとうにしたがう

ためらうことで

すすむときもある

やすむことで

はじまるときもある

ほんとうにしたがう

それしかないんだ

なんぽあるいたかでなく

いきたいところへ

むかおうとしたか

それしかないんだ

きれいな雨

きれいな雨が降りました

風が走ってゆきました

きのうときょうとあしたには

ほんとは大きな溝かある

跳びこえながら歩いてく

雲は姿をかえながら

空を流れる旅のふね

果てることない時のたね

次の雨がふるときは

なにかがひとつ変わるだろう

なにかを跳びこえすすむだろう

きれいな雨が降りました

風が走ってゆきました

そんな生きものになるものか

傷つけることも

憎まれることも

ゼロではない

気もつかず

踏みにじることが

きっとあるだろう

でも

笑いながら

踏みにじるなんて

するものか

おとしめて

安心なんか

するものか

そんな

みじめな生きものに

なるものか

堂々と歩く

強くなる

柔らかくなる

明るくなる

繊細になる

のどかになる

どれかひとつだけ

選ぶことなんかない

ひとはすべてを

ひとつにできる

堂々と憧れ

堂々と望み

堂々と手をのばし

いつ終わるか

わからないときを

堂々と歩く

おやすみなさいのその前に

洗えるものは

みんな洗って

よぶんなものは

捨てました

あしたのために

余白をつくり

きもちひろびろ

眠りにつきます

あしたのわたしが

おおらかであり

笑顔が芽吹きますように

よい夢おとずれますように

勝つ気

短気で

本気で

めざすは

克己

のんきと

根気と

転機で

勝つ気